水仙の闘争
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
逆に伏龍さんが幹部を叱りつけてるシーンも目撃情報が多いです。
伏龍:いやあ…カチンときたらすぐ口から出てくるからダメですね。よく粛清されず生き残ってるもんです。
因みに、どういったことで叱るんですか?
伏龍:えと…「セクハラはやめろ」とか「八つ当たりするな」とかですね。あとはお屋形様に「勤務時間中に遊びにくるな」って言うくらいです。
いらっしゃるんですか?
伏龍:最近すごく来ます。どうしたもんかしら。
はあ…人徳ですねえ。
伏龍:ないですよう、そんないいもの。結局みんな溜まってるんです。聞いてやって、すっきりして、それで明日また頑張れるならそれが私の本懐です。
ーーーーーーーーーー
「子犬ちゃん、私の部屋に来ない?」
クイーンが社内誌から顔を上げて微笑むと、晴乃さんにそう問いかけた。
「セクハラですよ、最上さん」
「つれないことを言わないで頂戴。支配欲の為のセックスは好きだけど、たまにあなたみたいなコと愛を確かめ合いたくなるのよ」
「わーお、セクハラどころの騒ぎじゃなかった。ダメですよ最上さん。亜面さんがどんな顔したらいいか分からなくなってるじゃないですか」
「わ、私のことはお気になさらず!」
私が紅茶をテーブルに置いてそう言うと、晴乃さんは「テンパってるテンパってる」と笑った。
「真琴ちゃんも子犬ちゃんといちゃいちゃしたいわよねえ?」
「何を聞いてるんですかもう」
「でもねえ、こんな記事読んだらあなたのこともっと好きになっちゃうわ」
クイーンはまた冊子を開き、インタビュー記事を読み直す。なんとなくその横顔に、つい「愛を感じますよね」と同意してしまった。
「ほうら、一票入ったわ」
「亜面さんの裏切り者ー」
「いえ、そんなつもりでは…」
「あなた、結構テンパりやすいのね」
「亜面さんオフだと結構テンパりますよー。立会人さんってホント面白いですよねえ。いざ出撃!って時は本当にカッコいいんですけど…」
「けど?」
「うふふ、秘密です」
口元を手で隠した晴乃さん。悪戯っぽく細められたその目が女性らしくて、クイーンじゃないけど、少し見惚れた。
がた、と乱雑にドアを開けて、櫛灘立会人が乱入して来たのは丁度そんな瞬間。
「櫛灘さん、ダメでしょう」
「うるせえぞ事務員風情が!黙ってろ!」
櫛灘立会人はその剣幕を激しくしながら晴乃さんに食ってかかるが、晴乃さんは何処吹く風。薄く微笑みを浮かべたままティーポットにお湯を注ぐ。
「そうはいきません。櫛灘さん、今日は辛かったんですね。でも、それはここにいる人たちを脅かしていい理由にはなりません」
ぽちゃ、とティーバッグをポットに落とし入れると、晴乃さんは背筋をぴんと伸ばして櫛灘立会人に正対する。
「何かあったなら聞きますよ。何もないならみんなに謝って下さい」
じいっと櫛灘立会人の双眸を覗き込む墨色の目。深いその色に息を呑んだ。それは櫛灘立会人も同じ。粗雑な言動をしまい込み、呆然と彼女の目を見つめ返す。
穏やかな事務室に突如訪れた緊張の瞬間。先に根をあげたのは櫛灘立会人だった。
「俺は…俺はこのまま粛清されるんだあああ!」
大きな雄叫びと共に崩れ落ちた立会人の背を、その高さに合わせてしゃがみ込んだ晴乃さんが撫でる。
「粛清ですか。どうしてそう思ったんですか?」
低い、柔らかい声。それに促され、櫛灘立会人は涙ながらに今日あった失敗を語り出した。
