第一部
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戦いの足音が、着々と近づいている。
受験の前よりも、コンテストの前よりも、ずっとずっとそれらは重々しい。
これを年一でやっているというのだから魔法使い達は凄い。もう何度もこなしている彼らにとっては、軽いものなのだろうか。
でも前回があまりに被害が大きかったということで、今回はみんな気を引き締めているようだ。
特に厄災と初めて戦うルチルやミチルやアーサー、「誰も死なせない」ということに重きを置くカインは凄かった。日々鍛錬をし、依頼にも積極的に参加して実戦経験を積んでいた。
懸念事項はオズ、スノウとホワイト、ヒースの厄災の傷。特にヒースは戦闘中に無意識に起こる可能性が大きい上に、敵味方見境なく攻撃してしまう。なるべくオーエンに近いところに配置したかったけど、さすがに最前線に置くわけにもいかなかった。この世はそんなに上手くいかないということだ。
オーエンは、あの日からすっかり大人しくなっている。毎日ピアノとキスをせがんではくるものの、もう首を絞めてくることはない。
どうやら、彼は毎日賢者の魔力ブーストを受けている影響で、基礎魔力が上がったらしい。
最近は調子がいいとご機嫌だし、「何があった」とその他の魔法使いは少し気にしている。
ひょっとしてこれを全員にすれば総合力が上がるんじゃ……とは思ったけど、私がオーエン以外にしたくないという理由でこっそり却下した。ダメな賢者でごめんな……。
戦いの前夜。
「明日に備えて早く寝よう」というリケの素晴らしい提案により、21時に魔法舎の灯りは消された。
私は例のピアノ部屋にいた。空に浮かぶ厄災は、今までで一番大きい。こんなに大きいと見られちゃうな。
「……素敵な夜だね、賢者様」
「オーエン」
いつも通りの格好のオーエンが微笑む。凄絶なまでに美しい彼は、私を抱くためにここにいる。
私の方の服装は指定されていた。血のように赤いドレスワンピース。オーエンがクロエに作らせたという、華やかな洋服だ。
「やっぱり、似合うよ。それ」
「ありがとうございます」
「うん。まるで人形みたい」
「おいで」と言って広げられた腕に近づく。するりと絡めとられて、気づいた時にはもう膝の上にいた。
「……綺麗ですね、オーエンは」
「おまえも綺麗だよ。明日死地に行くからかな」
「あはは」
髪を梳かれる。伸びて整えられた髪は、すっかり癖でうねってしまっていた。
「……勘違いして。僕が、寂しがってるって」
「……はい」
淡い唇が、そっと額に落とされる。
「見せてなんかやらないよ」
彼はそう言って、魔法でカーテンを閉めた。
唇が重なる。魔力増強を目的としない、まるで戯れのようなバードキス。
首筋をなぞられて、そこにも唇が熱を灯した。きゅっと吸われてついた跡は、なんの意味があるのか。
「オーエン、あの」
「ん……?」
「なんか、あの、なんですか、これ」
「いやがらせ」
耳元で密やかな声がする。
「……やっぱりエロいよ、これ」
「ベビードールですか?」
「うん」
細い指が肩紐に触れた。気づいたら、ワンピースの胸元は既に乱されていた。
「なんか、ぞくぞくする」
鎖骨を辿りながらオーエンが呟く。やだ、そんなこと言わないで。
「おまえ、いくら便利だからってこんな下着つけるの?」
「便利なので……」
「……他の男に抱かれるなよ、本当に」
