第三楽章
ほんとにイライラするなぁ。
色んなデータベースにアクセスしたおかげでペトラのつけていたGPSが残した記録は追うことができたが、どうやらもうGPSは切られてしまっているらしかった。おそらく壊されたのだろう。まあ居場所はわかったからいいか。
結論としては、彼は今シヴォルタの拠点にいるらしい。
シヴォルタ、ちょっと性格悪すぎない?いくらなんでも僕ら、誘拐の類はしたことないんだけど。
酷いことはされていないだろうか。拷問のようなことでもされていたら?今頃、苦しんでいたら?
お姉ちゃん、と楽し気に笑うペトラの笑顔を思うともう涙が出そうなほどだった。待っててね、今すぐ助けに行くから。まあ、ここからシヴォルタ拠点までってだいぶ時間かかるんだけどね。
「今日くらいは、指揮官も行くんでしょ。…てか連れてくからね」
「…ああ、そうだな。さすがに今回ばかりは行かなくては」
あーよかった。こんな時まで断られてたらクソ爺!って追い出しちゃうところだったよ。いやジョークだけどね、それくらいには怒るよってこと。
「じゃあ、行こうか。」
彼が帽子を被り直し、蒼い髪を揺らす。
「うん」
ぶち壊しに、
「行こうか」