𝑀𝑒𝑟𝑟𝑦 𝐶ℎ𝑟𝑖𝑠𝑡𝑚𝑎𝑠
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憂太のプレゼント選びをしたり、悠仁の映画に付き合い、夕食を外で済ませたりなどしていたら気づけば日は落ちて、辺りは真っ暗になっていた。
虎「思ったより遅くなっちまったな……大丈夫か憐?先輩ってもういんの?」
歩いて帰宅した私達。予想よりも時間はかかったせいか悠仁は心配してくれていたけど。
貴「大丈夫!憂太には、今日は悠仁連れてショッピングしてくるから遅くなるって伝えてあるの。多分自分の部屋にいるから、この後プレゼントを私の部屋に置いて、顔だけ出す予定。」
ちゃんと憂太には今日の予定を伝えてあるから大丈夫なのだ。彼も「虎杖くんなら安心かな。」って言って送り出してくれたし、予定した任務を終えて帰宅したことをスマホのメッセージで送ってくれたので、きっと部屋にいるんだろう。
虎(だから先輩、俺に「憐の事をよろしくね」ってメッセージくれたのか。)
虎「じゃあ憐の部屋行ってから先輩の部屋まで行くか……先輩に憐を引き渡さないとだし。」
貴「?私一人でもいけるから大丈夫だよ?悠仁は早く休んだら?」
私は、貴重な休みを私の用事の為に使ってくれた悠仁を労って早く部屋に戻るよう促した。
虎「俺は大丈夫!憐が映画に付き合ってくれて楽しかったから気にすんなよ!ほら、行こうぜ。」
悠仁は私の言葉を気にせず、スタスタと歩き始めた。
悩んだけど、本人がそう言うならと置いてかれないように私も自分の足を動かし始めた。
まず私の部屋に行きプレゼントを部屋に置く……というか隠す。私の部屋に憂太が来ることも少なくないので、念の為に見えないところに隠す。タンスの引き出しの中なら流石の憂太も見ないと思うから、ここでいいかな。隠した後、悠仁と一緒に憂太への部屋へと赴く。
コンコン
悠仁が憂太の部屋の扉をノックする。すると間もなくして部屋の主が姿を見せる。
ガチャッ
乙「憐、虎杖くん、おかえり。」
部屋着を着てリラックスしていた憂太が、扉を開けて私達の来訪を出迎えてくれた。
乙「ショッピングは楽しめた?」
貴「久々だったから色々買っちゃった!そのぶん疲れたけど、楽しかったよ〜!憂太は?怪我してない?ちゃんとご飯食べた?」
乙「大丈夫だよ、どこも怪我してない。夕食も狗巻くん達と食べてきたから安心して。」
貴「良かった〜。」
虎(……やっぱり仲良いな。)
悠仁の前でも私達のやり取りは変わらない。これがいつも通りの私達。
貴「とりあえず、顔見せに来ただけだから!じゃ、私も帰るね。悠仁もありがとう!おやすみ〜」
顔を見せに行くという用事も済んだので、私は悠仁と憂太と別れ、部屋に帰ろうと体の向きを変え、足を踏み出そうとした。しかし、すんでのところで憂太に手を捕まれ、体の向きを戻された。
乙「ちょっと待って、憐。まだ行かないで。虎杖くんも……二人にお土産買ってきてあるんだ。」
今日も今日とて任務だった憂太は、少し離れた場所の任務とあってかそこの名産品をお土産として、私達二人に買ってきてくれていた。
虎「サンキュー、先輩!」
乙「どういたしまして。ただ、憐の分は冷蔵庫にあるんだ。悪いけど、憐は部屋に上がって先食べて欲しい。……とっても美味しいと思うから、今君に食べて欲しいんだ。」
憂太はそう言って扉を深く開き、自身の部屋の奥を指さした。……別にいいけど、なんで私の分だけ?でも悠仁がいるのに、私だけ先に食べるのも……なんかな。
貴「でも悠仁がいるのに……」
虎「俺のことはいいって!先輩の土産なら間違いないでしょ。早く食べてこいよ〜。」
乙「大丈夫だよ、僕が話すから。それに僕はまだ憐と居たいから、食べ終わっても僕の部屋に居て欲しいな。」
悠仁だけでなく、憂太にまで言われると大丈夫かなと思えてしまう。そんなに二人が言うならと……私は身を引いた。
貴「分かった……じゃあ食べて待ってるからね憂太。
悠仁も今日はありがとう!おやすみ〜。」
私は憂太の部屋に上がり、少し軽快に歩きながら憂太の部屋の中へと進んで行った。
そして、私が冷蔵庫にたどり着いた頃、この部屋の扉を閉める音がした。
