未来からの訪問者 Part2
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
〜謎の少年、ひなたの証言を受けた各々の反応〜
〜虎杖悠仁の場合〜
「悪いヤツじゃなさそうだし……信じても大丈夫じゃない?」
彼の話していることが、ほんとかどうかはさておき、鏡から人が現れるなんてどんな仕組みだ?おもろい。それで悪いヤツではなさそうと思っている。その理由の一つに、何故だか分からないけど、他人の気がしないと思っていることが当てはまる。
〜伏黒恵の場合〜
「とりあえず……縛って様子を見た方がいいと思います。」
どういう理屈かわからないが、怪しいヤツには変わりないので、縛っておきたい。力ずくで聞き出すことも厭わない。
〜釘崎野薔薇の場合〜
「イモ臭い男が来たわね。」
少しモヤシな男が来てガッカリ。何で自分の周りの男はこんなのばっかりなのか。
〜五条悟の場合〜
「見た所、そこそこ強いみたいだけど……まぁでも、僕が居るし何とかなるでしょ。」
自身の六眼で見るとそこそこ呪力はあるものの……やはりそこは学生。自分が居れば問題ないと思っている。ただその制服は高専の物ではないか?そして何処と無く、一部の生徒に似ている部分があるがそれは何故なのか……考えながら様子を伺っている。
〜神崎憐の場合〜
貴「ひなたくんね……。(気になる事は多々有るけど、なんだろ……何処かで会ったことあるような……。それに…………なんか、憂太に似てると思うのは気のせい?)」
半信半疑状態だったが、母親に間違えられ余計疑いたいという思いが強くなる。その反面、初対面のような気がしないのと、自身の最愛に似ていると思ってしまうのは果たして偶然なのか……この中で一番戸惑いが大きい。
〜乙骨憂太の場合〜
「僕は皆の意見に従います。(??……会えて嬉しいと思うのは何でだろう??それに……雰囲気が何処と無く憐に似ている気がするのは何故……??)」
実は一番考えてないように見えて考えている人。自分の抱く彼への感情は何なのか……そして何故だか自身の最愛を思い浮かべるのは何故なのか……その答えはまだ分からないけど、虎杖と同じく他人の気がしないと思っている。
〜数十分後〜
虎「みんなで色々話し合ったんだけど……」
伏「……はっきり言って素性が怪しいヤツに変わりは無い。」
野「信じて欲しいなら、未来から来た呪術師である事、敵では無い事を証明してみなさい。」
貴「それで、もし私達が納得出来れば……」
乙「君の事を信用する。」
五「という我々の判断になりました……いや〜ごめんね!そういうことだから、僕達に証明してみせてくれ。」
ひ「……えっ?!?!?!」
虎杖達は、ひなたの証言を受け円のように丸くなって小声で話し合い始めた。あの発言だけでは信用出来ないというものが過半数いた為、だったら彼に証明させて、そこから判断しようという結果になった。未来からやってきた高専の呪術師……ひなたという少年は、虎杖達の総意によって、己の身の潔白を証明せざるを得なくなったのだ。
ひ(やっぱりあれだけじゃ信用して貰えないか……仕方ない。本当は言いたくなかったけど、言うしかないか。大丈夫、【この俺】が未来に帰るまで、過去の父さん達はこの出来事の記憶は曖昧になっていて、未来の父さん達まで影響は差程ないはず。俺が過去に一度遡っていた時も、あまり覚えていなかったって言っていたしな。それに……何があってもお互い離れないって言っていた。過去の父さんと母さんもそれは変わらないと思うから……父さん達を信じよう。 )
ひ「……分かりました、できる限りやってみます。改めまして、東京都立呪術高等専門学校に通っている1年の乙骨陽太です。一応呪術師をやっています。」
虎「えっ!?」
伏/野/五「「「!?」」」
乙「……乙骨?」
貴「憂太と同じ……。」
陽太から話される真実……それは虎杖達の想像を遥かに超える内容だった。
陽「同じ苗字なのは理由があります。俺の父親は、特級呪術師の乙骨憂太……つまり、未来の貴方です……乙骨憂太さん。」
