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第四楽章


「っっしゃぁ強行突破成功したよお父さん!!今現在ヴァンと共に地点Bに向かってます!いたって順調って感じ」

「そうか、油断は禁物だからな」
「も~~~わかってる!とりあえずおじいちゃんはまだ待機でよろしくだよ」
「ああ、そうするよ。怪我には気を付けるんだぞ、メロディア」

はぁい、と返事をしたあとで指揮官と繋げていたトランシーバーの通信を切る。

「一応、爆破音に関してはまだ誤魔化せてるみたい。ただ、思いっきり壊したから瓦礫のなだれとかが起きたらあとはもう向こうが気付くのは時間の問題だと思う」
「了解。ほんと、サイレンサーは頼りになるね!」
「メロディアの能力の応用も大したものだよ、すごい威力だ」
ふふん、照れるねえ。なーんて言ってる暇もないか。
一刻も早くペトラの元に向かわなければいけない。まあシヴォルタのことだから恐らく、よっぽど手酷くすることはないだろうって思ってるんだけどね。

でもさ、心配じゃん?心配のし過ぎと能力の副作用とで頭痛が酷い。待っててね、ペトラ。もうすぐ着くはずだから。

「メロディア、きっとこのドアの下に地下牢への階段が続いてる。急ごう」

うん、と短く返す。ドアに手を掛けて開けようとする。しかし困ったね、鍵でもかかってるのかなぁ。目の前にある鉄製のドアはかんたんに開きそうになかった。
「鍵、か。…どうする、メロディア?」
「決まってんじゃん?…ぶち壊すよ」
ドアに両手をあててから強く力を込めて意識を集中させる。付近の音から、衝撃波を生み出す。


「うぉわっ」

程なくしてドアは間抜けな音を出して壊れた。勢い余ってつんのめりそうになったのをヴァンに支えられる。

「大丈夫?」
「ありがと、僕は大丈夫。行こう!」

階段を勢いよく二人で下る。鉄階段特有の音が地下にうるさく反響している。


大切な仲間が無事でいることを、どこかの誰かに頭のどこかで僕は祈った。


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