「…なるほど。つまり賭けに負けた人が逃げちゃって、お金を取り立てられなかったんですね」
「粛清ね」
「こら最上さん!」
「やっぱり粛清なんだあああ!」
「うわ櫛灘さん、落ち着いて下さい。とりあえず紅茶どうぞ」
晴乃さんは櫛灘立会人にティーカップを握らせ、自身はどうしたものかと首をひねる。
「多分、腹を切るしかないですよ」
「亜面さん…言っちゃダメでしょう、そんなこと」
「いえ、でも…」
ふう、と彼女はため息をつく。そして、櫛灘立会人の背をポンポン叩いて立ち上がる。
「まあとりあえず、お屋形様に謝りに行きましょう。私も同行しますから」
「え、能輪立会人じゃなくて?」
「本来そっちですけど、おじいちゃんだと取引を持ちかけられるから嫌いです」
「好き嫌い…」
「ええ。でもね櫛灘さん、ちゃんと捕まえないとダメですからね。猶予を貰えるか聞くだけです」
「は、はい…」
「どうしてもなら、磨黒さんに助太刀をお願いしましょ。あの人なら受けてくれるでしょう」
「はい…はい…!」
現金な男だ。
がちゃ、とまたドアが開いて、私たちはついそちらに視線をやる。驚くべき人が立っていた。
「お、お屋形様?!」
「ねえ晴乃君晴乃君、ちょっとカレールー使ってカレー作ってみてよ」
「それ自体はお安い御用ですがお屋形様、勤務時間に遊びに来ちゃダメですって。…あ、そうだ。櫛灘さんが言わなきゃいけないことがあるんですって」
「えー、私そんなに暇じゃないんだよね。カレー食べなきゃいけなくてさ。晴乃君の裁量でいいよ」
「あら、いいんですか?よし、なら櫛灘さん、今すぐ粛清に行ってください。困ったら強がらず早めに連絡して下さいね」
「はい…はい女神!あなたに救って頂いたこの命、無駄には致しません!」
いや、全くもって現金すぎる男め。目を輝かせた櫛灘立会人と予想外の台詞に眉間にしわを寄せた晴乃さんを見比べながら、密かにため息をついた。
伏龍:いやあ…カチンときたらすぐ口から出てくるからダメですね。よく粛清されず生き残ってるもんです。
因みに、どういったことで叱るんですか?
伏龍:えと…「セクハラはやめろ」とか「八つ当たりするな」とかですね。あとはお屋形様に「勤務時間中に遊びにくるな」って言うくらいです。
いらっしゃるんですか?
伏龍:最近すごく来ます。どうしたもんかしら。
はあ…人徳ですねえ。
伏龍:ないですよう、そんないいもの。結局みんな溜まってるんです。聞いてやって、すっきりして、それで明日また頑張れるならそれが私の本懐です。
ーーーーーーーーーー
「子犬ちゃん、私の部屋に来ない?」
クイーンが社内誌から顔を上げて微笑むと、晴乃さんにそう問いかけた。
「セクハラですよ、最上さん」
「つれないことを言わないで頂戴。支配欲の為のセックスは好きだけど、たまにあなたみたいなコと愛を確かめ合いたくなるのよ」
「わーお、セクハラどころの騒ぎじゃなかった。ダメですよ最上さん。亜面さんがどんな顔したらいいか分からなくなってるじゃないですか」
「わ、私のことはお気になさらず!」
私が紅茶をテーブルに置いてそう言うと、晴乃さんは「テンパってるテンパってる」と笑った。
「真琴ちゃんも子犬ちゃんといちゃいちゃしたいわよねえ?」
「何を聞いてるんですかもう」
「でもねえ、こんな記事読んだらあなたのこともっと好きになっちゃうわ」
クイーンはまた冊子を開き、インタビュー記事を読み直す。なんとなくその横顔に、つい「愛を感じますよね」と同意してしまった。
「ほうら、一票入ったわ」
「亜面さんの裏切り者ー」
「いえ、そんなつもりでは…」
