4章 公園の怪しいお兄さん
みちる「……。」
最近はかるたお姉さんに会ってない。
説教されたくないというか……なんとなくポンとランのことを指摘されるのが嫌で避けてる。
杜山公園を通らないでわざわざ遠回りして帰ってる。
ポンとランのお世話はけん君とあつし君に任せているとはいえ、ちょっと心配だ。
とはいえ……遠回りして帰ることにも楽しさを見出だせている。
見知った町の、見知らぬ道を通ってる!
新しい発見があって意外と面白い。
みちる「ん……?」
"杜山第2公園"
みちる「……こんなとこにも公園があったんだ。」
なんとなく公園の中を通ってみる。
みちる「……はは。こんなちっちゃい公園で遊ぶやつとかいるのかな。」
案の定、公園はガラガラだ。
放課後だっていうのに。
しかし1人だけ、ベンチに座っている大人がいた。
白髪で高身長、遠目で見ても整った顔立ちをしている男の人だった。
服装も整っている、シワ一つないカジュアル寄りのスーツだ。
みちる「……外国人かな。」
???「……?どうされましたか。私に何か?」
みちる「あっ、すみません。ちょっと……外国の方がいるのが珍しくって……あ!すみません、失礼でしたかね?」
???「……。いえ、大丈夫です。むしろ、心地良いですよ。最近の子は成熟していますね、貴方の歳でここまで丁寧な物言いができる方は珍しいです。」
みちる「えっ……ありがとうございます。父が礼儀に厳しくて……」
???「……なるほど。ああ、申し遅れました。私はリディキュール·チェルカトーレと申します。」
みちる「あっと……高岡みちるです。」
リディキュール「勘違いかもしれませんが、なんだか元気がないように見えます。何か体調でも悪いのですか?」
みちる「……。(このお兄さん、優しい目をしてる……)」
リディキュール「……余計なお世話でしたね。すみません。お気になさらないでくだ……」
みちる「いえ、大丈夫です!……んーと、その。」
リディキュール「よろしければ、お話を伺いますよ。初対面の人に話すのは億劫かもしれませんが……」
みちる「……実はですね。」
ポンとランのこと、かるたお姉さんのこと、父さんと母さんのこと、けん君とあつし君に押し付けて悪いと思っていること。
全部話した。
なんだかこのお兄さんには、安心感がある。
リディキュール「……。」
お兄さんは静かに聞いていた。
リディキュール「おおよその状況は理解できました。……その上で提案なのですが。私と遊びませんか?」
みちる「へ?」
リディキュール「少し待っていただいたらバドミントンのラケットとシャトルを用意できます。バドミントンでよろしいでしょうか?というか私、バドミントンしたいです。バドミントンバドミントンバドミントン。」
みちる「(うわ、このお兄さんも変な人だ!!)」
リディキュール「ははは、怪しい人を見る目ですね。冗談ですよ、バドミントンにそこまで思い入れはありません。要するに身体を動かしませんか、という提案です。」
みちる「まぁ……いいですけど。」
―しばらくして。
パシュッ!
リディキュール「中々やりますね。」
みちる「お兄さんこそ!」
パシィ!
リディキュール「スッキリしませんか?頭より身体を動かすのは!」
パン!
みちる「……たしかに!」
カツッ
リディキュール「おっと!」
みちる「隙あり!」
パシュゥ!!!
リディキュール「あー……負けてしまいましたね。」
みちる「お兄さん、もう一回しませんか?」
リディキュール「勿論です。……ふふ、良い顔をするようになりましたね。」
みちる「あ……」
自然と口角が上がっていた。
悩んでたことなんて吹き飛んで。
リディキュール「人の気持ちとは流動的なものです。それを無理やり一方向に向けようとすると、いつか無理が来てしまいます。たまには……気分転換をしないと。」
みちる「お兄さん……明日もまたここにいますか?僕、門限があるからあと一回くらいしかできないと思うけど、明日またお兄さんと遊びたいです。」
リディキュール「ええ。いますよ。」
みちる「やった!」
4日後
みちる「お兄さん!こんにちは!」
リディキュール「こんにちは、みちる君。」
みちる「お兄さん、今日は何で遊ぶって……これ……」
リディキュールお兄さんの横には山積みにされたボードゲームが。
加減を知らないのかな?
この人、やっぱ変だな。
リディキュール「どれで遊びます?大体のものをそろえてありますよ。」
みちる「じゃあ、チェスやろうよ。」
リディキュール「チェスですか?いいでしょう、負かして差し上げますよ。」
リディキュール「それで……お父さんやお母さん、公園のお姉さんに話すことはできましたか?」
みちる「いや……まだ。今はお兄さんと遊んでいたい。」
リディキュール「……私は明日にはこの街をでますよ。」
みちる「えっ!?なんで?」
リディキュール「仕事です。……何もかもいつかは終わりが来るものです。でしたら、言えなくなって終わるよりも、一度感情や考えをぶつけてから終わるほうが悔いが残りませんよ。」
みちる「……。」
リディキュール「チェックメイトです。」
みちる「あ、えっいつの間に!?」
リディキュール「先のことを考えるんですよ。何手も先のことをね。」
みちる「先のこと……そっか。僕、覚悟を決めたよ。父さんと話す。ほんとはまだ怖いし話したくなんかないけど……。」
かるた(回想)「……なんや、他人頼みやん。自分の都合で公園で飼いたい言うとんのに。」
みちる「僕の都合で始めた話だ。なら僕が終わらせないと。」
リディキュール「素晴らしいです、みちる君。応援していますよ。」
みちる「それはそうとして、もう1戦しよ!負けたままじゃ終われない!」
リディキュール「ふふ……望むところです。」
最近はかるたお姉さんに会ってない。
説教されたくないというか……なんとなくポンとランのことを指摘されるのが嫌で避けてる。
杜山公園を通らないでわざわざ遠回りして帰ってる。
ポンとランのお世話はけん君とあつし君に任せているとはいえ、ちょっと心配だ。
とはいえ……遠回りして帰ることにも楽しさを見出だせている。
見知った町の、見知らぬ道を通ってる!
