ミスミソウの駆け引き
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「あーっ!悔しい悔しい悔しい!くーやーしーいー!!」
晴乃は忘年会の真っ最中という事を完全に忘れているようで、弥鱈立会人の膝に座って、彼をぎゅうぎゅう抱きしめながら雄叫びをあげている。'喧嘩'が終わったと思ったらまっすぐ彼の胸へ飛び込んでいった晴乃と、それに対して何も動揺する気配を見せず背中をさすってやっている彼を見ると、大親友というのは本当なのだなとしみじみ思う。
晴乃の行動を咎めるものはいない。あれは悔しいだろうと、誰しもが思うからだ。
ーーーーーーーーーー
「さあ、晴乃君。私に勝って、皆に力を示すんだ」
突然の大笑いの後、お屋形様は笑い混じりに彼女を促した。
「…負けました」
「何を言っているんだ、ここまで来て勝負を投げる方が失礼だ」
「だって、だって。こんなの勝ったと言えません。全部あなたの思い通り」
「何の事かな」
「お屋形様、最初から。私をここに誘った時から、目蒲さんの名前を出して、私の神経を逆撫でして。そう、座席だって、出した話題だって。私がイライラするように」
「なんだ、そんなこと。言ったじゃない。普通それにすら気付かないよ。君は私の企みもイカサマも、全て見抜いたんだ。誇っていい」
ねえ、判事?とお屋形様が問えば、彼はごもっともですと頷いた。
「だから、早く決着をつけよう」
戦争。お屋形様の声に合わせて、彼女は力無くカードをめくった。
「お屋形様が6、晴乃様が8。お屋形様の手札が全て無くなりましたので、この勝負、晴乃様の勝利です」
勝ったはずの女は、ただ地面を見つめながら座っている。
「つきましては、お屋形様は業務上以外の命令で目蒲立会人の名前を出す事を禁じます」
「仕方がないね。これからは事あるごとにに晴乃君を負かさないといけなくなっちゃったけど」
「…いいです」
「ん?」
「私の完敗です。あなたに忠誠を誓います」
お屋形様は楽しげに笑うと、俯く彼女の顎を掴み、無理矢理目を合わさせる。
「いいや、好きに反抗しなよ。君は賭郎の構成員ではない。私のワイルドカードだ。この私がルールを捻じ曲げてまで引き入れたんだ、存在価値を示してよ」
覗き込まれる瞳。孕む決意の色。彼女はぎりと歯を食いしばり、漏らす吐息と共に「仰せのままに」と囁いた。
晴乃は忘年会の真っ最中という事を完全に忘れているようで、弥鱈立会人の膝に座って、彼をぎゅうぎゅう抱きしめながら雄叫びをあげている。'喧嘩'が終わったと思ったらまっすぐ彼の胸へ飛び込んでいった晴乃と、それに対して何も動揺する気配を見せず背中をさすってやっている彼を見ると、大親友というのは本当なのだなとしみじみ思う。
晴乃の行動を咎めるものはいない。あれは悔しいだろうと、誰しもが思うからだ。
ーーーーーーーーーー
「さあ、晴乃君。私に勝って、皆に力を示すんだ」
突然の大笑いの後、お屋形様は笑い混じりに彼女を促した。
「…負けました」
「何を言っているんだ、ここまで来て勝負を投げる方が失礼だ」
「だって、だって。こんなの勝ったと言えません。全部あなたの思い通り」
「何の事かな」
「お屋形様、最初から。私をここに誘った時から、目蒲さんの名前を出して、私の神経を逆撫でして。そう、座席だって、出した話題だって。私がイライラするように」
「なんだ、そんなこと。言ったじゃない。普通それにすら気付かないよ。君は私の企みもイカサマも、全て見抜いたんだ。誇っていい」
ねえ、判事?とお屋形様が問えば、彼はごもっともですと頷いた。
「だから、早く決着をつけよう」
戦争。お屋形様の声に合わせて、彼女は力無くカードをめくった。
「お屋形様が6、晴乃様が8。お屋形様の手札が全て無くなりましたので、この勝負、晴乃様の勝利です」
勝ったはずの女は、ただ地面を見つめながら座っている。
「つきましては、お屋形様は業務上以外の命令で目蒲立会人の名前を出す事を禁じます」
「仕方がないね。これからは事あるごとにに晴乃君を負かさないといけなくなっちゃったけど」
「…いいです」
「ん?」
「私の完敗です。あなたに忠誠を誓います」
お屋形様は楽しげに笑うと、俯く彼女の顎を掴み、無理矢理目を合わさせる。
「いいや、好きに反抗しなよ。君は賭郎の構成員ではない。私のワイルドカードだ。この私がルールを捻じ曲げてまで引き入れたんだ、存在価値を示してよ」
覗き込まれる瞳。孕む決意の色。彼女はぎりと歯を食いしばり、漏らす吐息と共に「仰せのままに」と囁いた。