魔法科1
店頭に飾られたペアリング。
いつか、兄も指輪を贈る日が来るのだろうか…自分以外の、誰かに。
「…っ!」
そう考えるだけで心臓が軋む。呼吸の仕方が、分からなくなる。
それでも。
「…お兄様、どうか」
もう少しの間だけ、この想いを抱く自分を許して欲しい。
冷たい指先を握り込み、白い息を吐き出した。
初出・2017年11月28日
いつか、兄も指輪を贈る日が来るのだろうか…自分以外の、誰かに。
「…っ!」
そう考えるだけで心臓が軋む。呼吸の仕方が、分からなくなる。
それでも。
「…お兄様、どうか」
もう少しの間だけ、この想いを抱く自分を許して欲しい。
冷たい指先を握り込み、白い息を吐き出した。
初出・2017年11月28日
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