────────────────────────
憐が部屋の奥に消えた後、乙骨は扉を閉めた。
息を吐き、改めて虎杖と向き合った。
乙「虎杖くん、今日は憐のショッピングに付き合ってくれてありがとう。」
虎「別にいいよ。憐からの頼みだったし、先輩だって本当は自分が着いていきたかったのに、任務があるから俺に憐を頼んだんだろ?……憐の事心配だった?」
乙「君が傍にいてくれたからそれほど心配はしていなかったけど、でもそうだね……これは僕の性分なのかな……憐が、そばにいないと落ち着かなくてね……少しだけ心配だったかな。」
憐や虎杖を信頼していないわけじゃない……ただ彼女が、自分の傍にいないと気になってしまうのは事実。これが憐一人での行動であれば、乙骨の憂いは大きかっただろうが、今回は信頼出来る後輩、虎杖悠仁との行動とあってか、実はそこまで心配をしていなかった彼は、その事を虎杖に伝えた。
乙「虎杖くんは大丈夫だった?」
虎「何が?」
乙「……憐、方向音痴だからその……迷って時間かかったりしなかったかなって思って。」
虎「あー……うん。1回別々に行動して、再度合流する時があったんだけど、憐となかなか会えなくて大変だった……!アイツ、知らない土地で迷子になったら終わりだなって思ったよ。」
乙「あははー……やっぱりね💧」
虎杖は今日の出来事で、何故乙骨が憐の心配をしたのか少し分かった気がした。それは本来の買い物を済ませた時の事、ショッピングに付き合ったお礼に映画を見る予定だった。その時間まで余裕があったので、お互い購入したい物の為、一時的に別行動に……その後映画館の前で待ち合わせしたが、待てども待てども彼女は来ない。虎杖が仕方なく連絡してみると、彼女の第一声が「ここはどこ?どう行ったら映画館にたどり着けるかな?」だったのだ。電話で指示を出してもたどり着かず、結局虎杖が自ら迎えに行ったのだった。迷子話を聞いて苦笑いしか出てこない乙骨……何せ自分と出かけた時も憐が迷子になり、大変だった事を思い出していた。
乙「本当にお疲れ様、虎杖くん、ほら、これ……君の分のお土産だよ。多かったら伏黒くん達にも分けてもらっていいからね。」
そう言って差し出されたのは、全国的にも有名なお菓子のパイの箱だった。
虎「うわぁ〜めっちゃ美味そう!ありがとう、乙骨先輩!」
虎杖は嬉しそうに両手で受け取った。一人で食べ切れる量だが、せっかくの先輩のご厚意だ、伏黒達にもわけてやろうと考えていた。
虎「憐も先輩の所に送り届けたし、俺、そろそろ帰るよ。」
元々帰宅時間が遅かったこともあり、憐を乙骨の元に送り届けたらすぐ帰る予定だった虎杖。土産に貰った菓子を片手に、彼に軽い挨拶をし、自身の部屋に戻ろうと踵を返した。しかし、彼は憐の時と同じように虎杖の腕も掴み、虎杖の行く手を阻んだ。その行動に疑問符を浮かべていると、彼は徐に口を開く。
乙「もうひとつ、聞きたいことがあるんだ……。虎杖くん……憐って誰かに声をかけられたりしてた?」
乙骨の思いもよらない質問に驚きながらも、虎杖は今日の出来事をゆっくり思い出しながら答える。
虎「へっ?……う〜ん、俺が見る限りそんなやついなかったな。本人もそんなこと言ってなかったし……。」
憐の旧友や知り合いが話しかけてきたとかならともかく、憐に声をかけてきた人物は自分で見た限りでは誰も居なかったので、素直にいなかったと発言する。
虎「でもなんでそんな事聞くんだ?」
もしかして自分が知らないだけで、何かしら憐は大変なことに巻き込まれているのではないか?!と考えた虎杖であったが……。
乙「そっか……いや、ただ僕が傍にいないのに、彼女に変な虫が寄ってきたらどうしようかなって考えてただけだよ。」
彼の瞳の中からハイライトが消える。心做しか先程の雰囲気よりも暗く感じるのは気のせいだろうか。辺りが静まり返り、冷たい夜風の音が鮮明に聞こえてくる。
乙「でもそっか……それなら大丈夫だね。うん、ありがとう虎杖くん!良かったらまた憐と出かけてあげてね?それじゃあ、おやすみなさい。」
虎「あ、あぁ……。おやすみ、先輩。」