背中のボタンは外されていたらしい。私の腕から器用にワンピースを抜き取って、優しくカウチに横たえる。銀色の髪が頬を擽った。
「やだな、もう……」
「辞めますか?」
「興奮する」
手を取られて口付けられる。異様な美貌だ。これからひどいことをされるのに、その仕草が酷く神聖に思えた。
とうとう服が脱がされた。
「本当にお前、元の世界に帰ってから気をつけろよ」
「はあ……」
ガーターベルトの紐に指が通され、パチンと弾かれる。あまりにも刺激が強い。年齢制限かけてほしい。
「はあ、えっろ」
左の首筋に点々とつけられた跡を見て、オーエンはご満悦だ。さぞかし綺麗に仕上がったのだろうか。
「脱がすよ」
脱がしやすさを考慮し、今回は胸元をリボンで結ぶタイプのベビードールを選んでいた。
しゅるりと絹の音が響く。谷間の辺りにキスをされるのが、酷く恥ずかしい。
ホックは数度のチャレンジで無事外された。は、と吸われた息が扇情的すぎて、私は思わず顔を隠す。
「あんまり見ないでいただけると……」
「は?嫌だけど」
「そんなファウストみたいなこと言わないで」
「おまえも他の男の名前出さないで」
「ごめんなさい」
今のは良くなかったな。とても反省。
胸を揉まれるのは実はそんなに気持ちよくない。
考えてみりゃそうだよなあ……と別のことを考えていたら、「なに余裕ぶってるの」とキスをされて現実に戻らざるを得なかった。
ではここで現実を見てみましょう。私は上半身裸で今胸を吸われています。ぶっちゃけ下の方ももうぐちゃぐちゃなので冷えて気持ち悪いです。
オーエンもいつの間にかコートと帽子と手袋をとって、たった今ジャケットも脱ぎました。あっネクタイに手かけてる……ひょわ……性的……。
「……ピン、邪魔」
乱暴にネクタイピンとカラーピンを引き抜いて放り投げる。キン、と床に落ちる音が冷たい。
「随分と余裕そうだけど、おまえ本当に処女?」
「……必死に平静保ってるんですよ。気づいてるでしょ?」
白い手をとって胸元に押しつける。感じ取ってほしいのは、この奥の熱。
「あはは、ほんとだ」
オーエンは笑って、とん、と額にキスをひとつした。「どきどきしてる」
こんな時でも彼の心音がわからないのが、何だか異様に寂しい。どう頑張ったって違う存在なのを、まだ受け入れられてないのだろうか。
「……ねえ、下、触ってもいい?」
「……どうぞ?」
何故か二人してまた笑って、彼は私の頭を撫でた。
「……は、う」
「痛い?」
「少し」
拝啓、膣へ。
もっと許容量を増やしてください。
持ち主より。
そんなことを思ってしまうほど、どうも私の中は狭いらしかった。
指一本はいけたけど、二本がなかなか辛い。出産時にはここを人間が通ると思うと目眩がした。まあ、今回のこの行為では妊娠しないのかもしれませんが。
「おまえ、もっと力抜ける?」
「努力します……」
いやマジでこれを全国数億人の男女が繰り返して人類は繋がってきたのかと思うと歴史ってすごいなってあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛痛い!!!!!!!!!
「……一応爪は切ったから、内臓が傷つくことはないと思うんだけど」
「あ、ありがとうございます……」
「おまえ、もしかしたら濡れにくいのかも」
え、わりとぐちゃぐちゃだと思ってましたが?
まだ足りない?もしかしてオーエンさん、巨根の持ち主だったりする?
