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快「へっへーんだ!俺の華麗なる運転捌きに着いてこられるかなぁ……?」
快斗の勝気な声が響き渡る。今、快斗と憐は憐の提案で、カートに乗ってレースを体験出来るゴーカートのようなアトラクションに乗っていた。ホラーアトラクションだったミステリーハウスと異なり、今体験しているアトラクションは小型なカートに乗り、他者と競いながらゴールを目指すもの。快斗は玲於とレースゲームを楽しむことがあるので、現実であまり乗り慣れていなくとも大体は操作が出来るのだが、普段そういったゲームをやらない不器用な憐が上手くできるはずもなく……
貴「うわぁ!上手く動かない〜っ!」
快「おいおい💧大丈夫か?」
貴「大丈夫じゃない!初心者には難しいよ〜っ」
二人は同じ場所から始め一緒にスタートしたはずなのに、大きく差が付いてしまっていた。難なくコーナーを曲がり、スイスイ進む快斗と違い、曲がろうとする度にハンドルをきりすぎて段差にぶつかっていたり、アクセルの踏み加減を間違えて思いっきり飛ばしたり、ノロノロ進んだりと波乱万丈な運転をしている憐。
カートに乗る前は、どちらが先にゴールに辿り着くか競争をしていたが、あまりにも憐のハンドル操作が下手すぎて勝負所の話ではなくなった。
こんなの勝負などしなくとも結果は見えている……。
快(コイツの不器用さを舐めてた……ここまで出来ないとは……)
快斗はカートを運転しながら苦笑した。何せ幼馴染の彼女は自分の想像を遥かに超えた不器用さだった。彼女の双子の弟は彼女と違い、容量良く物事をこなすタイプの為、快斗と一緒で恐らく初めて乗ったカートでも乗りこなす。器用と不器用の中間くらいにいるもう一人の幼馴染の彼女は、出来るもの出来ないものの差はあれど、それ故乗りこなす事が出来たかもしれない。もし一緒に来ていたら、玲於や青子となら競えたかもしれないが、ここに居るのは一番不器用な憐だった。決して要領が良い訳でもない彼女は、キャストが操作説明を行っていた時に、必死に耳を傾けて聞いていた。しかし現状結果を見ると、その行為に意味は無かったのかもしれない。
それでも彼は思う……〝彼女と居て退屈だった事はない……〟
快「お前は何もかも極端なんだよ!ゆっくりアクセル踏んでみな?少しずつ踏む力を強めてくんだ。ハンドルも急にきるんじゃなく、少しずつ回してゆっくり曲がればいいんだよ」
快斗はゆっくり走行しながら、憐に根気よく教えた。
貴「やったぁ!!出来たよ快斗〜!!」
快「おう!良かったな〜」
数分後何とか憐がコツを掴み、普通に走れる頃には、二人の間には競争という文字は無くなり、仲良くゴールを決めた。ゴール付近で案内をしていたキャストは、カートから降りてきた高校生の男女を見て微笑ましそうに笑っていた。
────────────────────────
快(そろそろだな…予告の時間まで…)
時刻は19時27分……快斗の腕時計が示している。怪盗キッドが出した予告状の時間は20時。もうすぐキッドとして動かなければ、間に合わなくなってしまう。今回は何としてでも盗まなければならない。前回盗めなかった〝天使の王冠〟を再度盗みに行くのだから……リベンジマッチである。怪盗キッドは同じ過ちを繰り返さない。
貴「この映画見たことないから楽しみ〜!」
快(抜け出すには丁度良いか……)
二人は映画を楽しめるシアターへと足を運んでいた。少しの時間拘束されるが、基本暗闇の中で映画だけを集中して見られる環境の為、簡単に抜け出すことは出来るだろう。
快「あ、俺立体映画って苦手なんだ……そ、外で待ってるよ……」
シアター内に入り、座席に座った快斗は申し訳なさそうに隣に座った憐に伝える。予定ならさっさと抜け出し、この後別行動していた玲於と合流、玲於を〝黒羽快斗〟へと変装させ入れ替わる。憐の隣には黒羽快斗に変装した〝神崎玲於〟が座り、快斗は〝怪盗キッド〟となって予告通りお宝を盗み出す。そういう筋書きだったのだが……
貴「……ごめん」
────── ガチャン
快「へっ?」
────── ジャラッジャラ
立ち上がろうとした快斗は引っ張られるように座り込む。その原因は自身の腕にかけられていた〝手錠〟だった。その手錠は鎖に繋がれていて、その先は憐の腕へと付けられている。
快「……憐?」
状況を把握出来ない快斗は困惑し、その意図を探る為に憐に声をかけた。
貴「ごめんね快斗……でも後少しなの……」
快斗の問に憐は震える声で呟く。
貴「もう少しだけじっとしてて?お願い……」
今にも泣きそうな笑顔で答える憐の表情を見て全てを察した快斗。
快(憐お前……)
貴「……大丈夫。快斗ならすぐ克服できるよ!」
