ふたりで恋する
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僕はずっと悩んでいた。
『逢坂さん、四葉さん、お疲れ様です!』
「お疲れ様です。」
「うす、お疲れさまです。なー、お腹すいたんだけどなんかない?」
『あ、チョコならありますよ。食べますか?』
「食べる食べるー」
『ふふ、はいどうぞ』
アイドリッシュセブンのみんなに好きな人がいることを打ち明けてから、応援してもらったので告白してもいいものか。
『今からコンビニ行って軽く食べられるもの買ってきますよ。資料読んで待っていてください』
「まじ?俺王様プリン!」
そう言って甘えるように飛び付く環くんと、それを優しく受け止めるなまえさん。
環くんも彼女のことが好きだと聞いてから、こうした場面を目にしては告白することが憚られた。
環くん自身も好きだと自覚したのは最近のようだし、僕の応援をしてくれたのは自分の気持ちに気付く前だったと思うから…。
もし僕が想いを伝えることによってMEZZO"の関係が壊れてしまうのではないかと思うと、何もできないままぐるぐると悩み続けてしまうのだった。
『逢坂さんも何かいります?』
「あ、僕は大丈夫。ありがとう。」
『…何か最近、元気ないね?』
「っえ、いや、そんなことは…。」
『悩みがあるなら、私でよければ話を聞くよ』
「悩み…。ううん、なんでもないんだ。心配かけてごめん。」
そっか、と返す彼女の表情がなんとなく寂しそうな気がして、何も言えないことが苦しかった。
「なあ、そーちゃん。みょうじさんに告った?」
「…えっ?!」
ラジオの仕事が終わった帰り、唐突にそんなことを聞かれて心臓が飛びはねた。
「そーちゃんたち何も進展なさそうだし、いつになったら言うのかなって」
「…言えないよ。」
「はあ?なんでだよ、言えっつったじゃん」
「だって君も彼女のことが好きなんだろう…?それが分かってるのに、僕だけ気持ちを伝えるなんてできない。」
「なんだよそれ、そんなこと気にしてたのかよ」
心底呆れたって顔をする環くんに、こちらの方が困惑する。
だってそうだろう?
僕の言っていることの方がおかしいのか…?
「だーかーらー、俺はそーちゃんにもみょうじさんにも幸せになってほしいって言ったじゃん。どっちも好きだから、二人がくっついたらそりゃちょっとは寂しいけど。それで仲間外れにされんだったらムカつくけど、寂しいとムカつくは違うんだって」
「僕が彼女と付き合うことは嫌じゃないってこと?」
「嫌じゃない。つーか、むしろ付き合ってくんないと見てるこっちがイライラする」
「えぇ?!」
そんなことってあるんだろうか?
でも環くんが嘘を言ってるようには見えないし、そもそもこんなことで嘘をつくような子じゃない。
「…本当に、僕が告白しても怒らない?」
「おー」
「僕と彼女が付き合っても嫌じゃない?」
「もー、そう言ってんじゃん!」
しつこい!って怒りながらも環くんは笑ってて、そんな彼の表情を見て僕も心から安心できた。
この日の夜空はとても澄んでいて、キラキラと輝く星達の下を清々しい気持ちで並んで歩いた。
「「「付き合うことになった?!」」」
「はい、おかげさまで」
後日、正式にお付き合いが始まったことをみんなに報告した。
「おー!やったな壮五、男を見せたんだな!」
「congratulation!今日はパーティーでーす!」
「おめでとうございます、壮五さん!どんな人だろう、会ってみたいなー!」
「可愛いよ。しかもすげー優しい」
「四葉さん、それをあなたが言うんですか。」
「うっ。やっぱり環くん、彼女のことが…。」
「おいおい、修羅場はやめてくれよ?」
「なんねーし!」
笑い声が響くなか、仲間達に祝福されて、こんなにも嬉しいことはない。
これからの幸せな予感に僕は胸がいっぱいになるのだった。
To be continued.
2023/2/2