5章 公園のポンとラン

あつし「お姉さん、これでいい?」

かるた「なんやゼリーやカ◯リーメイトばっかやんけ!」

あつし「でも少量で栄養取れるよ?」

かるた「そういう話じゃあらへん!食事ってのは作業やなくて楽しむもんや!」

あつし「なんだコイツ(わかったよお姉さん!)」

かるた「あの……心の声と逆なんやけど。……そういや、最近みちる君を見かけへんな。何かあったん?」

けん「かるたお姉さんがボロクソに言ったから凹んだんじゃないすか?」

かるた「え嘘やん。ウチのせい?」

あつし「とはいえ心配だよな。様子を見に行こうかな。」

みちる「みんな!」

けん「あ、みちる。」

みちる「けん君、ゴメン!ポンとランの飼い主のこと、ずっと放置してて……。でも僕、覚悟を決めたよ。父さんを説得させてみる。」

けん「……ああ。でも、もし説得できなかったら前言ってた人に飼ってもらうぞ。そろそろ待ってもらうの限界だし。」

みちる「もちろん!」

かるた「なんやみちる君、しばらく見ないうちにええ目をするようになったやん。……お守りあげたるわ。」 

かるたお姉さんはポータルからぬいぐるみを取り出した。
このぬいぐるみは……

あつし「げえ!?かるたお姉さんのぬいぐるみ!?」

けん「キツ……」

かるた「しばくぞガキンチョども!……これ見てウチのことを思い出しぃ。そしてウチみたいにガツンと言ったれや!」

みちる「お、お姉さん……ありがとう……ハハ。」

けん「みちるの愛想笑いなんて初めて見たぞ……まあ、そりゃそうか。」

みちる「じゃあね、みんな!また後で!」

けん「頑張れよ、みちる!」

あつし「もし飼えたら、お前ん家にずっと居座って可愛がってやる!」

かるた「言ったれ言ったれ!……あのぬいぐるみな、前に勢いでアイドルやった時に余ったグッズやねん。スカウトの口車に乗るんやなかったわ。」

あつし「(そんなこと聞いてどうしろと……)」

けん「(呪いのぬいぐるみじゃん。)」



みちる家 書斎

みちる「父さん!!」

みちる父「みちる。どうしたんだそんな大きな声を出して。」

みちる「僕、犬と猫……いや、ポンとランを飼いたい!」

みちる父「……前にも言っただろう。まだお前には早いと。」

みちる「いいや、僕は飼える!責任を持って飼うよ。」

みちる父「今はそう思うだろうが、あとで飽きて放置するに決まってる。」

みちる「今までの僕じゃないよ。先を見据えることにしたんだ。」

みちる父「ほう?先を見据える、とは?」

みちる「……。」

僕はリュックからノートパソコンを取り出した。

みちる父「え?みちる?」

僕は黙々と書斎のプロジェクターとパソコンをつなげる。

みちる父「みちる……聞いてるのか、みちる?怖いんだけど!なんで黙々と準備してるの!?みちる!?」

プロジェクターを起動して、画面を映し出す。

みちる「えー、こちらのパワーポ◯ントをご覧ください。」

みちる父「みちる?」

みちる「まず、僕がポンとランを飼いたい理由について、3点に分けて説明します。」

みちる父「なんか変なアニメーション使ってるし、文字も虹色なんだけど、目が痛いよみちる。」

みちる「まずポンとランは……(よし、上手くいっているぞ。ありがとう、リディキュールお兄さん!)」


みちる「以上、ポンとランを飼いたい理由でした。ご清聴いただきありがとうございました。」

みちる父「すごいけど……いろいろ残念だぞみちる!」

みちる「父さん、これでわかった?僕は本気なんだよ。それに……」

みちる父「……それに、なんだ?」

かるた(回想)「……なんや、他人頼みやん。自分の都合で公園で飼いたい言うとんのに。」

違う。

リディキュール(回想)「素晴らしいです、みちる君。応援していますよ。」
けん(回想)「頑張れよ、みちる!」

あつし(回想)「もし飼えたら、お前ん家にずっと居座って可愛がってやる!」

応援してくれる人達がいる。

みちる「……。」

みちる父「どうした?」

かるた(回想)「……これ見てウチのことを思い出しぃ。そしてウチみたいにガツンと言ったれや!」

ポケットのかるたお姉さんのぬいぐるみを強く握る。
ガツンと……言ってやれ!

みちる「これはもう僕だけの都合じゃない!みんなから後押しされて、期待されているんだ!僕は父さんも母さんも、ポンとランも、みんなを裏切らない!父さん、見ててよ!まだ早いって言ったこと、後悔させてやる!」

みちる父「……ふっ。わかったよ、みちる。飼うことを認めるよ。……いつの間にかこんなに成長していたなんてな。」

みちる「……ホント!?やったぁ!!!」

みちる父「ただし、世話をサボったら承知しないぞ。」

みちる「もちろん!あったりまえじゃん!」

みちる母「……ぐす。あの子がここまで情熱を注ぐなんて……。」

みちる「僕できた!ガツンと言えたよ!かるたお姉さん!」

みちる父「ん?かるたお姉さんって誰だ?」

みちる「あ……えーと、公園に住み着いてるお姉さん?なんとなくほっとけなくてご飯をあげたりお金を貸したりしてる。」

みちる父「えぇ?(ドン引き)……みちる、話がある。」

みちる「あぅぅ……」



みちる「ってコトで怒られちゃったよ〜!」

かるた「酷いなぁ、ヒトのことをなんだと思っとるんや。」

けん「(そりゃそうなるだろ。)」

あつし「(ていうか何で俺らがお姉さんの世話してるんだ?)」

かるた「でも……エエやん!やったな少年!最高やで!」

かるたお姉さんが手を上げる。

みちる「?」

かるた「ハイタッチや!」

みちる「……ああ!」

パンッ!!

かるた「やったなみちる君!!」
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