ミスミソウの駆け引き
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かんっ!
グラスを膳に置く、小気味のいい音。音の発信源たる彼女は不敵な笑みを浮かべ、私を睨みあげた。
「何?」
「いえ別に、何も」
彼女は澄まし顔で目をそらす。つられるように見下ろす座敷には、はらはらと成り行きを見守る幹部たちの姿。
へえ、そう。私を牽制するんだね?
「君のそういうところ、大好きだよ」
「お屋形様、私が何かする度それですね」
「全てがツボなんだよ」
「やだ、照れる」
私はカード順番を変えようとしていた手を止める。彼女は満足気に頷いた。
せー、んー、そっ!
開かれたカードは7とクイーン。私の負け。そして、私の手に残る最後の一枚は6。潔く認めなければいけない。これは私の負け。
素晴らしいよ、晴乃君。さあ、彼らに君の価値を見せつけなよ。
ーーーーーーーーーー
背中にぞわりと走るものがあった。とんでもない違和感。
なんで、ここで、笑う。
なんで、ここで、勝ち誇る。
だって勝つのは私でしょう?おかしいよ、お屋形様。あなた、私を潰すんじゃなかったの?
なんで。何かある。考えろ。
首の後ろあたりがひんやりする。鼓動がやけに大きく聞こえる。どこだ、どこが始まりだ。
「なあんだ、気付いちゃったの」
お屋形様が嘲笑う。
「普通乗せられたことにも気付かないよ。やっぱり君は素晴らしい」
そう。そうだ。私だってよく子どもにやったじゃないか。
仕向けたんだ、この人。私が怒るように。
「あーっ!!」
呵々大笑。私の悲鳴とお屋形様の笑い声が、部屋をつんざいた。
グラスを膳に置く、小気味のいい音。音の発信源たる彼女は不敵な笑みを浮かべ、私を睨みあげた。
「何?」
「いえ別に、何も」
彼女は澄まし顔で目をそらす。つられるように見下ろす座敷には、はらはらと成り行きを見守る幹部たちの姿。
へえ、そう。私を牽制するんだね?
「君のそういうところ、大好きだよ」
「お屋形様、私が何かする度それですね」
「全てがツボなんだよ」
「やだ、照れる」
私はカード順番を変えようとしていた手を止める。彼女は満足気に頷いた。
せー、んー、そっ!
開かれたカードは7とクイーン。私の負け。そして、私の手に残る最後の一枚は6。潔く認めなければいけない。これは私の負け。
素晴らしいよ、晴乃君。さあ、彼らに君の価値を見せつけなよ。
ーーーーーーーーーー
背中にぞわりと走るものがあった。とんでもない違和感。
なんで、ここで、笑う。
なんで、ここで、勝ち誇る。
だって勝つのは私でしょう?おかしいよ、お屋形様。あなた、私を潰すんじゃなかったの?
なんで。何かある。考えろ。
首の後ろあたりがひんやりする。鼓動がやけに大きく聞こえる。どこだ、どこが始まりだ。
「なあんだ、気付いちゃったの」
お屋形様が嘲笑う。
「普通乗せられたことにも気付かないよ。やっぱり君は素晴らしい」
そう。そうだ。私だってよく子どもにやったじゃないか。
仕向けたんだ、この人。私が怒るように。
「あーっ!!」
呵々大笑。私の悲鳴とお屋形様の笑い声が、部屋をつんざいた。