SBM1
肉を頬張る少年の姿に目を細める。
穏やかな眼差しは、しかし直ぐに険しさを帯びた。
この御方は我等に残された最後の希望、秘めたる理力が目覚めるその日まで、我が命に代えても必ずお守りしなければ。
テーブルの下、少年に悟られないよう掌を握り込んだ時。
「ボクが、平和な世界を取り戻してみせるよ」
弾かれた様に上げた視線が、食事の手を止めた少年の瞳とぶつかる。
決意を宿した双眸は、伝説の再来を予感させる力強さに満ちていて。
射抜かれて胸を震わせた刹那、あどけない面差しに見慣れた笑みが戻った。
「だから、早く食べよう?」
「…はい」
促す明るい声音に頷いて、料理へと手を伸ばした。
初出・2018年6月1日、2日
穏やかな眼差しは、しかし直ぐに険しさを帯びた。
この御方は我等に残された最後の希望、秘めたる理力が目覚めるその日まで、我が命に代えても必ずお守りしなければ。
テーブルの下、少年に悟られないよう掌を握り込んだ時。
「ボクが、平和な世界を取り戻してみせるよ」
弾かれた様に上げた視線が、食事の手を止めた少年の瞳とぶつかる。
決意を宿した双眸は、伝説の再来を予感させる力強さに満ちていて。
射抜かれて胸を震わせた刹那、あどけない面差しに見慣れた笑みが戻った。
「だから、早く食べよう?」
「…はい」
促す明るい声音に頷いて、料理へと手を伸ばした。
初出・2018年6月1日、2日
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