痛々しい笑顔から一転して、自然に笑い前を向き始めた憐。
【たった今からキャプテンE・Tを上映致します!】
────── シューッ
シアター内にいる観客達が待ち侘びていた映画が遂に始まった。この映画の上映時間は40分。只今の時刻は午後19時半を過ぎた所……
貴(予告状の時刻は20時。青子から借りたこの手錠で私と快斗は繋がれている。……つまり私も快斗もこの映画が終わるまではここからは動けない)
本人になんの断りもなく手錠を付けた。その行為が普通から逸脱していることも分かっていた……彼が困惑する事も分かっていた。それでも尚彼女は行動を止めなかった。それは憐と青子が考えた最大の作戦……快斗を引き止める為の手段だった。
青子の父親、中森銀三は長年怪盗キッドを追いかけている警察官だ。警察なら被疑者を逮捕する為に使用する手錠を所持している。その手錠を父親から黙って借りることも娘の青子なら容易だった。万が一に備えて、青子は憐に持ってきた手錠を渡した。もし予告状の時間辺りで、快斗が憐の傍を離れるような事があれば、この手錠を使って引き留めれば良いのだと助言を残していた。
貴(これで良い。この映画が終わる頃にはきっと……いつもの快斗が隣にいるはず……そうすれば全て終わる)
ここで彼の無実が証明されれば、やっと疑わずに済むのだ。誰よりも信頼している彼のことを……。彼女は自分達の勝利を確信して、落ち着いた気持ちで上映された映画を見ることに集中した。
────────────────────────
中「予告まであと10分だ!気を引き締めて行け!」
警察官達が所狭しと集まっている。彼らは今宵狙われている〝天使の王冠〟と呼ばれるお宝を守っていた。予告状の時間に近づくにつれて、警察達の空気はピリついている。一度は失敗して逃げ帰った怪盗が、再びお宝を盗みにやってくる。今度こそ警察の威信にかけて、やってきた怪盗を捕まえる。中森の激励の言葉と共に、警察達は今か今かと怪盗の訪れを待っていた。
キ(だっせーっ!!あと34分!!それまでに事を済ませて憐の隣に!!玲於も頼れない今、俺が出来るのはそれっきゃないぜ!!)
憐と繋がれていた手錠を風船の手品で脱した快斗は、すぐにシアターを抜け出して怪盗キッドとなって、再び〝天使の王冠〟を盗むべく中世宝物殿へとやってきていた。当初の予定では、青子を眠らせた後の玲於と合流し入れ替わる予定だったが、その玲於がシアターに来なかったのだ。……正しくは来ていたが、快斗の元へとたどり着けなかったのだ。
キ(アイツらが仲直りするのは分かってたけど、流石に玲於と青子がはぐれて、探すのに時間かかってたのは予定外だったぜ)
青子と玲於は快斗達とは別行動を取っていた。玲於の予定では、早々に青子と仲直りをしてトロピカルランドを二人で満喫。その後予告状の時間に近くなったら青子を眠らせて、玲於一人で快斗の元へ行き合流予定だった。青子との仲直りまでは順調にいっていたが、まさかその後に青子とはぐれてしまった玲於。時間が迫っていることは分かっていたが、このまま彼女を放っておくことも出来ず止む無く探しに出ていった。合流出来たのは19時25分頃。その後快斗から現在地を聞き、青子を連れてシアター内に入ろうとするも、丁度映画が始まる時間となり入る前に締切られてしまった為、玲於の助けを借りず快斗一人で乗り切ることになったのだ。
キ(……あんなに謝んなくても良いってのに。まぁそれもこれも俺が憐に疑われているせいだしな)
原因は全て自分にあると考えていた快斗は予想外の状況にも柔軟に対処していく。あまり使いたくなかった手だが、憐の元に自分そっくりの風船を残し、シアターを抜け出した後、予告状の場所へと向かう。暗闇の中、観客は基本的に上映される映画に集中する為、自分から注意が逸れる最高のアトラクションなのだが、如何せん変に鋭い憐相手には気づかれる可能性もある為、あまり使いたくない方法ではあった。
残してきた憐の様子を気にしつつも、快斗は中へは難なく侵入。お宝を盗むチャンスを伺っていた。
「あと1分です!!」
「おい、警部どこいったか知らないか?」
「さ、さぁ……?」
いつの間にかいなくなっている中森警部の行方を気にする警察官達の元に、突如天井から楕円形の小物が落ちてくる。調べる間もなく、それはプシューッと音を立てて開き、白い煙が部屋の中を充満させた。
「ふぁ〜……」
「ね、眠い……」
白い煙を吸った警察官達は次々と倒れていく。天井から様子を伺っていたキッドは微笑みを浮かべて、警察官達が眠った頃を見計らって飛び降りた。自分の投げた催眠ガスが効いて警察官達はぐっすり眠っている。今がお宝を盗むチャンスだった。
キ(急げ!!あと18分!!)