変な虫とは何かとか、もしその変な虫とやらが憐に近づいた場合どうなるのかと疑問に思った虎杖だが、触らぬ神に祟りなしという言葉をふと思い出し、彼が発した言葉に特に触れることなく、その場を立ち去るのだった。
虎「思ったより遅くなっちまったな……大丈夫か憐?先輩ってもういんの?」
歩いて帰宅した私達。予想よりも時間はかかったせいか悠仁は心配してくれていたけど。
貴「大丈夫!憂太には、今日は悠仁連れてショッピングしてくるから遅くなるって伝えてあるの。多分自分の部屋にいるから、この後プレゼントを私の部屋に置いて、顔だけ出す予定。」
ちゃんと憂太には今日の予定を伝えてあるから大丈夫なのだ。彼も「虎杖くんなら安心かな。」って言って送り出してくれたし、予定した任務を終えて帰宅したことをスマホのメッセージで送ってくれたので、きっと部屋にいるんだろう。
虎(だから先輩、俺に「憐の事をよろしくね」ってメッセージくれたのか。)
虎「じゃあ憐の部屋行ってから先輩の部屋まで行くか……先輩に憐を引き渡さないとだし。」
貴「?私一人でもいけるから大丈夫だよ?悠仁は早く休んだら?」
私は、貴重な休みを私の用事の為に使ってくれた悠仁を労って早く部屋に戻るよう促した。
虎「俺は大丈夫!憐が映画に付き合ってくれて楽しかったから気にすんなよ!ほら、行こうぜ。」
悠仁は私の言葉を気にせず、スタスタと歩き始めた。
悩んだけど、本人がそう言うならと置いてかれないように私も自分の足を動かし始めた。
まず私の部屋に行きプレゼントを部屋に置く……というか隠す。私の部屋に憂太が来ることも少なくないので、念の為に見えないところに隠す。タンスの引き出しの中なら流石の憂太も見ないと思うから、ここでいいかな。隠した後、悠仁と一緒に憂太への部屋へと赴く。
コンコン
悠仁が憂太の部屋の扉をノックする。すると間もなくして部屋の主が姿を見せる。
ガチャッ
乙「憐、虎杖くん、おかえり。」
部屋着を着てリラックスしていた憂太が、扉を開けて私達の来訪を出迎えてくれた。
乙「ショッピングは楽しめた?」
貴「久々だったから色々買っちゃった!そのぶん疲れたけど、楽しかったよ〜!憂太は?怪我してない?ちゃんとご飯食べた?」
乙「大丈夫だよ、どこも怪我してない。夕食も狗巻くん達と食べてきたから安心して。」
貴「良かった〜。」
虎(……やっぱり仲良いな。)
悠仁の前でも私達のやり取りは変わらない。これがいつも通りの私達。
貴「とりあえず、顔見せに来ただけだから!じゃ、私も帰るね。悠仁もありがとう!おやすみ〜」
顔を見せに行くという用事も済んだので、私は悠仁と憂太と別れ、部屋に帰ろうと体の向きを変え、足を踏み出そうとした。しかし、すんでのところで憂太に手を捕まれ、体の向きを戻された。
乙「ちょっと待って、憐。まだ行かないで。虎杖くんも……二人にお土産買ってきてあるんだ。」
今日も今日とて任務だった憂太は、少し離れた場所の任務とあってかそこの名産品をお土産として、私達二人に買ってきてくれていた。
虎「サンキュー、先輩!」
乙「どういたしまして。ただ、憐の分は冷蔵庫にあるんだ。悪いけど、憐は部屋に上がって先食べて欲しい。……とっても美味しいと思うから、今君に食べて欲しいんだ。」
憂太はそう言って扉を深く開き、自身の部屋の奥を指さした。……別にいいけど、なんで私の分だけ?でも悠仁がいるのに、私だけ先に食べるのも……なんかな。
貴「でも悠仁がいるのに……」
虎「俺のことはいいって!先輩の土産なら間違いないでしょ。早く食べてこいよ〜。」
乙「大丈夫だよ、僕が話すから。それに僕はまだ憐と居たいから、食べ終わっても僕の部屋に居て欲しいな。」
悠仁だけでなく、憂太にまで言われると大丈夫かなと思えてしまう。そんなに二人が言うならと……私は身を引いた。
貴「分かった……じゃあ食べて待ってるからね憂太。
悠仁も今日はありがとう!おやすみ〜。」
私は憂太の部屋に上がり、少し軽快に歩きながら憂太の部屋の中へと進んで行った。
そして、私が冷蔵庫にたどり着いた頃、この部屋の扉を閉める音がした。
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憐が部屋の奥に消えた後、乙骨は扉を閉めた。
息を吐き、改めて虎杖と向き合った。
