過ぎ去るはエーデルワイス
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「アンタはなんでそんなに鈍いんだ」
黒服さんたちによって拘束具ーーガレットというんだっけ。美味しそうな名前とは裏腹に凶悪な器具だった。ーーから解放された私に、弥鱈君は容赦なくデコピンを食らわせる。私はムッとして、その手を振り払う。
「ひどいな、こっちだって酸素不足で大変だったんだから」
「自分の唯一の仕事を忘れるなよ、ばーか」
「弥鱈君のがばーか」
「は?」
「ばーか」
弥鱈君が再びデコピンしてくるのを必死で避けていると、鞍馬さんが大きなため息を吐いた。
「結局、最後までその調子なんだね、アンタたち」
弥鱈君はそっぽを向いて、肩をすくめる。私は代わりに「負けなかったでしょ?私たち」と答えておいた。「とんでもないね」と、鞍馬さんはキセルを咥えた。
「さて、6を7つ揃えた猫様、2を8つ揃えた弥鱈様。この勝負、弥鱈様の勝利だ」
私は拍手した。誰も追従してくれなかったので、仕方がなく1人で。
「さて、約束通り猫議員には一千万の支払いと、近藤昌美嬢の解放をお願いしよう」
「待て…」
「待ちません。一千万の内七百は鞍馬さんに」
「おお、そうだった。同時に鞍馬様との決着も着いた。約束通り、七百万と引き換えに鞍馬組は金輪際弥鱈悠助、伏龍晴乃の両名とは関わらない。それでよろしいか?」
「異存はないね」
「問題ありません~」
「待て…待て!」
猫議員が大声をあげ、注目を集めた。必死そうな顔。負けるなんて思ってなかったんだろう。
「こんな、こんなことはおかしいと思わないのか!現金を賭けたギャンブルは法律で禁止されている!」
「わーお今更」
「言ってやるな、伏龍」
弥鱈君に諭され、私は口を噤む。その代わりにずいと前に出たのは鞍馬さんだった。
「アンタ…覚悟が足りなかったんだネェ…だが、今更言い訳するでないよ。この子らは覚悟をもって臨んだ。1人のちっぽけな高校生活の為にもう1人の高校生活を賭けたのさ。美しいじゃないの。じゃ、アンタは何を賭けた?何も賭けちゃいない。それがなんだい、端金程度でガタガタ騒いで。大人なら大人しく負けを認めな!」
キセルが机を叩く、小気味のいい音が響く。猫議員はへにゃりと床に座り込み、頷いた。
黒服さんたちによって拘束具ーーガレットというんだっけ。美味しそうな名前とは裏腹に凶悪な器具だった。ーーから解放された私に、弥鱈君は容赦なくデコピンを食らわせる。私はムッとして、その手を振り払う。
「ひどいな、こっちだって酸素不足で大変だったんだから」
「自分の唯一の仕事を忘れるなよ、ばーか」
「弥鱈君のがばーか」
「は?」
「ばーか」
弥鱈君が再びデコピンしてくるのを必死で避けていると、鞍馬さんが大きなため息を吐いた。
「結局、最後までその調子なんだね、アンタたち」
弥鱈君はそっぽを向いて、肩をすくめる。私は代わりに「負けなかったでしょ?私たち」と答えておいた。「とんでもないね」と、鞍馬さんはキセルを咥えた。
「さて、6を7つ揃えた猫様、2を8つ揃えた弥鱈様。この勝負、弥鱈様の勝利だ」
私は拍手した。誰も追従してくれなかったので、仕方がなく1人で。
「さて、約束通り猫議員には一千万の支払いと、近藤昌美嬢の解放をお願いしよう」
「待て…」
「待ちません。一千万の内七百は鞍馬さんに」
「おお、そうだった。同時に鞍馬様との決着も着いた。約束通り、七百万と引き換えに鞍馬組は金輪際弥鱈悠助、伏龍晴乃の両名とは関わらない。それでよろしいか?」
「異存はないね」
「問題ありません~」
「待て…待て!」
猫議員が大声をあげ、注目を集めた。必死そうな顔。負けるなんて思ってなかったんだろう。
「こんな、こんなことはおかしいと思わないのか!現金を賭けたギャンブルは法律で禁止されている!」
「わーお今更」
「言ってやるな、伏龍」
弥鱈君に諭され、私は口を噤む。その代わりにずいと前に出たのは鞍馬さんだった。
「アンタ…覚悟が足りなかったんだネェ…だが、今更言い訳するでないよ。この子らは覚悟をもって臨んだ。1人のちっぽけな高校生活の為にもう1人の高校生活を賭けたのさ。美しいじゃないの。じゃ、アンタは何を賭けた?何も賭けちゃいない。それがなんだい、端金程度でガタガタ騒いで。大人なら大人しく負けを認めな!」
キセルが机を叩く、小気味のいい音が響く。猫議員はへにゃりと床に座り込み、頷いた。