第一部
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「体力テスト〜!!!!!」
爽やかな小春日和の今日。
魔法舎では体力テストが行われようとしていた。
発起人はもちろん私。賢者の魔法使いは戦闘職、つまり体が資本。みんなの魔法無しでの純粋な身体能力を把握し、今後の任務に活かすというのが目的だ。
目の前には体操座りをした魔法使いがきちんと二十一人揃っている。服装は練習着よりも更にラフで、動きやすいものにしてもらった。
「魔法は使えるんですか」
「使えません」
「アルシムしていいですか」
「ダメです」
「ケルベロスは」
「使用禁止です」
案の定北の国の魔法使いは文句を言ったけど、「体力自信ないんですか?」と煽ったら無事全員参加してくれた。
スコアが伸びそうなのは元軍人のレノックスと元騎士団長のカインだろうか。逆にリケやファウストなんかは少し辛いかもしれない。
「多分厄災の討伐より楽ですから皆さん安心して取り組んでくださいねー記録用紙配りまーす」
1.握力
一発目は比較的身体に対する負担が少ない握力だ。左右二回ずつ、いい結果の方を記録する。
「やっぱり元々戦闘職の人達は凄いな」
レノックスは90、カインは85。二人ともリンゴは潰せるらしい。逆に低いのはリケの35。まあ彼はまだ成長期だし、これから伸びるだろう。
健闘したのはシノの56だ。さすが鎌を振り回し、魔獣退治を得意とするだけある。
スノウ、ホワイトはやはり小柄なせいか低めの数値となっていた。
その他の人達は平均値周辺で固まっている。北勢は煽り煽られながらまあまあの結果を叩き出していた。
まだまだみんな元気だ。
2.上体起こし
上体起こし、すなわち腹筋。これもやはり元戦闘職勢が輝いた。
「ファウスト、生きてますか?」
「生きて……る……」
「リケは大丈夫ですか?」
「はい……なんとか……」
前者は16、後者は11。やっぱり引きこもりを自称してる人にこれはキツいよなあと私は思う。リケはまだまだこれからなので頑張ってほしい。
健闘したのはルチル、アーサー、ミスラ、ブラッドリー、ネロ、シノだった。それぞれ30、29、31、30、28、30。
ここで少しぐったりしている人が出てきた。
3.長座体前屈
柔軟性を競う長座体前屈。使う道具はヒースが作ってくれた。
ここでもやはり元戦闘職は輝き、それぞれ68、67という好記録を出した。
ここはアーサー、リケ、オーエン、ヒース、シャイロック、ラスティカ、ルチル、ミチルが素晴らしい粘りを見せている。特にオーエンは何故かめちゃくちゃ伸びて68。どうした。
3.反復横跳び
これが一番よく分からないけど、この世界の学校のテスト項目にもあるので採用した。
そして何故か大いに盛り上がった。男の子はこういうのが好きなのだろうか。
元戦闘職組が強いのはもう恒例。ここはブラッドリー、シノ、ネロ、ムルがいい結果を出していた。
特にシノはこういうものが得意なようで、なんと70という記録を叩き出している。ドヤ顔がすごい。ヒースもこれには驚いたようだ。
ここら辺になってくるともうファウストやフィガロはぐったりしている。生きて。
4.立ち幅跳び
やっぱり男の子はこういうものが好きらしい。
何故か煽り合いが起きていた。
ここではアーサー、オーエン、ブラッドリー、シノ、ムル、ミチルが好記録を出している。ミチルは過去最高記録だったようだ。
これは尻もちを着いてしまって記録が伸びない人も多く、何度も「もう一回」「まだいける」と粘ろうとしていた。ごめんよ、これ二回だけなんだ。
5.20mシャトルラン
これをやってもらいたくて体力テストをしているところすらあった。我が国の伝統行事、全学生のトラウマである。
使う音源は、事前に私がピアノで弾いて収録した。立ち会ったオーエンは「なんか嫌な気持ちになる」などと言っていたので、この音楽はおそらく何かある。私も弾きながら「おえ」と思った。
どうもこの項目だけはこの世界の学校にないらしく、これだけ平均データがない。つまり、魔法舎が初である。
「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」
「無理無理無理無理無理無理無理無理無理」
「こんなのでへばるんですか?」
「黙れカス」
「もうやだ」
「つらい」
庭に響くのは新鮮な悲鳴。辛かろう辛かろう。
「賢者様の学校はこれを毎年?」
「はい」
「そんな……」
73でリタイアしたルチルは口を手で抑え、煽り合いの末に56でゲームオーバーになったオーエンは私を睨み、165という超記録を打ち立てたカインは「これいいな!毎年やろう!」とにこにこしている。なお全員地に伏している。
「もう二度とやりたくない」
「トラウマ」
「いじめ」
「というか賢者ピアノ弾けたんじゃな」
「次はもっと安らぐ曲をお願いします」
「ちなみに賢者様は何回だったんですか?」
「18回です」
「しょぼいですね」
「お黙りなさい」
こうして、第一回魔法舎体力テストは終了した。