指も細くてしなやかだからいけるべとか思ってたけど、やはり男性だけあって大きいし思ってたより太い。さっき手の大きさを比べてみたけど、圧倒的に私のが小さかった。私も女としてはビックハンドな方なんだけど。
「《クアーレ・モリト》」
「今のは……?」
「潤滑油足した。このままじゃおまえ、痛くて死んじゃうよ」
魔法マジ便利……。
この一年繰り返し思ってきたことを、懲りずにまた思った。ダイナミックな攻撃やケルベロスに気を取られがちだけど、オーエンは細やかな魔法操作もかなり上手いのだ。
「あとこれ、食べて」
「あ、はい」
口元に押し込まれたのはシュガーだった。なんかホッとする甘さ。
「それで少しは解れた?緊張」
「そういえば……」
魔法使いのシュガーは、作成者の意思である程度効果をコントロールできる。
これは緊張を解す効果があるのかな。そして即効性。
「……そろそろいけそう、かな」
「あ、いけます?」
「おまえ本当に落ち着いてるね」
「わ、わりとテンパってます……」
「あはは。かわいい」
「ありがとうございます……?」
「口では疑問形だけどこっちはすごい締め付けてきたよ。おまえ、ここの方がわかりやすいんだね」
トントン、と腹側の一点を押される。
「……あの、そこ」
「やだって言ってもやめないからね。ここ、もっと大きいので押してあげる」
もっと大きいのってそれ……ああダメだ、私もだいぶ浮かれてる。
「……あとオーエン、そこ、舐めるのだけはやめてください」
「どうして?今からやろうと思ったのに」
「狂いそうなので」
「あはは。絶対やる」
「ひっ」
閉じそうになった脚をぐっと抑え込まれて、その端正な顔が股ぐらに埋まった。
嗚呼目の毒。さすがにこれは淫猥すぎる。
「あんまそこ、ぐにぐにしないで……」
「ふうん。ここ気持ちいいんだ?」
「これやばいかも」とオーエンが呟く。
「ねえ、これ、唾液より効果ある」
「増強ですか?」
「うん」
目の前の光景から目を背けたくて、私は手で顔を覆う。これ本当にやばい。
「……見ててよ」
「嫌ですよ……あとあの、さっきから変なのきそうで怖いんですけど」
「へえ。それはいいことだね」
舌でぐ、と突起を押される。
「え、あっ、」
思わず目を閉じた。腰に力が入って、頭を何かが走り抜ける。
性的絶頂。保健の教科書で見たワードだ。
「はあ……」
「イった?」
「たぶん……」
ふわふわする。なんだかすごく、何かが欲しい。
「そろそろ挿れようか」
「な、なにを……」
「これ」
手が誘導されて、とん、と硬い物に当てられる。
熱いそれはどう考えたってオーエンのアレだ。男の人ってこんなになるのね。
「今から、入るの」
「そう……ですね……?」
オーエンは笑った。目元が赤い。
「痛かったら言って」
唇にキスをひとつ。
カチャカチャと響くベルトの音があまりにも艶かしい。すり、と太ももに擦り付けられた温度が高い。
「ね、挿れるよ」
「はい」
熱い。
それが第一にきた。
熱い。熱い。熱い。痛い。熱い。
「なんか、暑いですね……」
「……そう。よかった」
彼がぎゅう、と私を抱き締める。
「気づいてた?おまえ、少し震えてたの」
「えっ」
「生娘だし仕方ないね。まあもうそれも終わりだけど」
ああ、そうか。私、処女卒業したのか。
今まで意識したことの無い自分の中の欠けを感じた。ああ、こんなところに穴があったんだな。
「…………入ったよ」
「は、い」
何だか異常に満たされている。熱い。暑い。
「おまえ、本当に狭いね」
「心はわりと広いんですけどね……?」
「……おもしろいこと言うねおまえ」
奥を優しく突かれた。
「あ」
「声出していいから。動くよ」
「ひ、あ、」
高い。私、こんな声出たんだ。
トントン、と何かが突かれる。出し入れの度に太いところが掠めていく。