憐の元へ帰る時間までも計算しながら己の意識に
キ「へ?」
中「フフフ……わっはっはぁ!!」
キ「ゲッ!!(警部?!)」
現れたのは本物の中森銀三だった。
中「かかったな怪盗キッド!今こそ貴様の正体を……暴いてやる!!」
中森は逃げようと背を向けたキッドの頭をガッと掴み、シルクハットとモノクルを宙に投げた。長年追い続けた宿敵の素顔を見て、中森は大声をあげた。
中「あ、青子ぉ〜〜〜〜っ!?!?」
シルクハット、モノクルを外した彼の顔は自身の愛娘、中森青子の顔だった。青子の顔をしたキッドは誇らしげに語り出す。
中「じゃあこの前の快斗くんも貴様が……」
中「くそぉ〜〜〜〜〜っ!!」
怪盗キッドの変装は変幻自在……あの怪盗は老若男女、どんな人間にでも変装出来る。だからいまだ奴の正体さえ掴めていないのだと中森は怪盗の厄介さを思い出した。
中「こ、このぉ〜〜〜〜〜っ!!追えっ〜〜〜〜〜!!」
完璧な青子の変装をして見せたキッドは、最後にと青子の真似をして、中森を煽った後即座に走り出す。中森はカンカンに激怒して、キッドを追跡するよう部下達に呼びかけた。警官達に追いかけられながらも、キッドの意識は既に別の事に向いていた。
キ(くそぉ〜〜〜!!時間をロスしちまった!映画が終わるまであと5分!それまでに戻らなきゃ憐に……憐に俺の正体がバレる!?)
最悪な結末を回避する為に、キッドは青子の変装を脱ぎ捨てて、憐の待つシアターへと向かうのだった。
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【貴様も最期だ、キャプテンE・T!!】
貴「っ!?!?」
貴(立体映画だものねっ……目の前にいるかのように出てくるからびっくりしちゃう。怖くてそんなに見れてないけど……)
映画終盤に差し掛かる時、憐はそんな事を考えながら見ていた。あまり得意ではないジャンル、しかも立体映像となって普通の映画よりも臨場感と不気味な宇宙人というコンセプトから、憐は目を瞑りながらも頑張って視聴していた。
……彼女は視聴している合間合間に、隣に座っている快斗を横目で確認していた。暗闇の中、映像の光を頼りに見ていただけではっきりと確認している訳では無いが、ぼんやりと彼のシルエットが見えていた。そして自分の腕には、逃げる事を許さない〝手錠〟がかけられている。それは彼も同じ……自分と彼を縛り付ける手錠が特に何か動いたり外された形跡はなかった。
その為彼女は安心していた……快斗は隣でずっと座っている。もう予告状の時間は過ぎており、目の前のスクリーンにはENDという文字が刻まれている。
貴(終わった……)
映画の終わりを最後まで見届けた憐は、40分間同じ姿勢を取っていた体をほぐそうと肩を回そうとした。その瞬間、真上からズドーンと音が鳴った。
貴「な、何?!今の……」
音の正体を探ろうと上を見上げた時、シアター内の電気が点灯する。急な光の刺激に、憐は思わず目を瞑った。しかしゆっくりと瞼を開けていく。隣を見てみると、何故かボロボロになった快斗が座っていた。
貴「快斗?!大丈夫……?」
快「あ、あぁ……」
心配して快斗に声をかけた憐。ただ座って立体映画を楽しんでいただけで何故ここまで彼は汚れているのか。これではまるで、映画を見ていたのではなく、何処かで走り回っていたのではないかと邪推してしまう程、只事ではない様子だった。しかし、すぐにその考えを自ら否定する。
貴(今もこうして手錠は繋がれている……それなら快斗は動けなかった。それが答えよ……)
貴「……ふふっ!何でそんなボロボロなのよ!おっかしい〜っ」
憐は少し大きな声で笑い始めた。彼女の目尻の端がキラリと光っているのを快斗は見逃さなかった。
貴「ごめんね快斗、窮屈だったでしょ?でももう終わったから……」
快斗が答える前に、憐は自ら目元を拭い繋がっていた手錠を外した。