乙「虎杖くん、今日は憐のショッピングに付き合ってくれてありがとう。」
虎「別にいいよ。憐からの頼みだったし、先輩だって本当は自分が着いていきたかったのに、任務があるから俺に憐を頼んだんだろ?……憐の事心配だった?」
乙「君が傍にいてくれたからそれほど心配はしていなかったけど、でもそうだね……これは僕の性分なのかな……憐が、そばにいないと落ち着かなくてね……少しだけ心配だったかな。」
憐や虎杖を信頼していないわけじゃない……ただ彼女が、自分の傍にいないと気になってしまうのは事実。これが憐一人での行動であれば、乙骨の憂いは大きかっただろうが、今回は信頼出来る後輩、虎杖悠仁との行動とあってか、実はそこまで心配をしていなかった彼は、その事を虎杖に伝えた。
乙「虎杖くんは大丈夫だった?」
虎「何が?」
乙「……憐、方向音痴だからその……迷って時間かかったりしなかったかなって思って。」
虎「あー……うん。1回別々に行動して、再度合流する時があったんだけど、憐となかなか会えなくて大変だった……!アイツ、知らない土地で迷子になったら終わりだなって思ったよ。」
乙「あははー……やっぱりね💧」
虎杖は今日の出来事で、何故乙骨が憐の心配をしたのか少し分かった気がした。それは本来の買い物を済ませた時の事、ショッピングに付き合ったお礼に映画を見る予定だった。その時間まで余裕があったので、お互い購入したい物の為、一時的に別行動に……その後映画館の前で待ち合わせしたが、待てども待てども彼女は来ない。虎杖が仕方なく連絡してみると、彼女の第一声が「ここはどこ?どう行ったら映画館にたどり着けるかな?」だったのだ。電話で指示を出してもたどり着かず、結局虎杖が自ら迎えに行ったのだった。迷子話を聞いて苦笑いしか出てこない乙骨……何せ自分と出かけた時も憐が迷子になり、大変だった事を思い出していた。
乙「本当にお疲れ様、虎杖くん、ほら、これ……君の分のお土産だよ。多かったら伏黒くん達にも分けてもらっていいからね。」
そう言って差し出されたのは、全国的にも有名なお菓子のパイの箱だった。
虎「うわぁ〜めっちゃ美味そう!ありがとう、乙骨先輩!」
虎杖は嬉しそうに両手で受け取った。一人で食べ切れる量だが、せっかくの先輩のご厚意だ、伏黒達にもわけてやろうと考えていた。
虎「憐も先輩の所に送り届けたし、俺、そろそろ帰るよ。」
元々帰宅時間が遅かったこともあり、憐を乙骨の元に送り届けたらすぐ帰る予定だった虎杖。土産に貰った菓子を片手に、彼に軽い挨拶をし、自身の部屋に戻ろうと踵を返した。しかし、彼は憐の時と同じように虎杖の腕も掴み、虎杖の行く手を阻んだ。その行動に疑問符を浮かべていると、彼は徐に口を開く。
乙「もうひとつ、聞きたいことがあるんだ……。虎杖くん……憐って誰かに声をかけられたりしてた?」
乙骨の思いもよらない質問に驚きながらも、虎杖は今日の出来事をゆっくり思い出しながら答える。
虎「へっ?……う〜ん、俺が見る限りそんなやついなかったな。本人もそんなこと言ってなかったし……。」
憐の旧友や知り合いが話しかけてきたとかならともかく、憐に声をかけてきた人物は自分で見た限りでは誰も居なかったので、素直にいなかったと発言する。
虎「でもなんでそんな事聞くんだ?」
もしかして自分が知らないだけで、何かしら憐は大変なことに巻き込まれているのではないか?!と考えた虎杖であったが……。
乙「そっか……いや、ただ僕が傍にいないのに、彼女に変な虫が寄ってきたらどうしようかなって考えてただけだよ。」
彼の瞳の中からハイライトが消える。心做しか先程の雰囲気よりも暗く感じるのは気のせいだろうか。辺りが静まり返り、冷たい夜風の音が鮮明に聞こえてくる。
乙「でもそっか……それなら大丈夫だね。うん、ありがとう虎杖くん!良かったらまた憐と出かけてあげてね?それじゃあ、おやすみなさい。」
虎「あ、あぁ……。おやすみ、先輩。」
変な虫とは何かとか、もしその変な虫とやらが憐に近づいた場合どうなるのかと疑問に思った虎杖だが、触らぬ神に祟りなしという言葉をふと思い出し、彼が発した言葉に特に触れることなく、その場を立ち去るのだった。