お戯れにぎゅっと締めてみたら、「悪い子」とおでこに唇を当てられた。「せっかく優しくしてたのに」と、掠れた声が言う。
「ちょっと激しくするよ」
「あ、はい……」
ノックの回数が増える。締めたままにしていたら、「搾り取る気?」と聞かれたので、取り敢えず頷いた。
「なら、たくさん出してあげる」
心臓が鳴った。
手をぎゅうっと握られて、「うっ……」と少し高い、それはそれは艶っぽい声がした。
腹部に広がるのは白い熱。
「あの、避妊は……」
「魔法でした」
「便利……」
するりと風が体を撫でていく。洗浄だ。
脱ぎ散らかされた服瞬きした瞬間に着せられていた。なんて便利な。
「寝てていいよ」
「寝ます……」
瞼を閉じる。オーエンが優しかったから気づかなかったけど、私今めちゃくちゃ疲れてる。
浮遊感と「好きだよ」は、月すら知らない。
受験の前よりも、コンテストの前よりも、ずっとずっとそれらは重々しい。
これを年一でやっているというのだから魔法使い達は凄い。もう何度もこなしている彼らにとっては、軽いものなのだろうか。
でも前回があまりに被害が大きかったということで、今回はみんな気を引き締めているようだ。
特に厄災と初めて戦うルチルやミチルやアーサー、「誰も死なせない」ということに重きを置くカインは凄かった。日々鍛錬をし、依頼にも積極的に参加して実戦経験を積んでいた。
懸念事項はオズ、スノウとホワイト、ヒースの厄災の傷。特にヒースは戦闘中に無意識に起こる可能性が大きい上に、敵味方見境なく攻撃してしまう。なるべくオーエンに近いところに配置したかったけど、さすがに最前線に置くわけにもいかなかった。この世はそんなに上手くいかないということだ。
オーエンは、あの日からすっかり大人しくなっている。毎日ピアノとキスをせがんではくるものの、もう首を絞めてくることはない。
どうやら、彼は毎日賢者の魔力ブーストを受けている影響で、基礎魔力が上がったらしい。
最近は調子がいいとご機嫌だし、「何があった」とその他の魔法使いは少し気にしている。
ひょっとしてこれを全員にすれば総合力が上がるんじゃ……とは思ったけど、私がオーエン以外にしたくないという理由でこっそり却下した。ダメな賢者でごめんな……。
戦いの前夜。
「明日に備えて早く寝よう」というリケの素晴らしい提案により、21時に魔法舎の灯りは消された。
私は例のピアノ部屋にいた。空に浮かぶ厄災は、今までで一番大きい。こんなに大きいと見られちゃうな。
「……素敵な夜だね、賢者様」
「オーエン」
いつも通りの格好のオーエンが微笑む。凄絶なまでに美しい彼は、私を抱くためにここにいる。
私の方の服装は指定されていた。血のように赤いドレスワンピース。オーエンがクロエに作らせたという、華やかな洋服だ。
「やっぱり、似合うよ。それ」
「ありがとうございます」
「うん。まるで人形みたい」
「おいで」と言って広げられた腕に近づく。するりと絡めとられて、気づいた時にはもう膝の上にいた。
「……綺麗ですね、オーエンは」
「おまえも綺麗だよ。明日死地に行くからかな」
「あはは」
髪を梳かれる。伸びて整えられた髪は、すっかり癖でうねってしまっていた。
「……勘違いして。僕が、寂しがってるって」
「……はい」
淡い唇が、そっと額に落とされる。
「見せてなんかやらないよ」
彼はそう言って、魔法でカーテンを閉めた。
唇が重なる。魔力増強を目的としない、まるで戯れのようなバードキス。
首筋をなぞられて、そこにも唇が熱を灯した。きゅっと吸われてついた跡は、なんの意味があるのか。
「オーエン、あの」
「ん……?」
「なんか、あの、なんですか、これ」
「いやがらせ」
耳元で密やかな声がする。
「……やっぱりエロいよ、これ」
「ベビードールですか?」
