過ぎ去るはエーデルワイス
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「え」
事務室のドアを開けた弥鱈が目を丸くした。伏龍が勝ち誇ったように笑う。
「びっくりした?」
あー、うん、うん。彼は曖昧な返事と共に数度頷くと、気まずそうに「昨日絶交した気がするんだケド」と頭を掻いた。彼女は満面の笑みで「大丈夫。したよ」と返す。
「物事ってのは単純明快でないとね。私は弥鱈君に会う為に今まで頑張ってきたんだから、逃げ回るんじゃ話が違う」
「うわアンタらしい」
弥鱈はドン引きしましたとばかりに後ずさりすると、唾液でシャボン玉を作った。
「汚いな」
伏龍はそれをさも当然のように突いて消す。
「なら潰すなよ」
「放置したら迷惑でしょ」
ハンカチで指先を拭いて、元通りとでも言いたげに笑う。弥鱈はそれを呆れたような、でもどこか感慨深げな眼差しで見つめた。
「あそこの角にあった喫茶店、まだ営業してるらしいぜ」
「今月は?」
「知らね」
「そっか。待ってる」
「了解」
そのやり取りの後、伏龍は今日の立会いについて手短に説明すると、弥鱈を送り出す。
「なあ、何を待つってんだ?」
俺は思わず問いかけた。二人の穏やかな表情は台風一過を告げていたからもう心配はしていない。ただ単なる好奇心だった。
「やーだ滝さんたら、二人の秘密ですよう」
彼女は笑って口元に人差し指を当てる。俺も呆れて笑う。全く、相変わらずの秘密主義者め。
8
因みにその次の日、今月はイチゴでしたとの報告を受けた。全くわからんが久々のいい笑顔だったので良しとする。
事務室のドアを開けた弥鱈が目を丸くした。伏龍が勝ち誇ったように笑う。
「びっくりした?」
あー、うん、うん。彼は曖昧な返事と共に数度頷くと、気まずそうに「昨日絶交した気がするんだケド」と頭を掻いた。彼女は満面の笑みで「大丈夫。したよ」と返す。
「物事ってのは単純明快でないとね。私は弥鱈君に会う為に今まで頑張ってきたんだから、逃げ回るんじゃ話が違う」
「うわアンタらしい」
弥鱈はドン引きしましたとばかりに後ずさりすると、唾液でシャボン玉を作った。
「汚いな」
伏龍はそれをさも当然のように突いて消す。
「なら潰すなよ」
「放置したら迷惑でしょ」
ハンカチで指先を拭いて、元通りとでも言いたげに笑う。弥鱈はそれを呆れたような、でもどこか感慨深げな眼差しで見つめた。
「あそこの角にあった喫茶店、まだ営業してるらしいぜ」
「今月は?」
「知らね」
「そっか。待ってる」
「了解」
そのやり取りの後、伏龍は今日の立会いについて手短に説明すると、弥鱈を送り出す。
「なあ、何を待つってんだ?」
俺は思わず問いかけた。二人の穏やかな表情は台風一過を告げていたからもう心配はしていない。ただ単なる好奇心だった。
「やーだ滝さんたら、二人の秘密ですよう」
彼女は笑って口元に人差し指を当てる。俺も呆れて笑う。全く、相変わらずの秘密主義者め。
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因みにその次の日、今月はイチゴでしたとの報告を受けた。全くわからんが久々のいい笑顔だったので良しとする。