短編
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最近体の調子がおかしい。
体調不良かと言われたらそうではない。
むしろ逆ですこぶる元気なのだ。
ただ、これは元気というより…
「腹…減ったな……」
俺の独り言に反応した皇が採集の手を止め、顔をこちらに向けた
「そう?ならちょっと早いけどお昼にしよっか」
そういって皇は重たい腰をあげ両手を伸ばしグッと大きくけ伸びた。
「長時間しゃがんでると腰に響くねぇ〜」
と言いながら上半身を右に左に回し、体のストレッチを始める
「ふっ…なんだそれ、そんな歳じゃないだろ」
俺の言葉にへらっと笑う皇の顔をみると、大きく伸ばした自分の体からグゥとお腹の音が鳴り空腹感が増した。
「日向くんのお腹はせっかちだなぁ」
あははと楽しそうに笑う皇を見て
なんとなく決まりが悪い気持ちになり、手触りの荒い言葉が出る
「うるさいな…先行ってるぞ」
「え!ちょ、ちょっと待ってよぉ」
少し早足で歩く俺に追いつくように、パタパタと駆け足で着いてきた。
その姿が何故か愛おしく思い、むず痒い気持ちにもなったのだった。
===============
「日向くんは何食べるの?」
ダイナーに入り席についてメニューを見回した後、皇が俺に問いかける
「俺はこのステーキセットかな」
メニューの、1番大きくオススメと書いてある写真に指を指す。
「私はステーキかオムライスで悩んでたの。日向くんがそっち頼むならさ、1口交換して貰ってもいい?」
いいぞと頷くとやったぁと目尻を窄めて子供のように喜ぶ
カウンターでステーキセットとオムライスを頼み、氷水の入ったコップを持って席に着き料理が来るのを待つ。
「日向くんさ、最近沢山食べるよね〜育ち盛り?」
意外にも俺が最近感じていた小さな違和感を皇に言われて驚きを隠せない。
「そうなんだよ。特に最近異常なくらい腹減っててさ。何でだろうな」
とりわけ皇と居る時が腹減るような気がするなと思いながらコップに入った氷水を飲む
「まあ食欲があるのはいい事だからね〜!あ、知ってた?恋すると食欲増す人もいるらしいよ〜!もしかして気になる人出来たとか?」
ケタケタ笑いながら俺をからかう姿を見て何かが腑に落ちたような感じがした。
「気になる人…」
俺は眉間に皺を寄せながら思わず独り言のように呟いた。
「え?!ホントにいるの?!誰!誰!?」
その独り言を逃さんと言わんばかりに体を前に出し目を輝かせながら俺の方を見る。
「気になる…というか、コイツと居ると腹減るなってやつはいる」
「なにそれ…その人のこと食料だとでも思ってるだけじゃない……?」
なーんだとでも言い出しそうな顔で皇は元の位置に座り直した。
先程より興味の無くなったような声色で俺に尋ねる。
「で、誰の事なの?七海ちゃん?」
「何でそこで七海が出るんだよ。皇、お前といると腹減るんだよ。採集サボって俺が多めに動いてるとかじゃないだろうな」
手持ち無沙汰から、カランと氷水の入ったコップを回し皇の方を見た。
───そこには目をおおきく開き耳の辺りまで真っ赤になりながら口を鯉のようにパクパクさせた皇の姿があった
「あ……」
冗談話になると思って伝えたが、話の流れ的に俺が皇の事好きだという告白をしたも同然というのに気が付いたのだ。
「いや!ちが……くないけど!!…………今の無し」
釣られてなのか、それとも自分の言った言葉で恥ずかしくなったのか、頬に熱が溜まる感じがし思わず目を逸らし手の甲で口元を隠してしまった。
「…………」
「………………」
少しの沈黙が続いた後、皇が口を開いた。
「私は…日向くんと居ると…ご飯……喉、通らなくなるよ……」
顔を真っ赤にし言葉尻が小さくなっていく皇をみて思わず笑いが溢れてしまう。
「ふふっ……あははは!」
「なんでそこで笑うのよ!」
顔を真っ赤にしながらムッとした表情でこちらを見つめる
「いや、あまりにも真っ赤だからわかりやすいなって…── 皇が食べれない分、俺が貰ってもいいか?今だけじゃなくもその先も。」
俺自身でも今度は分かりにくい告白をしてしまったなと思いながら皇の方に目線を落とすと
顔だけでなく首まで真っ赤になった皇が俯きながら小さく頷く。
ああ。コイツを好きになればなるほど、可愛いと思うほど、この空腹感は増していくんだろう。
このソワソワ感は空腹からなのか、手をパタパタ扇ぎ顔の熱を覚ましてる皇に早く触れたいという思いからなのか。
俺はどちらの思いも持ったまま、ただただ楽しみに時間が過ぎるのを待つだけなのだった。
体調不良かと言われたらそうではない。
