天空の難破船【完結】
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────── 飛行船ベル・ツリー1世号内部
歩/光/元「「「わぁ〜〜〜〜〜〜!!トロピカルランドだ!!」」」
光「お城が小さく見えますね!!」
歩「おもちゃの遊園地みたい!!ねぇねぇ!憐お姉さんもこっち来て見てよ〜!!」
貴「どれどれ〜……うわ〜ほんとだね〜!ミニチュアの遊園地可愛い〜!……」
憐達は今、地上から遥か離れた上空にいる。この場所は鈴木財閥の飛行船の中、憐達はその飛行船に乗り、上空から見える景色を楽しんでいた。
貴(……あのキザな怪盗さんはいつもこんな素晴らしい景色を見ているのね……)
憐達が飛行船に乗っている訳は、鈴木財閥の相談役、鈴木次郎吉が世界最大の飛行船を完成させた為、園子から招待をうけたからだ。そんな中、次郎吉はその飛行船を舞台にし、自身の宿敵としている怪盗キッドに挑戦状を叩きつけていた。
〜 怪盗キッドに告ぐ!!〜
貴殿の所望するビックジュエル〝
このビックジュエルを手中に収めたくば、東京離陸予定の13時より、大阪到着予定の19時までの間に取りに来られたし。
鈴木財閥相談役
鈴木次郎吉
憐は中腰になりと子ども達と同じ目線で景色を楽しんでいる時、隣では蘭が父親である小五郎に景色を見るように勧める。
蘭「お父さん、凄い景色だよ!!」
小「う〜〜〜〜〜」
蘭「ねぇ、こっちに来て見てみれば?」
小「うるせぇ!!今考え事してんだ!!」
小五郎は、蘭の誘いに見向きもしない。蘭は呆れ果てているが、近くにいた阿笠博士が「そういえば……」と切り出す。
阿「毛利君は高い所が苦手じゃったな……」
小「そんなんじゃねぇ!!」
言葉では否定しているが、行動は伴っておらず、壁側に椅子を向けて座っており、絶対に見ないという意思が読み取れた。
歩「ねぇ憐お姉さん……キッドさんはいつもこんな景色を見てるのかなぁ……?」
飛行船から景色を楽しんでいた歩美が、隣にいる憐に問いかけていた。
貴「えっ?!……う、うん!そうだと思うよ!……でも、歩美ちゃん……何で私に聞いたのかなっ……?」
歩美に問いかけられた憐は驚いて、逆に何故そのような質問をしたのか歩美に問いかけた。
歩「だって〜……憐お姉さんってキッドさんと仲良いんでしょ?キッドさんから何か聞いてないかな〜って思って……」
貴「えっ?!?!」
光「そうですよ!憐お姉さんが、キッドと親密な仲だってこと、ちゃんと知ってますからね!僕ら少年探偵団を舐めてもらっては困りますよ〜!」
貴「光彦くんまで?!ちょ、ちょっとどういうこと?!何でそんな誤解が生まれてるの?!」
歩美と光彦の発言により、憐は自分と怪盗が子ども達にとても仲が良いと思われていることが分かり、更に大きく目を見開いた。早く誤解をとかなければ、怪盗に迷惑がかかってしまう。しかし、何故自分と怪盗の関係がそんな風に勘違いされているのか、原因が気になっていた憐だが、その疑問に答えを教えてくれたのが、元太だった。
元「園子姉ちゃんが言ってたぞ〜……憐姉ちゃんとキッドは〝良い仲〟だから、キッドは憐姉ちゃんだけに特別優しいって……」
貴「犯人は園子ね!!ちょっと園子……!!」
憐は元太の答えを聞き、すぐに園子の方へ向き直り、問い詰めようとしていた。
元「それにしてもよォ……キッド、本当に来んのか?」
元太は自分が答えた内容の重大さに気づいておらず、あっさりと話題を切り替えて自身の疑問を出した。それを聞いていた園子は、これ幸いと詰め寄ってきた憐から離れる為に、元太達の方に携帯を持って近づいた。
園「来るわよ!!次郎吉叔父様の所にちゃんと返事が来たんだから……ホラ!!」
そう言って園子が見せた携帯の画面には、怪盗キッドから次郎吉に宛てた挑戦状への返事が書かれていた。
貴「園子!!まだ話は終わってないわよ!!」
園「しつこいわね憐も……別に良いじゃない〜間違ってないし!……悔しいけど、キッド様アンタに〝ベタ惚れ〟なんだから!」
貴「全然良くない!!子ども達に変な風に伝わってるじゃない!!」
園「何でそんな怒ってんのよ〜!キッド様から言い寄られてるなんて凄く羨ましいのに〜…………あっ!?もしかして憐としては〝幼馴染〟くんが旦那だから、旦那にバレると不味いとか思ってる……!?