「あなた、結構テンパりやすいのね」
「亜面さんオフだと結構テンパりますよー。立会人さんってホント面白いですよねえ。いざ出撃!って時は本当にカッコいいんですけど…」
「けど?」
「うふふ、秘密です」
口元を手で隠した晴乃さん。悪戯っぽく細められたその目が女性らしくて、クイーンじゃないけど、少し見惚れた。
がた、と乱雑にドアを開けて、櫛灘立会人が乱入して来たのは丁度そんな瞬間。
「櫛灘さん、ダメでしょう」
「うるせえぞ事務員風情が!黙ってろ!」
櫛灘立会人はその剣幕を激しくしながら晴乃さんに食ってかかるが、晴乃さんは何処吹く風。薄く微笑みを浮かべたままティーポットにお湯を注ぐ。
「そうはいきません。櫛灘さん、今日は辛かったんですね。でも、それはここにいる人たちを脅かしていい理由にはなりません」
ぽちゃ、とティーバッグをポットに落とし入れると、晴乃さんは背筋をぴんと伸ばして櫛灘立会人に正対する。
「何かあったなら聞きますよ。何もないならみんなに謝って下さい」
じいっと櫛灘立会人の双眸を覗き込む墨色の目。深いその色に息を呑んだ。それは櫛灘立会人も同じ。粗雑な言動をしまい込み、呆然と彼女の目を見つめ返す。
穏やかな事務室に突如訪れた緊張の瞬間。先に根をあげたのは櫛灘立会人だった。
「俺は…俺はこのまま粛清されるんだあああ!」
大きな雄叫びと共に崩れ落ちた立会人の背を、その高さに合わせてしゃがみ込んだ晴乃さんが撫でる。
「粛清ですか。どうしてそう思ったんですか?」
低い、柔らかい声。それに促され、櫛灘立会人は涙ながらに今日あった失敗を語り出した。
「…なるほど。つまり賭けに負けた人が逃げちゃって、お金を取り立てられなかったんですね」
「粛清ね」
「こら最上さん!」
「やっぱり粛清なんだあああ!」
「うわ櫛灘さん、落ち着いて下さい。とりあえず紅茶どうぞ」
晴乃さんは櫛灘立会人にティーカップを握らせ、自身はどうしたものかと首をひねる。
「多分、腹を切るしかないですよ」
「亜面さん…言っちゃダメでしょう、そんなこと」
「いえ、でも…」
ふう、と彼女はため息をつく。そして、櫛灘立会人の背をポンポン叩いて立ち上がる。
「まあとりあえず、お屋形様に謝りに行きましょう。私も同行しますから」
「え、能輪立会人じゃなくて?」
「本来そっちですけど、おじいちゃんだと取引を持ちかけられるから嫌いです」
「好き嫌い…」
「ええ。でもね櫛灘さん、ちゃんと捕まえないとダメですからね。猶予を貰えるか聞くだけです」
「は、はい…」
「どうしてもなら、磨黒さんに助太刀をお願いしましょ。あの人なら受けてくれるでしょう」
「はい…はい…!」
現金な男だ。
がちゃ、とまたドアが開いて、私たちはついそちらに視線をやる。驚くべき人が立っていた。
「お、お屋形様?!」
「ねえ晴乃君晴乃君、ちょっとカレールー使ってカレー作ってみてよ」
「それ自体はお安い御用ですがお屋形様、勤務時間に遊びに来ちゃダメですって。…あ、そうだ。櫛灘さんが言わなきゃいけないことがあるんですって」
「えー、私そんなに暇じゃないんだよね。カレー食べなきゃいけなくてさ。晴乃君の裁量でいいよ」
「あら、いいんですか?よし、なら櫛灘さん、今すぐ粛清に行ってください。困ったら強がらず早めに連絡して下さいね」
「はい…はい女神!あなたに救って頂いたこの命、無駄には致しません!」
いや、全くもって現金すぎる男め。目を輝かせた櫛灘立会人と予想外の台詞に眉間にしわを寄せた晴乃さんを見比べながら、密かにため息をついた。