公安に異動したらスパダリ彼氏が豹変した
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ホステスを始めてから、ママの人の良さと快適な職場環境にいっそ転職したくもなったが、一応本業である捜査官としての任務も全うしている。
捜査対象との交流は順調。
今日はついに、勤務後に食事に行こうと話をつけていた。もちろん食事だけで終わるような展開ではないだろう。
つまり、核心をつくには今日が重要な日なわけで、今日ばかりは警察庁には顔も出さず、化粧はパックから始めていつもより時間をかけたし、アフターのために私服だって新調しておいた。なのに。
私のやる気を削ぐ事件が発生した。
なんていうか。タイミングっていうか。嫌がらせなの?
「へぇ、レイさんですか。素敵なお名前ですね」
降谷零、お前一体何を考えているんだ。
他のお客様の接客が終わり、化粧を直そうかと考えていた私を引き止めたのはママだった。ママは今日も藤色の着物が似合っていて美しい。
「初めていらっしゃるお客様なのだけど、レイちゃんご指名なの。お願いできるかしら?安室さんとおっしゃって…」
ママに促されて視線を向けた先には、降谷さんと彼の師匠(?)である私立探偵、毛利小五郎であろう後ろ姿。あの金髪目立ちすぎ、他のホステスも視線をやっている。
これにはさすがの私も驚いてしまい、「お知り合い?」とママに勘付かれそうになったが、いえ童顔だったのでびっくりして…と誤魔化した。なんだ顔見えてないのに童顔でびっくりするって。
本来一見さん御断りのこのクラブだが、口のうまい彼がママをうまく丸め込んで来店したのだろう。
仕事である以上、そのまま彼らの元へ向かう。
本当に気がすすまないが、むしろ素直に担当しておかないと逆に面倒なことになりそうだし。
一つ深く息を吐いて。
毛利さんの後ろから声をかける。
「こんばんは。レイです」
レイと聞いて振り向いた降谷さんの顔は、正直言って写真に収めて警備局のデスクに飾りたいレベルだった。それも一瞬で、すぐにポーカーフェイスに戻ってしまったけど。
やっぱりこの名前…やめておけばよかった…本物の零の前でこんな言葉を吐くとか恥ずかしくて死にそうだ。
毛利さんはいつものスーツ(なぜ面識もないのに彼を知っているかといえば、それは私が公安だからということにしておく)、降谷さんは安定のダサ…私服ではなく、スーツを着ていた。おかげで私服より5割増しでかっこいい。
ここで冒頭の彼のセリフへ戻る。
ソファに座る二人、テーブルを挟んで向かいに座る私。
「何を飲まれますか?」
「ウィスキーのロックで。毛利さんも同じでいいですか?」
「あ、ああ」
注文された通りにロックを二つ作り、そっと音を立てないようにグラスを置く。
私の一挙手一投足を見つめる降谷さん。
毛利さんは落ち着かないのか、周囲をチラチラと見ている。夜のお店初めてなのかな。
こんな日に限って、丈の短いドレスを着ていることを後悔する。
座っていると太ももが結構な範囲で見えてしまう。
普段しない格好をしている自分を見られるのは、やっぱり抵抗がある。
まあそんなこと降谷さんは気にしてないだろうけど。
キュッと肌を隠すように裾を引っ張る。
降谷さんは早速ウィスキーを口にして。
「さすがですねレイさん。ロックを作るのがお上手だ」
地球上の女性37億人全てを魅了しそうな笑顔でそう言った。言ってることは頗るわざとらしいのがすごい。
別にマニュアル通りに作っただけなのに、つられて毛利さんも口に含み、ウンウンと頷いている。普通のオンザロックですよ。
「ありがとうございます。ママから教わったんです」
「そうなんですか。でもあなたが作るから尚更ですよ。ねぇ毛利さん」
「あ、ああ、そうだな」
…口説かれても、反応に困りますけど。
照れたように見せたくて、あらあらと口を手元に寄せる。ここはホステスの余裕を見せつけるところである。
降谷さんは目を細めてふ、と笑って
「レイさんはお休みの日は何をされてるんですか?」
「休みの日、ですか…」
降谷零にレイさんと呼ばれることに違和感しかない。
しかも休日なんて、筋トレと事務仕事しかしてないってこと、知ってるでしょ。
っていうかなんだこの質問。合コンか?