大丈夫よ!バレないように上手くやればいいんだから〜!それにしても三角関係か〜〜アンタってば、罪な女ね〜……」
貴「なっ?!……な、何言ってるのよ!!全然違うわよもう!!そんな訳ないでしょ?!〝アイツ〟は旦那じゃないし、キッドも私なんかに惚れてないってば!!」
園子の揶揄うような言葉に林檎のように真っ赤になった憐が全力で反論するも、園子には全く効いていない。コナンは「蘭姉ちゃん、あれ止めなくていいの?」と憐と園子のやり取りを呆れたように見ながら、蘭に聞くと、蘭は「うーん……あーなると暫く止まらないからね園子は……憐には可哀想だけど、園子が収まるのを待つしかないわね」と諦めていた。
園子と憐が言い合いをしている最中、園子の持つ携帯の画面の文章を頑張って読む元太。
元「ん〜〜〜〜〜〜……へのご、けします……」
あまりの怪文書に、言い合いをしていた園子と憐は揃って疑問符を浮かべる。そして、己の携帯を再度見直した園子は、元太が発した怪文書の意味が分かり、声を上げた。
園「アンタねぇ、ひらがなだけ読んでどーすんのよ!!」
元「へへへ……」
貴「仕方ないでしょ〜?元太くんはまだ小学1年生なんだから……難しい漢字は読めなくて当然よ!ね〜〜?」
元「おう!」
呆れた物言いの園子を咎めるように、元太を庇うような発言をする憐。自分に寄り添ってくれた憐に、嬉しくなる元太。それを見た園子が、皆に聞かせるよう声に出して読み始めた。
園「ったく……い〜い?」
〝飛行船へのご招待、喜んでお受けします………但し、72歳のご高齢の貴方に6時間も緊張状態を強いるのは忍びなく……夕方、飛行船が大阪市上空に入ってから頂きに参ります……それまでは存分に遊覧飛行をお楽しみください……〟
怪盗キッド
園「あ〜〜♥ 憐じゃなくて、私の事を頂きに来てくれないかしら……キッド様〜〜〜〜♥」
貴(やっぱり貴方は優しいのね……キッド……)
キッドからの返信を読み終わった園子は、自分の願望を口に出して体をくねくね動かす。そんな園子の様子に呆れるも、内心キッドの気遣いに感心している憐は、少しだけ口角を上げた。
哀「前から思ってたけど……彼女、かなりユニークな性格ね……」
コ「ま、まぁな……」
阿「ところで、今回の客は儂らだけなのかな?」
園「え?あぁ……」
阿笠博士の質問に、キッドに対し黄色い声をあげていた園子は、態度を切り替えて今回飛行船に乗っている他の客について説明し始めた。
藤岡隆道(ルポライター)
水川正貴(日売テレビディレクター)
西谷かすみ(レポーター)
石本順平(カメラマン)
園子達の他に乗っていた客は、4人。この4人は、鈴木次郎吉VS怪盗キッドとの対決を独占中継する為に乗ってきたとのこと。ディレクターの水川が言うには、以前の対決、怪盗キッドが多くの観客の前で披露して見せた〝空中歩行〟の時のように、局をあげての放送を予定していた。
しかし、10年前に壊滅したテロ組織〝赤いシャム猫〟と名乗る犯人グループが、西多摩市にある国立研究所を襲撃し、致死率80%の危険な細菌、殺人バクテリアを使い、7日以内に次の行動を起こすと犯行予告を出した為、その事件にかかりきりで少人数での中継撮影となったのだ。
この対応に次郎吉は、腹を立てていた。そんな次郎吉が園子達の集まりに顔を出す。水川は愛犬ルパンと少人数のボディガードを連れてやってきた次郎吉に声をかけた。
石「それにしても犯人達はあの細菌をどうするつもりなんスかねぇ……」
西「そうそう……感染したら殆ど助からないって言うじゃない……」
二人が軽く話をした側で、同じくテレビ局の関係者、石本と西谷が、例のテロ組織〝赤いシャム猫〟と名乗る犯人グループが持ち去った殺人バクテリアについて議論を交わす。石本は殺人バクテリアについて更に情報を付け加える。
石「なんか飛沫感染でうつるらしいじゃないっスか……」
元「冷やしタンメンでうつるのか?」
光「飛沫感染です!!」
石本の言葉を間違って発言する元太に、すぐさま訂正する光彦。詳しく分かっていない元太達に、分かりやすい言葉に言い換えて哀は説明する。
哀「咳やくしゃみでうつるって事!特に子どもにはうつりやすいらしいから気をつける事ね……」
歩/光/元「「「え〜〜〜〜〜〜〜っ!?」」」
端的に伝えられた情報にただただ驚く歩美、光彦、元太。少しびくついている子ども3人に、藤岡は自身の経験を元にして、強気に言い放つ。
藤「な〜〜〜に、殺人バクテリアだかなんだか知らねーが……俺なんか、病原菌がウヨウヨしてる所を飛び回ってきたが……こうしてピンピンしてるぜ!!人間様は細菌より強ぇーんだ!!」
光「ですよねぇ……」
藤「もっとも……オメーらみてーなガキはコロッといっちまうだろーがな!!」
歩/光/元「「「え〜〜〜〜〜〜っ!?!?」」」
蘭「やめてください!子ども達を怖がらせるような事を言うのは……!!」
藤岡の言葉に更に怖がってしまう子ども達。そんな藤岡に対し、蘭は苦言を呈した。
園「そうよ!!無神経すぎるわ!!」
貴「(なんなのこの人!最低……!)
皆大丈夫よ……!危ないことが起きる前に、警察の皆さんがきっと止めてくれるから!」
蘭に続いて、園子も藤岡に対し怒りの声をあげる。憐は軽蔑した視線を送り、すぐに子ども達に向き直り、恐怖が薄まるよう明るい声で励ました。
藤「ハハハ!!平気平気!!」
次「なぁに……例え日本のどこで細菌がバラまかれようが……この飛行船に乗っていれば大丈夫じゃ!安心せい!!アーハッハッハッハ……!!」
コ(ずっと飛んだままでいるならな……)
貴(それだと私達は良くても、地上にいる快斗達が感染してしまうじゃない……そうなる前に、何とかして警察の人達には止めて欲しいな……)
次郎吉の言葉に、憐はここにはいない幼馴染達の事を心配して、表情が一瞬だけ曇るも、気持ちを切り替えて、蘭達の後に続いた。