「うん」
細い指が肩紐に触れた。気づいたら、ワンピースの胸元は既に乱されていた。
「なんか、ぞくぞくする」
鎖骨を辿りながらオーエンが呟く。やだ、そんなこと言わないで。
「おまえ、いくら便利だからってこんな下着つけるの?」
「便利なので……」
「……他の男に抱かれるなよ、本当に」
背中のボタンは外されていたらしい。私の腕から器用にワンピースを抜き取って、優しくカウチに横たえる。銀色の髪が頬を擽った。
「やだな、もう……」
「辞めますか?」
「興奮する」
手を取られて口付けられる。異様な美貌だ。これからひどいことをされるのに、その仕草が酷く神聖に思えた。
とうとう服が脱がされた。
「本当にお前、元の世界に帰ってから気をつけろよ」
「はあ……」
ガーターベルトの紐に指が通され、パチンと弾かれる。あまりにも刺激が強い。年齢制限かけてほしい。
「はあ、えっろ」
左の首筋に点々とつけられた跡を見て、オーエンはご満悦だ。さぞかし綺麗に仕上がったのだろうか。
「脱がすよ」
脱がしやすさを考慮し、今回は胸元をリボンで結ぶタイプのベビードールを選んでいた。
しゅるりと絹の音が響く。谷間の辺りにキスをされるのが、酷く恥ずかしい。
ホックは数度のチャレンジで無事外された。は、と吸われた息が扇情的すぎて、私は思わず顔を隠す。
「あんまり見ないでいただけると……」
「は?嫌だけど」
「そんなファウストみたいなこと言わないで」
「おまえも他の男の名前出さないで」
「ごめんなさい」
今のは良くなかったな。とても反省。
胸を揉まれるのは実はそんなに気持ちよくない。
考えてみりゃそうだよなあ……と別のことを考えていたら、「なに余裕ぶってるの」とキスをされて現実に戻らざるを得なかった。
ではここで現実を見てみましょう。私は上半身裸で今胸を吸われています。ぶっちゃけ下の方ももうぐちゃぐちゃなので冷えて気持ち悪いです。
オーエンもいつの間にかコートと帽子と手袋をとって、たった今ジャケットも脱ぎました。あっネクタイに手かけてる……ひょわ……性的……。
「……ピン、邪魔」
乱暴にネクタイピンとカラーピンを引き抜いて放り投げる。キン、と床に落ちる音が冷たい。
「随分と余裕そうだけど、おまえ本当に処女?」
「……必死に平静保ってるんですよ。気づいてるでしょ?」
白い手をとって胸元に押しつける。感じ取ってほしいのは、この奥の熱。
「あはは、ほんとだ」
オーエンは笑って、とん、と額にキスをひとつした。「どきどきしてる」
こんな時でも彼の心音がわからないのが、何だか異様に寂しい。どう頑張ったって違う存在なのを、まだ受け入れられてないのだろうか。
「……ねえ、下、触ってもいい?」
「……どうぞ?」
何故か二人してまた笑って、彼は私の頭を撫でた。
「……は、う」
「痛い?」
「少し」
拝啓、膣へ。
もっと許容量を増やしてください。
持ち主より。
そんなことを思ってしまうほど、どうも私の中は狭いらしかった。
指一本はいけたけど、二本がなかなか辛い。出産時にはここを人間が通ると思うと目眩がした。まあ、今回のこの行為では妊娠しないのかもしれませんが。
「おまえ、もっと力抜ける?」
「努力します……」
いやマジでこれを全国数億人の男女が繰り返して人類は繋がってきたのかと思うと歴史ってすごいなってあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛痛い!!!!!!!!!
「……一応爪は切ったから、内臓が傷つくことはないと思うんだけど」
「あ、ありがとうございます……」
「おまえ、もしかしたら濡れにくいのかも」
え、わりとぐちゃぐちゃだと思ってましたが?
まだ足りない?もしかしてオーエンさん、巨根の持ち主だったりする?
