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黒羽快斗宅
玲於side
「ただ今怪盗キッドから予告状が!!今日の23時54分、小野銀行の月の瞳を頂く……。果たして怪盗キッドは、いったいだれなのでしょう!?」
ピッ
快くん家のテレビが、家主の手によって消される。
快「8年前つーと、親父が死んだ年じゃねーか。」
玲「……随分前の怪盗が、何で今になって出てきたんだろう?」
テレビの内容に感想を述べる僕と快くん。学校から帰って来た後、快くん家で遊ぶ予定だった為、僕も家までお邪魔させて頂きました。そこで快くんがテレビを付けると、ニュースは今話題の怪盗、【怪盗キッド】の話でもちきりだ。怪盗キッドは、一時期活動を停止していたようだが、8年ぶりに復活するらしい。今回そんな怪盗の話題に、快くんはうんざりしたような顔でテレビを切る。それもそのはず……今日の授業中、快くんが青ちゃんの下着を覗き見たことをきっかけに、二人は追いかけっこをしていた。その際に、快くんは、青ちゃんから「怪盗キッドには、勝てないわ!!」と言われていた。そんな事を言われては、マジックには自信がある快くんにとっては面白くないだろう。
快「知らねーよ。青子のやつ、勝手なこと言いやがって……。俺の敵わない手品師は、世界でただ一人…………黒羽盗一、俺の親父。」
彼が唯一敵わないと考えている人……それは、実の父親である黒羽盗一さんだ。しかし、8年前に亡くなっている……マジックショーの最中に起きた不慮の事故で。
玲「……いつ見てもかっこいいね、盗一さんは。」
快くんの部屋には大きな写真が額縁に入れられて、飾られている。その写真は、マジックをしている盗一さんの写真だ。
盗一さんのショーは素晴らしくて、だれもがみんな笑い、楽しそうに見ている。小さい頃、僕達もよく盗一さんのマジックショーを見ていた。
盗『おや?もう1ぴき……いたようです……。』
『はははは……!』パチパチ
僕らの他に見ていた観客も大盛り上がり。この時も青ちゃん、僕、姉さん、快くんの順番で座って楽しそうに見ていた。
青『きゃははっ♡』
玲『はとがいっぱい〜!』
貴『すご〜い!!なんで?!さっきまで、あたまにはなにもいなかったのに!!なんでぼうしをとったらおおきなとりがいるの?!?!』
快『へっへー!あれ、オレのおやじなんだよぉ〜ん♡』
快くんは、隣に座っていた姉さんに対し、ニヤニヤしながら伝える。
貴『そんなのしってる!』
青『そうそう!』
そんなこと百も承知な姉さんは、馬鹿にされたと思い、強気に言い返す。青ちゃんも手を挙げて、姉さんに加勢していた。
玲『かいくんのおとうさんは、ほんとうにすごいね!』
快『だろ〜〜!!』
一人で責められていると可哀想だから、僕がフォローを入れると、快くんはさらに鼻を高々にして笑っていた。
盗『こらっ!レディー達をいじめちゃいかんなぁ……。』
すると、ショーを終えて僕達の様子を見ていた盗一さんが、快くんを窘めて抱き上げる。
もう二度と戻らないあの日々を……僕達は思い出し、感傷に浸るのだ。
快「……おっ。」ガゴッ!
玲「えっ……?」
盗一さんを見つめ、写真に触れていた快くんの手は、何故か写真を押し出していた。
快「おわっ!」
ドサッ!
そしてそのまま壁の中に消えていった……えっ?
