公安に異動したらスパダリ彼氏が豹変した
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突然だが、スパダリという言葉をご存知だろうか。
スーパーダーリンの略で、彼女想いの素晴らしい彼氏のことを指すらしい。
私の彼氏が、まさしくそれである。
ハーフ特有の極めて整った容姿。
スタイルも良く高身長。
学歴は日本最高峰の東都大卒。
勤めるは我が国の最高機密組織、警察庁警備局。
愛国心の強い彼らしい職業である。
頭脳明晰ゆえ言葉使いも巧みだ。
彼と言い合いをすればまず勝てない。
スポーツをやらせればボクシングだってできる。
運転する車はマツダのRX−7。
ドライビングテクニックはプロ並みだ。
もちろん性格だってスパダリの名に恥じない。
私が落ち込めば一番に慰めてくれるし、嬉しいことがあれば自分のことのように喜んでくれる。
全く非の打ち所がない彼氏。
名を、降谷零という。
最初の出会いは大学の入学式だった(なにを隠そう、私も東都大法学部出身である)。
新入生だった私、会場運営の手伝いをしていた彼。
ひょんなことから顔見知りになり、学部が同じだったからか、顔を合わせる機会も多くて。
気付けば彼に告白されて、付き合うことになっていた。
しかも、「国の安全を守りたい」と、就職先まで同じだった。
就職後も、部署は違えどお互いの仕事は理解していたし、忙しい合間を縫って良い関係を続けられていたと思う。
…私が、警備局警備企画課へ異動になるまでは。
組織犯罪対策部に属する私は、簡単にいうと裏社会の犯罪者たちを相手にする仕事をしていた。
降谷さんの仕事に似ているようだが、私の方は昔ながらの日本のヤ○○さんなど反社組織を相手にするものなので、少々毛色が違う。
まぁ、相手と犯罪種類が違うだけで、やってることーー有事には撃って殴って捕まえてーーは似たようなものかもしれないが。
ハイスクールの頃からアーチェリーをやっていたせいか、警察学校での射撃の成績はトップだった。
加えて、子供の頃に海外を転々としていたゆえに外国語が話せる私に、警備局の管理職が目をつけたらしい。
大学以外に日本の教育を受けていない私を公安に配属するのはどうなんだ?と自分でも思ったが、ハーフの降谷さんがいる時点であまり上層部は気にしていないのだろう。
正直、警備局への異動はありがたいと思った。
自分の能力が活かせるのであれば嬉しいし、降谷さんの顔を見れるのであればなおさら。
だが。
その降谷さん本人が、
全くもって、
納得しなかった。
事件は2週間前に遡る。