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貴「もうすっかり夜ね〜」
快「そうだな……」
貴「そろそろ青子達と合流しなきゃね」
映画を楽しんだ憐達はシアターの外に出る。外は真っ暗で、夜空にはほのかに星が光っていた。憐の言葉に快斗が玲於に電話をかけようとした時、憐が何かに気づいたように声をあげる。
貴「あっ、銀三さんだ」
快「え?」
憐が見ている先は大きなTVがあった。そこにはアナウンサーからインタビューを受けている中森の姿があった。中森はキッドに逃げられた事を悔しがっており、「見てるか!?怪盗キッド!!この次は必ず貴様を逮捕してやる!!」と今度は絶対捕まえると強気なコメントをしていた。
快「なんだTVか……(懲りねぇな警部も……)」
快斗が中森に苦笑していると、徐に憐が呟く。
貴「良かった……快斗はやっぱり快斗ね……」
快「へ?」
貴「ううん、何でもない……そうだ!ちょっと待ってて!!」
意味深な言葉を吐き出した憐は思いついたように走り出す。だが快斗には憐が呟いた言葉の本当の意味が分かっていた。
貴「お待たせ〜!快斗の好きなアイスクリームだよ。はい、あげる!」
快「……急にどうしたんだよ。お前が俺に何かくれるなんて……」
貴「はぁ〜?!何でそんな言い方するのよ!!そりゃあ快斗の方が多いけど、私だって快斗にお菓子とか色々あげてるでしょ!!」
憐が突然離れた理由は、快斗にアイスクリームを渡す為だった。甘い物が好きな彼にとってアイスクリームは好物、それを分かっていたから憐は快斗の分も買ってきたのに、その快斗に茶化された為、思わず反論してしまった憐。しかし、すぐに彼女はしおらしくなり、ポツポツと話し始める。
貴「……これは私からのお礼よ。だって今日、快斗は元々予定あったのに私に付き合ってくれたじゃない……苦手だった立体映画だって我慢してくれたし、それに私……突然アンタに手錠かけたのに、文句言わずにずっとかけられたままでいてくれたでしょ?」
快「そ、そうだな〜……(本当はかけられてないけど……)」
貴「……ごめんね快斗。でも私、凄く嬉しかったっ!!快斗が来てくれたことも、私に付き合ってくれたことも……」
快「!!」
貴「意味分からないと思うけど、快斗のお陰で快斗は快斗なんだって分かったの……私はそれが本当に嬉しかったのっ!!」
快(憐……)
アイスクリームを持ちながら、屈託の無い笑みを浮かべている憐に、快斗は名状しがたい気持ちが込み上がってくるのを感じた。彼女は怪盗キッドの正体が、黒羽快斗だと疑っていた。それに間違いはない……だが、同時に黒羽快斗の無実も信じていた。だから憐は上映終了後に隣に座っていた快斗を見て、安心して涙を零して笑っていたのだ……その事を彼はよく理解している。
彼女は一日を通して楽しい時間を過ごせただろう……でもその反面散々不安な思いを抱えさせてしまったのも事実……
貴「だからお礼を言わせて……ありがとう快斗!」
憐は再度お礼を伝えて、快斗にアイスクリームを差し出した。彼の好物である色とりどりのアイスクリームを一瞥するも、快斗は受け取らずに噴水の方まで歩いていく。
快「……ケッ!憐の癖に余計な気なんか遣いやがって……らしくねぇことすんなよな!」
彼女の気持ちを理解した上で冷たい態度を取った快斗。分かったような態度で返せばせっかく自分の無実を信じている憐に余計な不安を与えるだけだった。それにいくら自分のせいとはいえ、長年一緒にいる幼馴染の自分に気を遣うなんて事、憐にはしてほしくなかった。
貴「……あ〜そうですか!悪かったわねらしくなくて!もういいわよ私が食べるから!全く冷たいんだから……アイスクリームみたい……」
快斗の態度に温厚に対応していた憐が、不貞腐れた様子でアイスクリームを食べ始めた。アイスの冷たさと彼の冷たい態度を重ねていると、突然片方のアイスクリームが自分の手元から消えてしまった。いつの間にかそのアイスクリームは快斗が持っていた。