指も細くてしなやかだからいけるべとか思ってたけど、やはり男性だけあって大きいし思ってたより太い。さっき手の大きさを比べてみたけど、圧倒的に私のが小さかった。私も女としてはビックハンドな方なんだけど。
「《クアーレ・モリト》」
「今のは……?」
「潤滑油足した。このままじゃおまえ、痛くて死んじゃうよ」
魔法マジ便利……。
この一年繰り返し思ってきたことを、懲りずにまた思った。ダイナミックな攻撃やケルベロスに気を取られがちだけど、オーエンは細やかな魔法操作もかなり上手いのだ。
「あとこれ、食べて」
「あ、はい」
口元に押し込まれたのはシュガーだった。なんかホッとする甘さ。
「それで少しは解れた?緊張」
「そういえば……」
魔法使いのシュガーは、作成者の意思である程度効果をコントロールできる。
これは緊張を解す効果があるのかな。そして即効性。
「……そろそろいけそう、かな」
「あ、いけます?」
「おまえ本当に落ち着いてるね」
「わ、わりとテンパってます……」
「あはは。かわいい」
「ありがとうございます……?」
「口では疑問形だけどこっちはすごい締め付けてきたよ。おまえ、ここの方がわかりやすいんだね」
トントン、と腹側の一点を押される。
「……あの、そこ」
「やだって言ってもやめないからね。ここ、もっと大きいので押してあげる」
もっと大きいのってそれ……ああダメだ、私もだいぶ浮かれてる。
「……あとオーエン、そこ、舐めるのだけはやめてください」
「どうして?今からやろうと思ったのに」
「狂いそうなので」
「あはは。絶対やる」
「ひっ」
閉じそうになった脚をぐっと抑え込まれて、その端正な顔が股ぐらに埋まった。
嗚呼目の毒。さすがにこれは淫猥すぎる。
「あんまそこ、ぐにぐにしないで……」
「ふうん。ここ気持ちいいんだ?」
「これやばいかも」とオーエンが呟く。
「ねえ、これ、唾液より効果ある」
「増強ですか?」
「うん」
目の前の光景から目を背けたくて、私は手で顔を覆う。これ本当にやばい。
「……見ててよ」
「嫌ですよ……あとあの、さっきから変なのきそうで怖いんですけど」
「へえ。それはいいことだね」
舌でぐ、と突起を押される。
「え、あっ、」
思わず目を閉じた。腰に力が入って、頭を何かが走り抜ける。
性的絶頂。保健の教科書で見たワードだ。
「はあ……」
「イった?」
「たぶん……」
ふわふわする。なんだかすごく、何かが欲しい。
「そろそろ挿れようか」
「な、なにを……」
「これ」
手が誘導されて、とん、と硬い物に当てられる。
熱いそれはどう考えたってオーエンのアレだ。男の人ってこんなになるのね。
「今から、入るの」
「そう……ですね……?」
オーエンは笑った。目元が赤い。
「痛かったら言って」
唇にキスをひとつ。
カチャカチャと響くベルトの音があまりにも艶かしい。すり、と太ももに擦り付けられた温度が高い。
「ね、挿れるよ」
「はい」
熱い。
それが第一にきた。
熱い。熱い。熱い。痛い。熱い。
「なんか、暑いですね……」
「……そう。よかった」
彼がぎゅう、と私を抱き締める。
「気づいてた?おまえ、少し震えてたの」
「えっ」
「生娘だし仕方ないね。まあもうそれも終わりだけど」
ああ、そうか。私、処女卒業したのか。
今まで意識したことの無い自分の中の欠けを感じた。ああ、こんなところに穴があったんだな。
「…………入ったよ」
「は、い」
何だか異常に満たされている。熱い。暑い。
「おまえ、本当に狭いね」
「心はわりと広いんですけどね……?」
「……おもしろいこと言うねおまえ」
奥を優しく突かれた。
「あ」
「声出していいから。動くよ」
「ひ、あ、」
高い。私、こんな声出たんだ。
トントン、と何かが突かれる。出し入れの度に太いところが掠めていく。
お戯れにぎゅっと締めてみたら、「悪い子」とおでこに唇を当てられた。「せっかく優しくしてたのに」と、掠れた声が言う。
「ちょっと激しくするよ」
「あ、はい……」
ノックの回数が増える。締めたままにしていたら、「搾り取る気?」と聞かれたので、取り敢えず頷いた。
「なら、たくさん出してあげる」
心臓が鳴った。
手をぎゅうっと握られて、「うっ……」と少し高い、それはそれは艶っぽい声がした。
腹部に広がるのは白い熱。
「あの、避妊は……」
「魔法でした」
「便利……」
するりと風が体を撫でていく。洗浄だ。
脱ぎ散らかされた服瞬きした瞬間に着せられていた。なんて便利な。
「寝てていいよ」
「寝ます……」
瞼を閉じる。オーエンが優しかったから気づかなかったけど、私今めちゃくちゃ疲れてる。
浮遊感と「好きだよ」は、月すら知らない。