むしろ逆ですこぶる元気なのだ。
ただ、これは元気というより…
「腹…減ったな……」
俺の独り言に反応した皇が採集の手を止め、顔をこちらに向けた
「そう?ならちょっと早いけどお昼にしよっか」
そういって皇は重たい腰をあげ両手を伸ばしグッと大きくけ伸びた。
「長時間しゃがんでると腰に響くねぇ〜」
と言いながら上半身を右に左に回し、体のストレッチを始める
「ふっ…なんだそれ、そんな歳じゃないだろ」
俺の言葉にへらっと笑う皇の顔をみると、大きく伸ばした自分の体からグゥとお腹の音が鳴り空腹感が増した。
「日向くんのお腹はせっかちだなぁ」
あははと楽しそうに笑う皇を見て
なんとなく決まりが悪い気持ちになり、手触りの荒い言葉が出る
「うるさいな…先行ってるぞ」
「え!ちょ、ちょっと待ってよぉ」
少し早足で歩く俺に追いつくように、パタパタと駆け足で着いてきた。
その姿が何故か愛おしく思い、むず痒い気持ちにもなったのだった。
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「日向くんは何食べるの?」
ダイナーに入り席についてメニューを見回した後、皇が俺に問いかける
「俺はこのステーキセットかな」
メニューの、1番大きくオススメと書いてある写真に指を指す。
「私はステーキかオムライスで悩んでたの。日向くんがそっち頼むならさ、1口交換して貰ってもいい?」
いいぞと頷くとやったぁと目尻を窄めて子供のように喜ぶ
カウンターでステーキセットとオムライスを頼み、氷水の入ったコップを持って席に着き料理が来るのを待つ。
「日向くんさ、最近沢山食べるよね〜育ち盛り?」
意外にも俺が最近感じていた小さな違和感を皇に言われて驚きを隠せない。
「そうなんだよ。特に最近異常なくらい腹減っててさ。何でだろうな」
とりわけ皇と居る時が腹減るような気がするなと思いながらコップに入った氷水を飲む
「まあ食欲があるのはいい事だからね〜!あ、知ってた?恋すると食欲増す人もいるらしいよ〜!もしかして気になる人出来たとか?」
ケタケタ笑いながら俺をからかう姿を見て何かが腑に落ちたような感じがした。
「気になる人…」
俺は眉間に皺を寄せながら思わず独り言のように呟いた。
「え?!ホントにいるの?!誰!誰!?」
その独り言を逃さんと言わんばかりに体を前に出し目を輝かせながら俺の方を見る。
「気になる…というか、コイツと居ると腹減るなってやつはいる」
「なにそれ…その人のこと食料だとでも思ってるだけじゃない……?」
なーんだとでも言い出しそうな顔で皇は元の位置に座り直した。
先程より興味の無くなったような声色で俺に尋ねる。
「で、誰の事なの?七海ちゃん?」
「何でそこで七海が出るんだよ。皇、お前といると腹減るんだよ。採集サボって俺が多めに動いてるとかじゃないだろうな」
手持ち無沙汰から、カランと氷水の入ったコップを回し皇の方を見た。
───そこには目をおおきく開き耳の辺りまで真っ赤になりながら口を鯉のようにパクパクさせた皇の姿があった
「あ……」
冗談話になると思って伝えたが、話の流れ的に俺が皇の事好きだという告白をしたも同然というのに気が付いたのだ。
「いや!ちが……くないけど!!…………今の無し」
釣られてなのか、それとも自分の言った言葉で恥ずかしくなったのか、頬に熱が溜まる感じがし思わず目を逸らし手の甲で口元を隠してしまった。
「…………」
「………………」
少しの沈黙が続いた後、皇が口を開いた。
「私は…日向くんと居ると…ご飯……喉、通らなくなるよ……」
顔を真っ赤にし言葉尻が小さくなっていく皇をみて思わず笑いが溢れてしまう。
「ふふっ……あははは!」
「なんでそこで笑うのよ!」
顔を真っ赤にしながらムッとした表情でこちらを見つめる
「いや、あまりにも真っ赤だからわかりやすいなって…── 皇が食べれない分、俺が貰ってもいいか?今だけじゃなくもその先も。」
俺自身でも今度は分かりにくい告白をしてしまったなと思いながら皇の方に目線を落とすと
顔だけでなく首まで真っ赤になった皇が俯きながら小さく頷く。
ああ。コイツを好きになればなるほど、可愛いと思うほど、この空腹感は増していくんだろう。
このソワソワ感は空腹からなのか、手をパタパタ扇ぎ顔の熱を覚ましてる皇に早く触れたいという思いからなのか。
俺はどちらの思いも持ったまま、ただただ楽しみに時間が過ぎるのを待つだけなのだった。
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