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蘭「怪盗1412号?」
園「そう!今若い子が結構ハマっているオジサンの泥棒よ〜!」
雨が降りしきる街の中、ショーケースのドレスを見ながら、蘭と園子はある人物の話で盛り上がっていた。
蘭「オ〜ジ〜サ〜ン……?」
園「探偵の娘なのに知らないの?」
蘭「あのねぇ…だからって事件好きじゃないわよ!
それで?その泥棒さんを、ウチのお父さんに捕まえて欲しいって訳ね…。」
園子が蘭に怪盗キッドを話題に出したのは、彼女の父、眠りの小五郎と呼ばれる名探偵毛利小五郎にある依頼を持ってきたからだ。
園「今、米花博物館で世界の名のある宝石を集めて、展覧会やってんの知ってるでしょ?そこにパパが出品してる我が家の家宝を、怪盗1412号の魔の手から守って欲しいのよ!
幸運を呼ぶ真珠【漆黒の星 】をね。」
蘭「でもウチのお父さんが、でしゃばんなくても警察の人に任せておけば……」
詳細を聞いた蘭はあることを疑問に思う。わざわざ探偵の父親に頼らなくても、警察が何とかするのではないかと園子に問いかけた。
園「警察に捕まっちゃったら、そのまま連れて行かれちゃうじゃない!蘭のお父さんが捕まえたら、直接彼の顔を拝ませてくれるかもしれないでしょ?」
蘭「顔…?」
園「だって1412号は、世界中を騒がしてる大怪盗よ!!どんな顔してるか気にならない?きっとステキなおじ様よ!」
蘭「そうかねぇ……」
私欲の塊のような理由を包み隠さずハッキリ伝える園子を見て、呆れながらも彼女らしい理由に納得する。予想として、著名な人物をあげていく園子とそれを聞きながら横断歩道を渡る蘭。
同時刻、蘭達とは反対方向に横断歩道を渡っている男女二人も同じような話をしていた。その男女二人とは蘭と園子の共通の友達である神崎憐と憐の幼馴染である黒羽快斗だ。
貴「それにしても珍しいね?快斗が博物館に興味を持つなんて……。」
快「そ、そうか〜?たまにはいいだろ……!」
歩道を渡る殆どの人間が傘をさし、視界が悪い中でも蘭はその二人が自分達とは反対方向に渡ろうとしているのが見えて、思わず自分の目を疑った。
蘭(し、新一!!)
蘭の目には、自分の友達と最近全く会えなくなった幼馴染が隣に並んで歩いているようにしか見えなかった。
貴「まぁ、いいや……で、その博物館で世界の名のある宝石を集めて、展覧会をやってるんだって。」
快「何でも世界最大の黒真珠ってのが見られるんだってよ。」
貴「それ……幸運を呼ぶ漆黒の星、ブラックスターのことじゃない?」
二人は自分の事など全く気にもとめず、楽しそうに談笑しながら反対方向に横断歩道を渡り終えていた。その背中を見ることしか出来なかった蘭は、ようやく声をあげる。
蘭「新一!!」
園「ちょっと信号赤よ!!」
今にも駆け出しそうな蘭に気づき、急いで手を掴み引き止める園子。このまま飛び出したら、危うく車に轢かれるところだった。
園「危ないじゃない!どうしたのよ、蘭!」
尋常ではない蘭の様子に、園子は訳を尋ねた。すると蘭は驚きの言葉を口にする。
蘭「でも新一が!!新一が、今そこにいたの!!」
園「えっ?」
蘭「それに、新一と一緒に歩いていた女の子……憐だった……。」
園「えっ?!?!」
何とか絞り出した声で説明した蘭に、内容が内容だけに気の利いたことが言えなかった園子。事件で忙しいと学校にも来なくなり、自宅にも全く帰っていないはずの新一が、何故憐と外で会っているのか……二人には分からなかった。
─────────────────────
コナンside
コ「えぇっ?新一兄ちゃんと、渋谷ですれ違った!?ウソだぁ……。」
蘭「ホントよホント!なのに声かけてくれないのよ!酷いと思わない?」
渋谷に出かけていた蘭が帰宅するなり、とんでもないことを口にした。渋谷で工藤新一を見かけて、尚且つすれ違ったのに、声を掛けてくれなかったという……。
(おいおい、俺は渋谷なんて行ってねーし……だいいち体だってまだ元に……。)
そんなことは有り得ないと心の中で全否定する。何故なら工藤新一は、幼児化して江戸川コナンという小学生になっているから。……つまり、俺のことだ。それなのに、蘭がすれ違ったという工藤新一とは一体誰なのか……全く検討もつかなかった。
小「フン!どうせ愛想つかされたんだよ!ほっとけよ、あんな推理バカ…。」
蘭「……そうよね、なんか憐と楽しそうに歩いていたみたいだし……。」
(何?!俺が神崎と歩いていた?!マジかよ……確かにアイツとはホームズの話で盛り上がったこともあったけど、だからって二人で出かける程の仲でもない……一体どういう事だ??)