快「でもアイスクリームは……甘いんだぜ」
快斗はアイスクリームを舐めた後、憐に笑いかけた。先程の冷たい態度とはうって変わって嬉しそうな快斗の表情に、その真意が分からなかったが、笑っている様子が嬉しくて憐は自分の不機嫌な態度を改めて笑みを浮かべた。
その後別れていた玲於と青子が憐達と合流し、互いの戦果を確認する。
貴「快斗は快斗だった……キッドじゃなかったよ!青子の方はどうだった?……良かったね!」
快「とりあえず何とかなったぜ……お前の方はどうだった?……良かったな」
快斗は憐を見事騙しきった。憐は快斗にかけられていたキッド疑惑を晴らすことが出来た。二人の結果を聞き、関係も修復できた玲於と青子。それぞれの目的は無事達成されて、4人全員疲労は見えていても晴れ晴れしい顔つきとなって帰路に着いた。
────── 別side
大人も子供も楽しめるトロピカルランド。数多くの人で賑わう遊園地にやってきたていたのは憐達だけではなかった。
歩「ねぇ見てあそこ!憐お姉さんだ〜!」
光「僕らと一緒でトロピカルランドに来ていたんですね!あっ!アイスクリームを2つ持ってます……!」
元「一人で全部食うんじゃねぇか?」
遊園地に行きたいと声を上げた歩美の提案でトロピカルランドにやってきた少年探偵団達。阿笠博士に連れられて、一日中トロピカルランドを満喫していた。偶然通りかかった噴水の場所で、歩美がアイスクリームを露店で買っていた憐を目撃した。憐達に見つからないようしゃがんで反対側の噴水まで移動した歩美含め少年探偵団の中の光彦、元太の3人は憐が誰にアイスクリームを買っているのか、話し合っていた。
光「何言ってるんですか〜!元太くんじゃあるまいし……」
歩「そうよ!きっと憐お姉さん、誰かと一緒に来ているのよ っ!」
元「誰かって誰だ……?」
光「それは勿論お友達の方とかでしょう?蘭お姉さんや園子お姉さんとかじゃ……ない!?あの男の人じゃないですか?!憐お姉さんからアイスを差し出されてる人……!」
歩「本当だ!!って事はあの人が……憐お姉さんの恋人さん?!」
阿「こら君たち勝手に離れようとするんじゃない。もう夜も遅いからワシらは帰るんじゃぞ」
歩/光/元「「「え〜っ」」」
2人分のアイスクリームを購入していた事から、誰かとこのトロピカルランドに訪れていると推理した3人に対して、ここまで連れてきた保護者役の阿笠が立ち止まらないよう伝えた。憐に気遣ってわざと小声で叱っていたのだ。
哀「あの子には白い
コ「はぁ?!俺をあのキザ野郎と一緒にすんなよ……」
阿笠の後方で腕を組んでいた哀とコナンは同じく小声で話し合っていた。哀の物言いに不服の態度を示すコナン。彼は怪盗と一色択にされるのに抵抗があり、抗議の意を示すと哀は首を横に振る。
哀「あら私はあっちの彼と比べたつもりだったのだけど……」
コ「……(奴がここに居るってことは、キッドの仕事があったのか?トロピカルランドで?……いやそんな訳ねぇか……)
……あんなハズイ事を言う奴と似てる訳ねぇだろ」
哀「??ハズイ事って……」
コ「ほらお前ら帰るぞ」
コナンは疑問を浮かべた哀を置いて歩美達に声をかけて歩き出した。歩美達はそれぞれ残念ながらもコナン達を追いかける。最後まで哀はコナンが最後に発した言葉の意味を理解することはなかったが、彼に置いてかれぬよう阿笠にも帰るよう声をかけて歩き出した。
彼らのいた場所の反対側では、憐と快斗が楽しそうにアイスクリームを食べている。コナンだけは分かってしまった……快斗が発した言葉の真意を。
コ(キッド用じゃなく素でもあんなハズイ事言うのかよアイツ……いや、神崎相手だからか。……絶対似てねぇよ)
……自分はあの男と似ていないと改めて結論付けたコナンは、今の自分の同級生達を連れてゲートの方へと歩いていった……。
