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「本日のNEXT Re:valeの企画は、題して《ŹOOĻのみんなが一日願いを叶えちゃう!ドリームマジック~!》」
「はい拍手~」
「ということで、このBOXには視聴者さんからメンバーそれぞれへのお願い事が書かれた紙が入っています!その中からみんなにランダムで選んでもらったお願いを叶えちゃおう!という企画です」
「なんかとんでもないお願いとか入ってないよね?」
「ムチャ振りとかこえーな…」
「はいはーい!じゃあさっそくみんな紙を引いていきましょー!」
「虎於くん、何だった?読み上げて」
「ああ…みょうじなまえさん、17才からのお願いは、御堂虎於くんに、一日お兄ちゃんになってもらいたいです…?」
「あら、末っ子の御堂さんが、お兄さんですか。」
「面白そう!モモちゃんも虎於がどんなお兄ちゃんになるのか気になる~!ではでは、ここからはそれぞれ分かれて、視聴者さんのお願い事を叶えてきてもらいたいと思います!みんなどうなったか楽しみにしてるね~!」
ということで、ゲストで呼ばれたNEXT Re:valeの企画でなんだか女子高生の兄を一日やることになったらしい。
巳波が言っていた通り自分は末っ子なので兄の経験はないのだが、自分の兄を手本にしながらやったらいいのだと思う。
あの人は優秀な人であり、尊敬できる人だった。
そんな人物になりきればいいのだろうか?
「では御堂さん、姫宮さんと確認がとれたのでこれから彼女のところへ向かいます。こちらの衣装に着替えてからそのままお待ちください」
自分に兄を求める彼女は一体どんな人だろうか。
───────────
『初めまして!ヤバい、生御堂虎於くんで泣きそうです~~~』
「あ、ああ。…よろしく」
どうしようか…
なかなかに今時の女子高生って感じで勢いに圧されてしまった。
自分が高校生の時にも、周りはおしとやかなタイプばかりだったので遭遇したことがないタイプの女子だ。
「それではこれから撮影を始めていきます。まずは御堂さんから姫宮さんに今回のお願い事を聞いてもらい、そして順番にやりたいことを叶える様子を撮っていきます。ではお願いします」
「NEXT Re:vale特別企画。今日は視聴者の中から選ばれたみょうじなまえさんの願いを叶えるために、俺、御堂虎於がやってきた。で、あんたは俺に何を叶えてほしいんだ?」
『はいっ!御堂虎於くんに、私の一日お兄ちゃんになってもらいたいです!』
「普通、彼女になりたいとかそういうんだろ?なんで兄なんだ?」
『彼女なんてとんでもない~!前回のデート企画見ました!虎於くんとの遊園地デート!もうあれが衝撃過ぎて、あんなの耐えられないんで…お兄ちゃんだったら、一緒にやりたいこといっぱいあるなーと思ったので今回応募させてもらいました!』
「ふーん、まあいいさ。求められることに答えるのは得意だ。あんたの理想の兄になってやるよ」
『キャー!むり!もう格好いい!こんなお兄ちゃん最高ー!』
あはは、と周囲から笑いが起こる。
勢いは凄いが、こういう素直な妹がいたらいいかもしれないな、なんてちょっと思った。
「まずは呼び方からだな。これからはお兄ちゃんって呼んでくれ。兄妹だから敬語もいらないからな、なまえ」
『っう…。ナマエ、ヨビステ、シンドイ』
「はは、ロボットの物真似か?それで、まずは何がしたい?」
『はい!お兄ちゃんに、勉強を教えてもらいたい!』
「いいだろう、俺は全教科得意だ」
場所を移してここは図書館の談話室の一角。
ひとつめの願いを叶えるべく、久しぶりに高校の教科書なんてものを見た。
『うーん…ここって?』
「ああ、ここはこっちの文法を使ってみたらいい。で、これがこうなる」
『あ、そっか!じゃあこっちも、こうで、こうだ!』
「正解だ。なんだ、なまえは飲み込みが早いな」
『えへへ、虎…じゃなくてお兄ちゃんの教え方が先生よりも分かりやすくて、今ならなんでもできる気がする!』
「そうか、じゃあこっちの応用問題も解いてみろ。ちょっと難しいぞ」
『えー!…頑張るー!』
そして真剣な表情で考えるなまえを、微笑ましい気持ちで見守る。
兄とは普段、こんな気持ちなんだろうか。
自分も、そう思われていたのだろうか。
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