コ「人違いだよ!人違い!気にする事ないよ!」
疑問はあるものの、とりあえずその人物は俺では無いため否定する。江戸川コナンである俺の否定では、蘭からの疑いの目は避けられなかった。
小「それよりさっきの話本当か?怪盗なんたらを俺に捕まえてくれっていうの……」
蘭「怪盗1412号よ!!」
小「なんだよ、その1412って……」
酒で酔っ払っているおっちゃんは、怪盗の名前の由来を蘭に問いかけたが、蘭自身もその番号の出処はよく分かっていないらしい。
蘭から聞いた園子の話曰く、怪盗1412号は世界を股に掛けて美術品や宝石品を荒し回る大泥棒で、業を煮やしたFBIだかCIAだかインターポールだかが、極秘に彼につけた国際犯罪者番号 が1412で、それが外部に漏れて、世間に定着したという説が有力のようだった。
(ウソくさー💧)
探偵である俺からしてみれば、泥棒などさほど興味はない。さっさと切り上げて寝るかな。
コ「僕もう寝るー……」
蘭「あ、そうそう。怪盗1412号から園子ん家に届いた変な予告状のコピー預かってるよ。」
小「変な予告状…?」
蘭「だって意味がよく分かんないんだもん…暗号みたいで……。」
暗号という言葉に、動かしていた足を止める。暗号とあらば話は別。おっちゃんが持っていた予告状のコピーを手に取る。
April fool
月が二人を分かつ時 漆黒の星の名の下に
波にいざなわれて 我は参上する
怪盗…──────
怪盗の名前は園子の父親が破ってしまったらしく分からなかったが、暗号文自体は全て読むことができた。
(おもしれー……やってやろうじゃねぇか。)
やつの暗号文によってその気になった俺は、依頼されたおっちゃんに、蘭とついて米花博物館に行くことにした。
──────────────────────
コナンside
後日米花博物館に訪れた俺達は、園子の父親と園子に歓迎され、世界最大の黒真珠漆黒の星 を見せてもらった。世界最大と言われるだけあってかなり大きく、漆黒という名に負けず真っ黒に染まった真珠だった。この時警察や俺達も、やつから送られた予告状の暗号文については解読は出来ておらず、いつ、どこで、どうやって来るのか不明だった。
しかし、徐々に暗号文が紐解けてきた俺は、やつが予告状で指定した時間、場所に着き、出迎える準備を整えて待っていた。その道中、阿笠博士に怪盗1412号についての調査をお願いしていたのだが、どうやらその調査が終わったらしく良いタイミングで博士が電話をかけてきた為、その報告を聞いていた。
博士の調べによると、怪盗1412号は最初に18年前のパリに出没したが、その10年後忽然と姿を消した。死亡説も流れたが、さらに8年後の今、再び復活し、現在は主に日本で活動しているそうだ。
博「彼を称する形容詞は数多い…
【平成のルパン】、【月下の奇術師】
じゃが、一つだけ最も人々に親しまれている通り名がある……。」
コ「通り名?」
もしかして、蘭が前に言っていた日本では別の愛称がついていると言っていた愛称なんじゃ……。
博「各国の警察を子供のように手玉にとる怪盗1412号に興味を持ったある若手小説家が、1412の番号 を洒落て、こう読んだのじゃ……K・I・Dと……。」
コ「K・I・D?」
博「そうじゃ……。」
コ「?!」
風の音ともに、布がはためいているような音が背後から聞こえた。
博「怪盗1412号……人呼んで……」
何かが後ろにいる……そう思った俺は、博士の声を聞きながら恐る恐る後ろを振り返った。
博「怪盗キッド!!」
夜の静寂を壊さぬ様に…そいつは静かに俺の眼前に降り立った。何もかも見透かした様な、不敵な笑みと共に……。
園「そう!今若い子が結構ハマっているオジサンの泥棒よ〜!」
雨が降りしきる街の中、ショーケースのドレスを見ながら、蘭と園子はある人物の話で盛り上がっていた。
蘭「オ〜ジ〜サ〜ン……?」
園「探偵の娘なのに知らないの?」
蘭「あのねぇ…だからって事件好きじゃないわよ!
