ミスミソウの駆け引き
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「どう見る」
泉江外務卿に問いかけられ、俺たちは目を合わせる。
「先生がどこまでお屋形様のイカサマを見破り切れるか、ですよね」
「ある程度までは見破れるでしょうが…相手はお屋形様ですからね」
口火を切った銅寺立会人に、亜面立会人が続く。
「しかし、チビがお屋形様のイカサマを完全に封殺しよったら?」
「いえ~、それでやっと五分ですので~」
「結局晴乃が出来るのは、ゲームを完全な運任せまで持っていくことまでか」
泉江外務卿は二人を睨みながらビールを煽る。そして「亜面これ貰うぞ」と彼女の里芋を攫った。
お屋形様はゲームの度にイカサマを繰り出し、その全てを晴乃は見抜いていく。その度に部屋の温度が下がっていくような気がして、俺はホッケをつつく。
残念ながらホッケは既に冷め始めていた。
ーーーーーーーーーー
人に見られながら、というのは中々に気を使う。正直に言えば、嫌なシチュエーションだ。目の前ではお屋形様が懲りずに7回目のイカサマを仕掛けるつもりなのが表情から見て取れた。
これを指摘するの、気が滅入る。紛いなりにも上司だし。
「あれ?」
「何?」
「見抜けませんでした…」
「そもそも何も起きていないんじゃない?」
「や、それはないと思うんです」
「まあ、発覚しないイカサマは起きていないのと同じだよね」
「そうなんですよねえ。ヤダなあ。ねちっこくするのは嫌いなんですよ」
「やらなければいいじゃない」
「喧嘩で負けるのはもっと嫌です」
「強情おんなー」
「ほっといてくださいよう」
ふう、と一息ついてから、背筋を正してお屋形様に向き合う。
「隠しました?」
「いや、まさか」
「嘘。自分に?自分以外に?」
「隠してないよ」
「そうですか。ええと、上半身?…左の方?…袖?…あ、胸ポケット?胸ポケット!棟椰さん胸ポケット探ってください!」
「お屋形様」
「いいよ、自分で出す」
お屋形様はカードを取り出す。ざわめく声。嬉しいけど、ちょっと今はギリギリなので応えてあげられない。
「君と戦うの、だから嫌いなんだよね」
「なら戦わないで下さいよう」
「潰しておかないと、示しがつかないでしょ」
「そもそも呼ばなければ良かったんです」
「絶対楽しくなると思ったんだよね」
「なりませんでしたね」
「いや、私今、楽しんでるよ?」
「それはどうもです」
せー、んー、そっ!
あっちは5、こっちは3。あっちの方が2つ多いから、あっちの勝ち。でも今は完全に運が左右するゲームになっているから大丈夫。これであっちの残りは8枚、こっちは2枚。
このまま勝てたらいいんだけど。私は更にビールを煽る。酔わないとやってらんないぜ、なーんて。
さて、お屋形様は八度目のイカサマに打って出る。私をここで潰すつもりだっていうなら、やらざるを得ないのは分かる。
でも、そろそろうざい。
泉江外務卿に問いかけられ、俺たちは目を合わせる。
「先生がどこまでお屋形様のイカサマを見破り切れるか、ですよね」
「ある程度までは見破れるでしょうが…相手はお屋形様ですからね」
口火を切った銅寺立会人に、亜面立会人が続く。
「しかし、チビがお屋形様のイカサマを完全に封殺しよったら?」
「いえ~、それでやっと五分ですので~」
「結局晴乃が出来るのは、ゲームを完全な運任せまで持っていくことまでか」
泉江外務卿は二人を睨みながらビールを煽る。そして「亜面これ貰うぞ」と彼女の里芋を攫った。
お屋形様はゲームの度にイカサマを繰り出し、その全てを晴乃は見抜いていく。その度に部屋の温度が下がっていくような気がして、俺はホッケをつつく。
残念ながらホッケは既に冷め始めていた。
ーーーーーーーーーー
人に見られながら、というのは中々に気を使う。正直に言えば、嫌なシチュエーションだ。目の前ではお屋形様が懲りずに7回目のイカサマを仕掛けるつもりなのが表情から見て取れた。
これを指摘するの、気が滅入る。紛いなりにも上司だし。
「あれ?」
「何?」
「見抜けませんでした…」
「そもそも何も起きていないんじゃない?」
「や、それはないと思うんです」
「まあ、発覚しないイカサマは起きていないのと同じだよね」
「そうなんですよねえ。ヤダなあ。ねちっこくするのは嫌いなんですよ」
「やらなければいいじゃない」
「喧嘩で負けるのはもっと嫌です」
「強情おんなー」
「ほっといてくださいよう」
ふう、と一息ついてから、背筋を正してお屋形様に向き合う。
「隠しました?」
「いや、まさか」
「嘘。自分に?自分以外に?」
「隠してないよ」
「そうですか。ええと、上半身?…左の方?…袖?…あ、胸ポケット?胸ポケット!棟椰さん胸ポケット探ってください!」
「お屋形様」
「いいよ、自分で出す」
お屋形様はカードを取り出す。ざわめく声。嬉しいけど、ちょっと今はギリギリなので応えてあげられない。
「君と戦うの、だから嫌いなんだよね」
「なら戦わないで下さいよう」
「潰しておかないと、示しがつかないでしょ」
「そもそも呼ばなければ良かったんです」
「絶対楽しくなると思ったんだよね」
「なりませんでしたね」
「いや、私今、楽しんでるよ?」
「それはどうもです」
せー、んー、そっ!
あっちは5、こっちは3。あっちの方が2つ多いから、あっちの勝ち。でも今は完全に運が左右するゲームになっているから大丈夫。これであっちの残りは8枚、こっちは2枚。
このまま勝てたらいいんだけど。私は更にビールを煽る。酔わないとやってらんないぜ、なーんて。
さて、お屋形様は八度目のイカサマに打って出る。私をここで潰すつもりだっていうなら、やらざるを得ないのは分かる。
でも、そろそろうざい。