ルチルとアーサーに協力して集めてもらったデータを参照し、10代、20代男性の平均以下だった人達には体力育成プランを練るという。
爽やかな小春日和の今日。
魔法舎では体力テストが行われようとしていた。
発起人はもちろん私。賢者の魔法使いは戦闘職、つまり体が資本。みんなの魔法無しでの純粋な身体能力を把握し、今後の任務に活かすというのが目的だ。
目の前には体操座りをした魔法使いがきちんと二十一人揃っている。服装は練習着よりも更にラフで、動きやすいものにしてもらった。
「魔法は使えるんですか」
「使えません」
「アルシムしていいですか」
「ダメです」
「ケルベロスは」
「使用禁止です」
案の定北の国の魔法使いは文句を言ったけど、「体力自信ないんですか?」と煽ったら無事全員参加してくれた。
スコアが伸びそうなのは元軍人のレノックスと元騎士団長のカインだろうか。逆にリケやファウストなんかは少し辛いかもしれない。
「多分厄災の討伐より楽ですから皆さん安心して取り組んでくださいねー記録用紙配りまーす」
1.握力
一発目は比較的身体に対する負担が少ない握力だ。左右二回ずつ、いい結果の方を記録する。
「やっぱり元々戦闘職の人達は凄いな」
レノックスは90、カインは85。二人ともリンゴは潰せるらしい。逆に低いのはリケの35。まあ彼はまだ成長期だし、これから伸びるだろう。
健闘したのはシノの56だ。さすが鎌を振り回し、魔獣退治を得意とするだけある。
スノウ、ホワイトはやはり小柄なせいか低めの数値となっていた。
その他の人達は平均値周辺で固まっている。北勢は煽り煽られながらまあまあの結果を叩き出していた。
まだまだみんな元気だ。
2.上体起こし
上体起こし、すなわち腹筋。これもやはり元戦闘職勢が輝いた。
「ファウスト、生きてますか?」
「生きて……る……」
「リケは大丈夫ですか?」
「はい……なんとか……」
前者は16、後者は11。やっぱり引きこもりを自称してる人にこれはキツいよなあと私は思う。リケはまだまだこれからなので頑張ってほしい。
健闘したのはルチル、アーサー、ミスラ、ブラッドリー、ネロ、シノだった。それぞれ30、29、31、30、28、30。
ここで少しぐったりしている人が出てきた。
3.長座体前屈
柔軟性を競う長座体前屈。使う道具はヒースが作ってくれた。
ここでもやはり元戦闘職は輝き、それぞれ68、67という好記録を出した。
ここはアーサー、リケ、オーエン、ヒース、シャイロック、ラスティカ、ルチル、ミチルが素晴らしい粘りを見せている。特にオーエンは何故かめちゃくちゃ伸びて68。どうした。
3.反復横跳び
これが一番よく分からないけど、この世界の学校のテスト項目にもあるので採用した。
そして何故か大いに盛り上がった。男の子はこういうのが好きなのだろうか。
元戦闘職組が強いのはもう恒例。ここはブラッドリー、シノ、ネロ、ムルがいい結果を出していた。
特にシノはこういうものが得意なようで、なんと70という記録を叩き出している。ドヤ顔がすごい。ヒースもこれには驚いたようだ。
ここら辺になってくるともうファウストやフィガロはぐったりしている。生きて。
4.立ち幅跳び
やっぱり男の子はこういうものが好きらしい。
何故か煽り合いが起きていた。
ここではアーサー、オーエン、ブラッドリー、シノ、ムル、ミチルが好記録を出している。ミチルは過去最高記録だったようだ。
これは尻もちを着いてしまって記録が伸びない人も多く、何度も「もう一回」「まだいける」と粘ろうとしていた。ごめんよ、これ二回だけなんだ。
5.20mシャトルラン
これをやってもらいたくて体力テストをしているところすらあった。我が国の伝統行事、全学生のトラウマである。
使う音源は、事前に私がピアノで弾いて収録した。立ち会ったオーエンは「なんか嫌な気持ちになる」などと言っていたので、この音楽はおそらく何かある。私も弾きながら「おえ」と思った。
どうもこの項目だけはこの世界の学校にないらしく、これだけ平均データがない。つまり、魔法舎が初である。
「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」
「無理無理無理無理無理無理無理無理無理」
「こんなのでへばるんですか?」
「黙れカス」
「もうやだ」
「つらい」
庭に響くのは新鮮な悲鳴。辛かろう辛かろう。
「賢者様の学校はこれを毎年?」
「はい」
「そんな……」
73でリタイアしたルチルは口を手で抑え、煽り合いの末に56でゲームオーバーになったオーエンは私を睨み、165という超記録を打ち立てたカインは「これいいな!毎年やろう!」とにこにこしている。なお全員地に伏している。
「もう二度とやりたくない」
「トラウマ」
「いじめ」
「というか賢者ピアノ弾けたんじゃな」
「次はもっと安らぐ曲をお願いします」
「ちなみに賢者様は何回だったんですか?」
「18回です」
「しょぼいですね」
「お黙りなさい」
こうして、第一回魔法舎体力テストは終了した。
ルチルとアーサーに協力して集めてもらったデータを参照し、10代、20代男性の平均以下だった人達には体力育成プランを練るという。