過ぎ去るはエーデルワイス
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私たちは吠える。譲れないものが世の中にはある。
「愛するって何、キモいんだけど!」
「えーそうでしょうよ、あんたには一生分かんないでしょうね!心配してくれるお父さん殴って、ぼこぼこにされるの見殺しにして、自分は自分のことロクに愛してくれてないおっさんと寝てるあんたには!」
「あんな使えないおっさん、殴られて当然なんだよ!」
「はぁ?使える使えないの問題なの?!」
「ったりめーだろ!アンタには一生わかんねーだろ!貧乏人の気持ちなんてさぁ!毎日みんなが新しいもの自慢しあってる横で、私ばっかりボロボロで!みんなが放課後どうするって笑ってる横で、私ばっかりバイトに行って!みんなが話してる話題も私だけ金がないから付いてけない!時間がないから見れない、話せない!だから私ばっかり友達も出来ない!私ばっかり!」
近藤さんは突然、ボロボロと涙を流し始める。一瞬たじろいで、でも、醒めてしまった。こいつ、とことん自分のことだけなんだなぁ。
「分かってたまるか、ばーか。何、そこで分かるよって、可哀想って言って貰えて、和解できると思った訳?」
ひっぐ。えっぐ。近藤さんは嗚咽を漏らしながら、まるで人外でも見るかのような目で私を見た。
「近藤さんが辛い訳は分かった。いつも疲れた顔をしてる訳も、分かった。近藤さんには近藤さんの悩みがあることは理解できる。でも、あんたが不幸だってことは、私たちを不幸にする免罪符にはならない。私は、私たちは馬鹿じゃないから、自分のこと不幸にする奴と友達になんかならない。今から言うこと、肝に銘じて。いい?私は、あなたを、一生許さない」
私は近藤さんの上から退く。近藤さんは堰を切ったようにわあわあ泣き出す。散々罵ったけど、まだ蹴飛ばしてやりたい。私は彼女を見下ろしながら拳を握りこんだ。
「私だって幸せになりたかった!アンタなんかに許されなくったっていい!あの人を彼氏にしてれば働かなくてよくて!欲しいものも買えて!ボロボロじゃなくて、時間があって、幸せだったのに!なんでみんなそういうこと言うの!なんでみんな分かってくれないの!」
「そーいうの、援助交際っていうんじゃないの?援助目当てで交際してるんなら」
ううう、と、訳のわからない叫び。見ないようにしてきたものを一気に突きつけられて、崩壊が近いんだろう。でも、許さない。今日は徹底的に凹ませる日だ。
「あんた幸せじゃないんだよ。だからみんな言うんだ。見て分かるから。身を削って承認欲求満たしてるだけだよ、そりゃ苦しいよ。心が削れていくんだもん。人を、いや、私たちを傷付けても分かんなくなるくらいには消耗してんだよ。一旦そこから離れな。貧乏より清貧のがマシだよ」
「今更じゃん…」
「うん。手遅れ感はあるね。まあでも、今なら軌道修正できるでしょ、辛うじて高3だし」
「無理だよ。今から猫さんと別れて、大学探して、勉強するなんて。第一、猫さん絶対離してくれない」
「知らないよ。自業自得だし。自分で頑張ってよ」
と、切り離しかけて思い出す。そういえば今、私も今わたしたちの進路を賭けて戦ってるんだった。
「あー、あのさ、でも、もし近藤さんが弥鱈君退学事件の落とし前をつけて、校長先生の前でお父さん殴ったのは自分ですって証言して、弥鱈君に心から謝るって言うなら、猫議員切り離すのまでは手を貸してあげなくもないよ?」
本当は、私の大親友をこんな目に遭わせた奴を助けるなんて、すっごくすっごく嫌なんだけど、とは言わないでおく。
「愛するって何、キモいんだけど!」
「えーそうでしょうよ、あんたには一生分かんないでしょうね!心配してくれるお父さん殴って、ぼこぼこにされるの見殺しにして、自分は自分のことロクに愛してくれてないおっさんと寝てるあんたには!」
「あんな使えないおっさん、殴られて当然なんだよ!」
「はぁ?使える使えないの問題なの?!」
「ったりめーだろ!アンタには一生わかんねーだろ!貧乏人の気持ちなんてさぁ!毎日みんなが新しいもの自慢しあってる横で、私ばっかりボロボロで!みんなが放課後どうするって笑ってる横で、私ばっかりバイトに行って!みんなが話してる話題も私だけ金がないから付いてけない!時間がないから見れない、話せない!だから私ばっかり友達も出来ない!私ばっかり!」
近藤さんは突然、ボロボロと涙を流し始める。一瞬たじろいで、でも、醒めてしまった。こいつ、とことん自分のことだけなんだなぁ。
「分かってたまるか、ばーか。何、そこで分かるよって、可哀想って言って貰えて、和解できると思った訳?」
ひっぐ。えっぐ。近藤さんは嗚咽を漏らしながら、まるで人外でも見るかのような目で私を見た。
「近藤さんが辛い訳は分かった。いつも疲れた顔をしてる訳も、分かった。近藤さんには近藤さんの悩みがあることは理解できる。でも、あんたが不幸だってことは、私たちを不幸にする免罪符にはならない。私は、私たちは馬鹿じゃないから、自分のこと不幸にする奴と友達になんかならない。今から言うこと、肝に銘じて。いい?私は、あなたを、一生許さない」
私は近藤さんの上から退く。近藤さんは堰を切ったようにわあわあ泣き出す。散々罵ったけど、まだ蹴飛ばしてやりたい。私は彼女を見下ろしながら拳を握りこんだ。
「私だって幸せになりたかった!アンタなんかに許されなくったっていい!あの人を彼氏にしてれば働かなくてよくて!欲しいものも買えて!ボロボロじゃなくて、時間があって、幸せだったのに!なんでみんなそういうこと言うの!なんでみんな分かってくれないの!」
「そーいうの、援助交際っていうんじゃないの?援助目当てで交際してるんなら」
ううう、と、訳のわからない叫び。見ないようにしてきたものを一気に突きつけられて、崩壊が近いんだろう。でも、許さない。今日は徹底的に凹ませる日だ。
「あんた幸せじゃないんだよ。だからみんな言うんだ。見て分かるから。身を削って承認欲求満たしてるだけだよ、そりゃ苦しいよ。心が削れていくんだもん。人を、いや、私たちを傷付けても分かんなくなるくらいには消耗してんだよ。一旦そこから離れな。貧乏より清貧のがマシだよ」
「今更じゃん…」
「うん。手遅れ感はあるね。まあでも、今なら軌道修正できるでしょ、辛うじて高3だし」
「無理だよ。今から猫さんと別れて、大学探して、勉強するなんて。第一、猫さん絶対離してくれない」
「知らないよ。自業自得だし。自分で頑張ってよ」
と、切り離しかけて思い出す。そういえば今、私も今わたしたちの進路を賭けて戦ってるんだった。
「あー、あのさ、でも、もし近藤さんが弥鱈君退学事件の落とし前をつけて、校長先生の前でお父さん殴ったのは自分ですって証言して、弥鱈君に心から謝るって言うなら、猫議員切り離すのまでは手を貸してあげなくもないよ?」
本当は、私の大親友をこんな目に遭わせた奴を助けるなんて、すっごくすっごく嫌なんだけど、とは言わないでおく。