「ふふ、エステとお料理教室に行くことが多いですよ」
毛利さんの夢を壊さないよう、それっぽい内容でウィンクをして答えれば、降谷さんは引きつった笑みを浮かべていた。一方、なぜか料理というワードがヒットしたのか、毛利さんが食い気味に聞いてくる。
「と、得意料理はなんですか!」
「えっと…トンテキとビーフシチューかな…」
とっさに自分がよく作る料理を答えていた。毛利さんは嬉しそうに、料理の上手な方は素晴らしい!と言う(トラウマでもあるのかも…)。
降谷さんはというと
「奇遇ですね。僕の元カノもその二つが得意料理でした」
「、」
捜査対象との交流は順調。
今日はついに、勤務後に食事に行こうと話をつけていた。もちろん食事だけで終わるような展開ではないだろう。
つまり、核心をつくには今日が重要な日なわけで、今日ばかりは警察庁には顔も出さず、化粧はパックから始めていつもより時間をかけたし、アフターのために私服だって新調しておいた。なのに。
私のやる気を削ぐ事件が発生した。
なんていうか。タイミングっていうか。嫌がらせなの?
「へぇ、レイさんですか。素敵なお名前ですね」
降谷零、お前一体何を考えているんだ。
他のお客様の接客が終わり、化粧を直そうかと考えていた私を引き止めたのはママだった。ママは今日も藤色の着物が似合っていて美しい。
「初めていらっしゃるお客様なのだけど、レイちゃんご指名なの。お願いできるかしら?安室さんとおっしゃって…」
ママに促されて視線を向けた先には、降谷さんと彼の師匠(?)である私立探偵、毛利小五郎であろう後ろ姿。あの金髪目立ちすぎ、他のホステスも視線をやっている。
これにはさすがの私も驚いてしまい、「お知り合い?」とママに勘付かれそうになったが、いえ童顔だったのでびっくりして…と誤魔化した。なんだ顔見えてないのに童顔でびっくりするって。
本来一見さん御断りのこのクラブだが、口のうまい彼がママをうまく丸め込んで来店したのだろう。
仕事である以上、そのまま彼らの元へ向かう。
本当に気がすすまないが、むしろ素直に担当しておかないと逆に面倒なことになりそうだし。
一つ深く息を吐いて。
毛利さんの後ろから声をかける。
「こんばんは。レイです」
レイと聞いて振り向いた降谷さんの顔は、正直言って写真に収めて警備局のデスクに飾りたいレベルだった。それも一瞬で、すぐにポーカーフェイスに戻ってしまったけど。
やっぱりこの名前…やめておけばよかった…本物の零の前でこんな言葉を吐くとか恥ずかしくて死にそうだ。
毛利さんはいつものスーツ(なぜ面識もないのに彼を知っているかといえば、それは私が公安だからということにしておく)、降谷さんは安定のダサ…私服ではなく、スーツを着ていた。おかげで私服より5割増しでかっこいい。
ここで冒頭の彼のセリフへ戻る。
ソファに座る二人、テーブルを挟んで向かいに座る私。
「何を飲まれますか?」
「ウィスキーのロックで。毛利さんも同じでいいですか?」
「あ、ああ」
注文された通りにロックを二つ作り、そっと音を立てないようにグラスを置く。
私の一挙手一投足を見つめる降谷さん。
毛利さんは落ち着かないのか、周囲をチラチラと見ている。夜のお店初めてなのかな。
こんな日に限って、丈の短いドレスを着ていることを後悔する。
座っていると太ももが結構な範囲で見えてしまう。
普段しない格好をしている自分を見られるのは、やっぱり抵抗がある。
まあそんなこと降谷さんは気にしてないだろうけど。
キュッと肌を隠すように裾を引っ張る。
降谷さんは早速ウィスキーを口にして。
「さすがですねレイさん。ロックを作るのがお上手だ」
地球上の女性37億人全てを魅了しそうな笑顔でそう言った。言ってることは頗るわざとらしいのがすごい。
別にマニュアル通りに作っただけなのに、つられて毛利さんも口に含み、ウンウンと頷いている。普通のオンザロックですよ。
「ありがとうございます。ママから教わったんです」
「そうなんですか。でもあなたが作るから尚更ですよ。ねぇ毛利さん」
「あ、ああ、そうだな」
…口説かれても、反応に困りますけど。
照れたように見せたくて、あらあらと口を手元に寄せる。ここはホステスの余裕を見せつけるところである。
降谷さんは目を細めてふ、と笑って
「レイさんはお休みの日は何をされてるんですか?」
「休みの日、ですか…」
降谷零にレイさんと呼ばれることに違和感しかない。
しかも休日なんて、筋トレと事務仕事しかしてないってこと、知ってるでしょ。
っていうかなんだこの質問。合コンか?
「ふふ、エステとお料理教室に行くことが多いですよ」
毛利さんの夢を壊さないよう、それっぽい内容でウィンクをして答えれば、降谷さんは引きつった笑みを浮かべていた。一方、なぜか料理というワードがヒットしたのか、毛利さんが食い気味に聞いてくる。
「と、得意料理はなんですか!」
「えっと…トンテキとビーフシチューかな…」
とっさに自分がよく作る料理を答えていた。毛利さんは嬉しそうに、料理の上手な方は素晴らしい!と言う(トラウマでもあるのかも…)。
降谷さんはというと
「奇遇ですね。僕の元カノもその二つが得意料理でした」
「、」