それで?その泥棒さんを、ウチのお父さんに捕まえて欲しいって訳ね…。」
園子が蘭に怪盗キッドを話題に出したのは、彼女の父、眠りの小五郎と呼ばれる名探偵毛利小五郎にある依頼を持ってきたからだ。
園「今、米花博物館で世界の名のある宝石を集めて、展覧会やってんの知ってるでしょ?そこにパパが出品してる我が家の家宝を、怪盗1412号の魔の手から守って欲しいのよ!
幸運を呼ぶ真珠【
蘭「でもウチのお父さんが、でしゃばんなくても警察の人に任せておけば……」
詳細を聞いた蘭はあることを疑問に思う。わざわざ探偵の父親に頼らなくても、警察が何とかするのではないかと園子に問いかけた。
園「警察に捕まっちゃったら、そのまま連れて行かれちゃうじゃない!蘭のお父さんが捕まえたら、直接彼の顔を拝ませてくれるかもしれないでしょ?」
蘭「顔…?」
園「だって1412号は、世界中を騒がしてる大怪盗よ!!どんな顔してるか気にならない?きっとステキなおじ様よ!」
蘭「そうかねぇ……」
私欲の塊のような理由を包み隠さずハッキリ伝える園子を見て、呆れながらも彼女らしい理由に納得する。予想として、著名な人物をあげていく園子とそれを聞きながら横断歩道を渡る蘭。
同時刻、蘭達とは反対方向に横断歩道を渡っている男女二人も同じような話をしていた。その男女二人とは蘭と園子の共通の友達である神崎憐と憐の幼馴染である黒羽快斗だ。
貴「それにしても珍しいね?快斗が博物館に興味を持つなんて……。」
快「そ、そうか〜?たまにはいいだろ……!」
歩道を渡る殆どの人間が傘をさし、視界が悪い中でも蘭はその二人が自分達とは反対方向に渡ろうとしているのが見えて、思わず自分の目を疑った。
蘭(し、新一!!)
蘭の目には、自分の友達と最近全く会えなくなった幼馴染が隣に並んで歩いているようにしか見えなかった。
貴「まぁ、いいや……で、その博物館で世界の名のある宝石を集めて、展覧会をやってるんだって。」
快「何でも世界最大の黒真珠ってのが見られるんだってよ。」
貴「それ……幸運を呼ぶ漆黒の星、ブラックスターのことじゃない?」
二人は自分の事など全く気にもとめず、楽しそうに談笑しながら反対方向に横断歩道を渡り終えていた。その背中を見ることしか出来なかった蘭は、ようやく声をあげる。
蘭「新一!!」
園「ちょっと信号赤よ!!」
今にも駆け出しそうな蘭に気づき、急いで手を掴み引き止める園子。このまま飛び出したら、危うく車に轢かれるところだった。
園「危ないじゃない!どうしたのよ、蘭!」
尋常ではない蘭の様子に、園子は訳を尋ねた。すると蘭は驚きの言葉を口にする。
蘭「でも新一が!!新一が、今そこにいたの!!」
園「えっ?」
蘭「それに、新一と一緒に歩いていた女の子……憐だった……。」
園「えっ?!?!」
何とか絞り出した声で説明した蘭に、内容が内容だけに気の利いたことが言えなかった園子。事件で忙しいと学校にも来なくなり、自宅にも全く帰っていないはずの新一が、何故憐と外で会っているのか……二人には分からなかった。
─────────────────────
コナンside
コ「えぇっ?新一兄ちゃんと、渋谷ですれ違った!?ウソだぁ……。」
蘭「ホントよホント!なのに声かけてくれないのよ!酷いと思わない?」
渋谷に出かけていた蘭が帰宅するなり、とんでもないことを口にした。渋谷で工藤新一を見かけて、尚且つすれ違ったのに、声を掛けてくれなかったという……。
(おいおい、俺は渋谷なんて行ってねーし……だいいち体だってまだ元に……。)
そんなことは有り得ないと心の中で全否定する。何故なら工藤新一は、幼児化して江戸川コナンという小学生になっているから。……つまり、俺のことだ。それなのに、蘭がすれ違ったという工藤新一とは一体誰なのか……全く検討もつかなかった。
小「フン!どうせ愛想つかされたんだよ!ほっとけよ、あんな推理バカ…。」
蘭「……そうよね、なんか憐と楽しそうに歩いていたみたいだし……。」
(何?!俺が神崎と歩いていた?!マジかよ……確かにアイツとはホームズの話で盛り上がったこともあったけど、だからって二人で出かける程の仲でもない……一体どういう事だ??)
