銀翼の奇術師
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―――汐留ビュータワー 劇場「
最近汐留に新しく出来た劇場「
(まぁ、殆ど快斗に教えて貰ったんだけどね……)
【開演までしばらくお待ちください】
書かれている案内を見て静かに微笑む。
(早く見たいな〜楽しみ!)
私は貰ったパンフレットを見ながら楽しみに待っていると、後ろから背中をバシッと叩かれた。
貴「痛った!もう何よ〜……」
叩いた人物を知る為に振り向くと、ニヤニヤしている園子と苦笑いしている蘭の姿が……犯人が誰かすぐ分かった。
貴「何するのよ園子!なんで背中叩いたの?!」
園「だって〜……憐が1人でニヤニヤしながらパンフレット読んでるんですもの〜〜そりゃ気になりますわよね蘭?」
蘭「ちょっと園子ったら……💧」
思わず顔を触る……そんな変な顔をしてた?!
蘭「そんな心配しなくていいのよ!ただ凄く憐が楽しそうに見えたから、園子が気になっちゃったのよ」
貴「……浮かれてるように見えてた……?」
そう言うと2人して頷くものだから、一気に恥ずかしくなって背を向ける。
(平常心よ平常心……)
一旦深呼吸して、再び2人の方へと向き直る。
蘭「そんなに喜んでくれるなんて思わなかったから、誘って良かったよ」
蘭の優しさが、私の顔をより熱くさせる……それ以上言わないで蘭……せっかく普通の自分に戻していたのにまた戻りそう
園「私も蘭から誘いが来た時は嬉しかったわよ!実はこのお芝居、凄く見たかったんだから!」
園子が興奮して話している。私だけじゃなく園子も楽しみにしていたことが伝わってきた。誘われた人は私や園子だけじゃなく、他にも少年探偵団の子達もいるみたいだ。コナンくん達と楽しそうに話している姿を後ろで見かけた。微笑ましい……ただ気になるのは元太くんも指摘していたコナンくんの格好。コナンくんはいつも持っていないリュック背負っているようだ。
(なんでリュックなんか背負ってるのだろう……?)
コナンくんっていつも手ぶらだったような……?
矢「毛利先生!!すいません、お待たせしてしまって……」
不思議に思っていると、小五郎さんを呼ぶ女の人がやってきた。その女性は、〝ジョゼフィーヌ〟の主演女優牧樹里さんの、マネージャー矢口真佐代さんという方だった。何でも観劇の前に、舞台裏を見せていただけることになっていたらしい。
マネージャーさんと知り合い?毛利さんのツテで観られるってこと?……そもそも私達って一般席だよね?まるで関係者みたいに……
園「ほら、行くわよ憐〜置いてかれちゃうわよ!」
貴「は〜い!今行く!」
思考の海に陥っていると、園子から早く来るよう急かされる。皆に置いてかれないよう小走りで、園子達について行った。
――― 宇宙 楽屋
矢「矢口です……毛利先生がお見えになりました。」
私達がやってきたのは、牧さんの楽屋。牧さんから入室許可が出たので、小五郎さんが扉を開けた。中へ入ると、牧さんが大きな鏡に向かって座っており、メイクさんにお化粧されている途中だった。
牧「なつきちゃん、こちらはあの有名な毛利小五郎さん……貴方も知ってるでしょう?」
酒「酒井なつきです……」
毛「どうも……」
牧さんのヘアメイクさん、酒井なつきさんが化粧をしていた手を止めて挨拶をした。すると少年探偵団達が、我先にと部屋の中へと走っていく。
貴「皆、走っちゃダメだよ。歩いて入ろうね」
歩・光・元「「「は〜い!!」」」
元気なのは良いことだけど、せっかく貴重な舞台裏を見せていただいてるんだから、礼儀は良くないとね。歩美ちゃん、光彦くん、元太くんは行儀よく歩いて奥へと進んで行った。
歩美ちゃんと哀ちゃんが酒井さんの化粧道具に反応している。小さくても女の子、やはりお化粧道具は気になるものなんだね……酒井さんに触らないよう注意されていたけど。
―――コンコン
扉をノックする音が響き、矢口さんが返事をするとゾロゾロと知らない人達が入ってきた。どうやら牧さんと同じ舞台で共演する役者さん達らしい。着ている衣装が豪華で素晴らしかったからだ。一人一人自己紹介をしてくれた。
ナポレオン役 成沢文二郎 俳優
ジョゼフィーヌの親友 テレジア役
田島天子 女優
ジョゼフィーヌの恋人 イポリット役
新庄功 俳優
舞台の演出兼ジョゼフィーヌのパトロン パラス役
伴亨 演出家 兼 俳優
どの方も衣装を着こなしていて、人並みな感想だけど流石役者さんって感じだ。
毛「こちらこそ……」
小五郎さんと伴さんが握手していると
「皆さんお揃いですな!」
入口の方から別の人の声が聞こえた。この声は……
毛「中森警部!?」
貴「銀三さん!」
スーツ姿の銀三さんが、警官を引き連れてやってきた。……なんで??
貴「銀三さん何でここに……?」
中「そりゃ勿論仕事だよ。奴が狙う宝石があるからね」
眉を釣り上げて、顔を歪め話す銀三さん。その様子を見て、ひとつの可能性に思い当たる。
(宝石を狙う人……泥棒よね?銀三さんが出てくる程の泥棒……)
貴「まさか……キッドがくるの?!」
私の反応を見て、園子と蘭が驚いた様子でこちらを見ていた。
園「知らなかったの?!てっきりキッド様が来ると知ってたから、あんなに嬉しそうだと思ってたんだけど……蘭、アンタ教えてなかったわけ?」
蘭「そ、そういえば……憐に伝えてなかったかも……ごめん憐〜!実はキッドから予告状がきててね?」
両手を合わせて申し訳なさそうに謝る蘭。そしてこの舞台を観ることになった経緯を改めて詳しく話してくれた。
(ふーん、運命の宝石と呼ばれる〝スターサファイア〟……今回のキッドの狙いはその宝石なんだ)
サファイアか……そう言われて思い浮かぶのは、小さい頃から一緒にいた幼馴染。清らかな青色が誰よりも似合う彼女を思い出して密かに微笑む。そしてまたも偶然、何かと縁のある怪盗が今回も現れるかもしれない……その可能性に笑みが深くなった。
その間も小五郎さんと銀三さんが互いに引きつった顔でいがみ合っていた。キッドを捕まえるという同じ目的で集まったはずなのに、小五郎さんも銀三も穏やかに協力出来ないんだろうか。少し呆れた視線を大人2人に送っていると、銀三さんが襟を正し、改めてここに来た目的を告げた。
中「そ、そうそう今回は特別に、捜査協力をしてくれる人物を連れてきました…まぁ、私は必要ないと言ったんですが、目暮の野郎が……あ、いや目暮警部が強く推すものでね……」
今回の銀三さんは、いつもとは違い協力者を連れてきたらしい。目暮警部が強く推す人物??誰だろう……?
中「入りたまえ……」
銀三さんが中に入るよう促す。誰もが不思議に思い、部屋の扉に注目する。その人物はコツコツと靴音を鳴らし部屋の中へと入ってくる。彼が姿を現した時、彼を知る者達誰もが目を見開いた。
新「どうも、工藤新一です!」
最近めっきりその姿を見せていなかったクラスメイトで、蘭の幼馴染の高校生探偵……工藤新一くんが悠然と立っていた……。