玲「快くん?!」
盗一さんの写真は、パタパタ回っている。……まるで、回転扉のようだ。よく分からないけど、恐らくこの写真の先は、何処か繋がっているのかもしれない。それこそ秘密の隠し部屋のような場所に……。
玲「どうしよう……全然帰ってこないな。……よし。」
ガゴッ
しばらく待ってみたが、快くんが戻ってこないので、僕も意を決して写真を押す。
(……すみません、盗一さん、今だけ貴方の顔に手が触れることを許してください。)
自ら暗い壁の中へと進んで行った……。
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中森青子宅
青「ただいま……。」
貴「お邪魔します。……青子、疲れてるね。何かあったの?」
今日は青子とショッピングの約束をしていた為、授業を終えた後、仲の良い友達と早々に別れ、江古田高校まで行き、青子を迎えに行った。大体こういう時、快斗も玲於もいるのだけど、何やら二人は二人での用事があったらしく、先に帰って行ったらしい。だから、今日は女二人のショッピングを大いに楽しんだ。先に青子の家に帰宅し、その後うちでご飯食べる予定だけど、何だか青子の顔がいつもより疲れているような表情だった。何か学校であったんじゃないかと思い、私は荷物を置き、ベットに座った青子に尋ねてみた。
青「……憐はさ、怪盗キッドって知ってる?」
貴「怪盗キッド??誰よそれ。」
青「憐知らないの?!快斗みたいに手品を使って宝石を盗むどろぼうよ!お父さんも手に焼いてるんだから!」
疲れた表情の青子は、私に怪盗キッドについて知っているかどうか聞いてきたのだけど、心当たりのなかった私は素直に知らない反応を見せた。そうしたら、青子は驚いていたけど、簡単に教えてくれた。手品を使って宝石を盗むどろぼうね……。
貴「ふーん……銀三さんでも捕まえられないなんてね。凄い人なの?」
青「凄くないわよ!どろぼうなのよ?犯罪者なの!」
貴「ご、ごめん……。でもそのどろぼうがどうかしたの?」
銀三さんでも捕まえられないなんて、その人凄い人なのかと思って聞いたら、青子に怒られた。正論で怒られたから何も言えず素直に謝る私。でも、なんで怪盗キッドの話題?
青「快斗が今日も青子のスカートの中を覗いてきて……それで言い合いになって……イライラしちゃったから、快斗に怪盗キッドになんか勝てないって言っちゃったの。」
貴「あのバ快斗め……まだそんな幼稚な事してるんだ。そんなの怒って当然だよ!でもそっか……青子は快斗の手品大好きなのに、快斗に酷いこと言っちゃったのね。」
どう考えてもスカートの中を覗き見るバ快斗がいけないと思うけど、それでも何だか落ち込んでるような青子を見ると心配になる。いつもみたいに元気で笑ってて欲しいから。
青「それもあるけど、でも快斗に馬鹿にされてばっかだから、快斗の弱点が知りたい!もう馬鹿にされないように!」
貴「これまた急だね。(……あるにはあるけど、どうしようか。)」
そう……私は快斗の弱点?というか弱味を一つ握っている。でもそれを本人が居ないのに、言っていいものか……。というのも昔それを知った時、しっかりと本人から口止めされているから。でも、せっかく青子が見返してやろうと頑張るのなら応援したいのも事実。
(そうだ……!)
貴「じゃあ、千景さんに聞いてみれば?快斗のお母さんだし、快斗の弱点なら知ってるんじゃない?」
私が思いついた名案、それは第三者から教えてもらう。これなら私が言った訳じゃないから、快斗の約束を反故にした訳じゃないしね。うちのお母さんって手もあるけど、ここは快斗の実のお母さんである千景さんから聞いた方が確実だしね。
青「なるほど〜!ありがとう、憐!じゃあ早速聞いてみる。憐もいつも快斗と言い合いしてるし、快斗を見返したくない?二人で聞いて、快斗に一泡吹かせましょ!」
貴「……そうね。一発言わないと分からないみたいだからね、快斗は。」
恨まないでね、快斗……いつまでもやられっぱなしの私達じゃないのよ。
青子はすぐさま椅子に座り、机の上に置いてあったパソコンから千景さんに電話をかけた。快斗のお母さんの千景さんは、今日本におらず海外で生活をしている。ビデオ通話をかけると、千景さんは早速出てくれた。そして千景さんから、快斗の弱点を聞く私達……。聞いた内容は、私の思った通りの内容だった。