コ「人違いだよ!人違い!気にする事ないよ!」
疑問はあるものの、とりあえずその人物は俺では無いため否定する。江戸川コナンである俺の否定では、蘭からの疑いの目は避けられなかった。
小「それよりさっきの話本当か?怪盗なんたらを俺に捕まえてくれっていうの……」
蘭「怪盗1412号よ!!」
小「なんだよ、その1412って……」
酒で酔っ払っているおっちゃんは、怪盗の名前の由来を蘭に問いかけたが、蘭自身もその番号の出処はよく分かっていないらしい。
蘭から聞いた園子の話曰く、怪盗1412号は世界を股に掛けて美術品や宝石品を荒し回る大泥棒で、業を煮やしたFBIだかCIAだかインターポールだかが、極秘に彼につけた
(ウソくさー💧)
探偵である俺からしてみれば、泥棒などさほど興味はない。さっさと切り上げて寝るかな。
コ「僕もう寝るー……」
蘭「あ、そうそう。怪盗1412号から園子ん家に届いた変な予告状のコピー預かってるよ。」
小「変な予告状…?」
蘭「だって意味がよく分かんないんだもん…暗号みたいで……。」
暗号という言葉に、動かしていた足を止める。暗号とあらば話は別。おっちゃんが持っていた予告状のコピーを手に取る。
April fool
月が二人を分かつ時 漆黒の星の名の下に
波にいざなわれて 我は参上する
怪盗…──────
怪盗の名前は園子の父親が破ってしまったらしく分からなかったが、暗号文自体は全て読むことができた。
(おもしれー……やってやろうじゃねぇか。)
やつの暗号文によってその気になった俺は、依頼されたおっちゃんに、蘭とついて米花博物館に行くことにした。
──────────────────────
コナンside
後日米花博物館に訪れた俺達は、園子の父親と園子に歓迎され、世界最大の黒真珠
しかし、徐々に暗号文が紐解けてきた俺は、やつが予告状で指定した時間、場所に着き、出迎える準備を整えて待っていた。その道中、阿笠博士に怪盗1412号についての調査をお願いしていたのだが、どうやらその調査が終わったらしく良いタイミングで博士が電話をかけてきた為、その報告を聞いていた。
博士の調べによると、怪盗1412号は最初に18年前のパリに出没したが、その10年後忽然と姿を消した。死亡説も流れたが、さらに8年後の今、再び復活し、現在は主に日本で活動しているそうだ。
博「彼を称する形容詞は数多い…
【平成のルパン】、【月下の奇術師】
じゃが、一つだけ最も人々に親しまれている通り名がある……。」
コ「通り名?」
もしかして、蘭が前に言っていた日本では別の愛称がついていると言っていた愛称なんじゃ……。
博「各国の警察を子供のように手玉にとる怪盗1412号に興味を持ったある若手小説家が、1412の
コ「K・I・D?」
博「そうじゃ……。」
コ「?!」
風の音ともに、布がはためいているような音が背後から聞こえた。
博「怪盗1412号……人呼んで……」
何かが後ろにいる……そう思った俺は、博士の声を聞きながら恐る恐る後ろを振り返った。
博「怪盗キッド!!」
夜の静寂を壊さぬ様に…そいつは静かに俺の眼前に降り立った。何もかも見透かした様な、不敵な笑みと共に……。