ワタシだけのシンデレラ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「Hi,プリンセス。アナタを一目見てから、ワタシは恋に落ちてしまいました。よろしければ今夜お食事でも?」
「あ!ナギのやつ、またやってやがる!」
「おいおい、ちょっと目を離した隙にレジの店員さんにまで何やってんだ」
「おーいナギ!」
『ごめんなさい。あなたみたいに軟派でチャラい人はお断りです。硬派で一途な、八乙女楽さんみたいな人が好きなので』
「あ………」
「おーっと…」
「…………………………」
「ナギ、帰ってきてからずっとあんな調子だけど、何かあったんですか?」
「あーいや…お兄さんからはちょっと…」
「3人でアニメグッズを買いに行っていたんですよね?兄さんは何か知っているんですか?」
「知ってるっつーか、バッチリ目撃しちまったんだけど…」
IDOLiSH7の寮にて、コソコソとそんな会話がされている。
MEZZO"の二人が仕事でいない今、残ったメンバーはこれから夕飯の支度をしようとしているところだが、一人、ナギだけは先ほどからずっと放心状態で動かない。
「俺、何があったのか話を聞いてこようかな」
「いや!やめとけ、今はそっとしておいた方がいい」
「でもあそこまで魂の抜けた六弥さんは初めて見ましたよ。さすがに落ち込み過ぎなのでは。」
「あれは落ち込むよなー…。見てたこっちまでダメージ食らったし」
「まあ相手の言うことにも一理あるっていうかな」
「相手?」
一織の鋭い指摘に、やっちゃったなという顔になる三月。
そこで観念したのか、さっきよりも小さな声で事の発端を話し始めた。
「買い出しついでにナギが欲しい物があるっつーから、三人でショップに行ったんだけど。すぐに目当ての物が見つかって、ナギ一人でレジまで向かったんだ」
「俺達は売場の方で待ってたんだけど、ナギが店員さん相手に手を握ってナンパしてるのが見えて」
「止めに行かなきゃーと思って近づいてったら、スパッと見事に一刀両断されてて」
「軟派でチャラい人はお断りだ、硬派で一途な八乙女みたいな人が好きだからって」
「なるほど…。」
「確かに!八乙女さんって硬派で漢!って感じする!天にぃも男らしさでは負けてないけど!」
「なんでそこで張り合うんですか。」
「…ワタシは」
「「「うわぁっ!」」」
いつからそこにいたのだろうか。
ナギが背後から声をかけると、みんなは飛び上がってビックリした。
「ビビったー!向こうにいたんじゃねーのかよ!」
「ミツキ、ワタシは軟派でチャラい男でしょうか。」
「え?!まあ、えっと、そうなっちまうかなー?!実際いろんな女の人に声かけてるもんな」
「美しい女性いたら声をかける、これマナーです…。」
「んー、まあお国柄っていうのがあるかもなー。日本男児はそういうの、あんまりしないもんな」
「八乙女氏、男のワタシから見ても格好いいです。ヤマトナデシコ、そういうのが好きなんでしょうか…。」
そう言って負のオーラ全開で落ち込むナギ。
彼のナンパ癖には困ったものだが、そのキャラクターからいつも女性が放っておかないのは周知の事実で、あそこまでこっ酷くフラれているのは確かに初めて見た。
以前、自分でもモテ自慢を当たり前のように話していたことから、もしかしたらフラれること自体が初めての経験かもしれない。
「まあ仕方ないさ!アイドルだからゴシップは勘弁だけど、お前なら他にいくらでも相手はいるだろうし」
「…いいえ!ワタシは決めました。あの女性に振り向いてもらえるまで、一途にアタックし続けます。」
「はあ?!やめとけって、見込みない感じだったろ」
「NO!これはワタシと彼女の愛の試練。ワタシは試されているのです。これを乗り越えずして、真実の愛は掴めません。」
「ナギ、かっこいいな~!」
「やめてください七瀬さん!六弥さんをその気にさせないで!」
「Don't worry.心配しないで。ワタシは絶対に諦めません。」
そうして決意を固めてしまったナギと、頭を抱えるメンバー達。
アイドルにとって恋愛スキャンダルはご法度だが、これから一体どうなることやら。
To be continued...?
2022/11/16
1/1ページ