新しい発見があって意外と面白い。
みちる「ん……?」
"杜山第2公園"
みちる「……こんなとこにも公園があったんだ。」
なんとなく公園の中を通ってみる。
みちる「……はは。こんなちっちゃい公園で遊ぶやつとかいるのかな。」
案の定、公園はガラガラだ。
放課後だっていうのに。
しかし1人だけ、ベンチに座っている大人がいた。
白髪で高身長、遠目で見ても整った顔立ちをしている男の人だった。
服装も整っている、シワ一つないカジュアル寄りのスーツだ。
みちる「……外国人かな。」
???「……?どうされましたか。私に何か?」
みちる「あっ、すみません。ちょっと……外国の方がいるのが珍しくって……あ!すみません、失礼でしたかね?」
???「……。いえ、大丈夫です。むしろ、心地良いですよ。最近の子は成熟していますね、貴方の歳でここまで丁寧な物言いができる方は珍しいです。」
みちる「えっ……ありがとうございます。父が礼儀に厳しくて……」
???「……なるほど。ああ、申し遅れました。私はリディキュール·チェルカトーレと申します。」
みちる「あっと……高岡みちるです。」
リディキュール「勘違いかもしれませんが、なんだか元気がないように見えます。何か体調でも悪いのですか?」
みちる「……。(このお兄さん、優しい目をしてる……)」
リディキュール「……余計なお世話でしたね。すみません。お気になさらないでくだ……」
みちる「いえ、大丈夫です!……んーと、その。」
リディキュール「よろしければ、お話を伺いますよ。初対面の人に話すのは億劫かもしれませんが……」
みちる「……実はですね。」
ポンとランのこと、かるたお姉さんのこと、父さんと母さんのこと、けん君とあつし君に押し付けて悪いと思っていること。
全部話した。
なんだかこのお兄さんには、安心感がある。
リディキュール「……。」
お兄さんは静かに聞いていた。
リディキュール「おおよその状況は理解できました。……その上で提案なのですが。私と遊びませんか?」
みちる「へ?」
リディキュール「少し待っていただいたらバドミントンのラケットとシャトルを用意できます。バドミントンでよろしいでしょうか?というか私、バドミントンしたいです。バドミントンバドミントンバドミントン。」
みちる「(うわ、このお兄さんも変な人だ!!)」
リディキュール「ははは、怪しい人を見る目ですね。冗談ですよ、バドミントンにそこまで思い入れはありません。要するに身体を動かしませんか、という提案です。」
みちる「まぁ……いいですけど。」
―しばらくして。
パシュッ!
リディキュール「中々やりますね。」
みちる「お兄さんこそ!」
パシィ!
リディキュール「スッキリしませんか?頭より身体を動かすのは!」
パン!
みちる「……たしかに!」
カツッ
リディキュール「おっと!」
みちる「隙あり!」
パシュゥ!!!
リディキュール「あー……負けてしまいましたね。」
みちる「お兄さん、もう一回しませんか?」
リディキュール「勿論です。……ふふ、良い顔をするようになりましたね。」
みちる「あ……」
自然と口角が上がっていた。
悩んでたことなんて吹き飛んで。
リディキュール「人の気持ちとは流動的なものです。それを無理やり一方向に向けようとすると、いつか無理が来てしまいます。たまには……気分転換をしないと。」
みちる「お兄さん……明日もまたここにいますか?僕、門限があるからあと一回くらいしかできないと思うけど、明日またお兄さんと遊びたいです。」
リディキュール「ええ。いますよ。」
みちる「やった!」
4日後
みちる「お兄さん!こんにちは!」
リディキュール「こんにちは、みちる君。」
みちる「お兄さん、今日は何で遊ぶって……これ……」
リディキュールお兄さんの横には山積みにされたボードゲームが。
加減を知らないのかな?
この人、やっぱ変だな。
リディキュール「どれで遊びます?大体のものをそろえてありますよ。」
みちる「じゃあ、チェスやろうよ。」
リディキュール「チェスですか?いいでしょう、負かして差し上げますよ。」
リディキュール「それで……お父さんやお母さん、公園のお姉さんに話すことはできましたか?」
みちる「いや……まだ。今はお兄さんと遊んでいたい。」
リディキュール「……私は明日にはこの街をでますよ。」
みちる「えっ!?なんで?」
リディキュール「仕事です。……何もかもいつかは終わりが来るものです。でしたら、言えなくなって終わるよりも、一度感情や考えをぶつけてから終わるほうが悔いが残りませんよ。」
みちる「……。」
リディキュール「チェックメイトです。」
みちる「あ、えっいつの間に!?」
リディキュール「先のことを考えるんですよ。何手も先のことをね。」
みちる「先のこと……そっか。僕、覚悟を決めたよ。父さんと話す。ほんとはまだ怖いし話したくなんかないけど……。」
かるた(回想)「……なんや、他人頼みやん。自分の都合で公園で飼いたい言うとんのに。」
みちる「僕の都合で始めた話だ。なら僕が終わらせないと。」
リディキュール「素晴らしいです、みちる君。応援していますよ。」
みちる「それはそうとして、もう1戦しよ!負けたままじゃ終われない!」
リディキュール「ふふ……望むところです。」