陽太は乙骨の顔をじっと見つめた。
虎/伏/野/五「「「「……。」」」」
他の4人は思わず乙骨の方に顔を向けた。
乙「未来の僕が父親……?」
貴「……。」
陽太は驚いている虎杖達を横目に、今度は憐の方へと向き直る。
陽「そして俺の母親は、乙骨憐……なお旧姓は神崎です。ここまで言えばもう分かりますよね?未来の貴女が俺の母親なんです……神崎憐さん。」
貴「!!」
虎「えっ?えっ?これマジ?!」
憐は絶句し、目を見開いていた。虎杖だけが言葉を発し、憐と乙骨の顔を双方に見ながら呟いた。
野「……本気で言ってるのよね?」
陽「……本気です。一番確実なのはDNA鑑定だと思いますけど、時間かかるからな〜あれ。他に何か証明出来るものあったかな〜?」
陽太は、訝しめな視線を受けながら、自分の制服をまさぐる。しばらく探っていると、ふと何かを思い出し、自身の首にかかっているチェーンを取り外した。
陽「これ、ロケットなんですけど中に両親と小さい頃の俺の写真が入ってるので……。」ドウゾドウゾ……
首にかかっていたのは、少し大きめのロケットペンダント。陽太はご丁寧にロケットの中身を開いて見せた。中に入っていたのは、端正な顔立ちの男とあどけなさが残っている顔つきの女が、幼い少年を抱いて笑顔で撮られている写真だった。実際に会ったことはないはずだが……──────。
虎「うわ〜〜二人とも似てる!!」
野「ていうか今とそう変わらないじゃない。」
伏(この写真の男女……ほんとに乙骨先輩と神崎先輩なのか?)
貴「私達にそっくり……。それにこの男の子……知っている気がする。」
陽「?!……(まさか、母さん……俺の事覚えてるのか?)」
貴「この子……何処かで……会ったような気がする。いつ、何処でかは分からないけど……。それに君の事も……悪い人だとは思えないの。初めて会ったはずなのに……信じたいって気持ちが大きい……。私は貴方を信じるよ、陽太くん。」
陽「……なんか俺が言うのもなんですけど、そんな簡単に信用していいんですか。」
貴「……本当は駄目なんだろうけど、仕方ないじゃない……信じたいって思ってしまったから。それに貴方だってそれをわざわざ言うなんてね……尚更信じたくなっちゃったよ。」
憐は、一度目を伏せた後、ゆっくり開けて、陽太をまっすぐ見つめながら説明した。彼を信用するにはあのロケットだけでは正直無謀なのではと思うのだが、自分の心が言う……この子を信じたいのだと。愛しい憂太にどこか似ている彼を……既視感を感じる彼を……憐は特に根拠もないのに信じたいと思った。それに対し陽太は、過去の母は自分の知っている頃の母と容姿だけじゃなく中身も、そんなに変わらないのだなと思った反面、いくら何でもこんな怪しい自分をそんな簡単に信用する憐に少し危機感を抱いた。
陽(……優しいのは母さんの良いところだけど、これだと心配だな。父さんがよく心配している気持ちが分かる気がする。)
乙「……分かったよ。憐がそこまで言うのなら僕も陽太くんを信じる。」
陽「!!」
乙「それに、僕も憐と同じような事を思っていたから。」
陽「……。」
乙「初めて会った気がしない。それに……君は憐に似ているね。」
陽「!!(……よく似てるって言われるのは父さんの方だけど、父さんはいつも母さんに似てるって言ってくれてたな。)」
貴「??私じゃなくて憂太じゃない??髪の毛は少し長いけど、顔のパーツが憂太だと思うけど……。」
乙「そうかな?」
憐と乙骨の話が盛り上がりそうな時、今まで黙って見ていた4人が話し始める。
虎「分かった!!憐も乙骨先輩もそう言うんなら、俺も信じる!何だか他人って感じがしないしな。」
伏「こっちには五条先生がいるからな。この人がいれば何とかなる。」
野「それもそうね。」
五「恵と野薔薇の投げやりな発言が気になるけど、生徒達に頼られていると考えればいっか!まぁ、実際僕がいれば何とかなるしね!それに、君の着ている制服は高専の物だけど、君みたいな呪術師は居ないし、あの鏡から現れたのなら未来から来たのもあながち本当なのかもね……。」
五「ひとまず僕らは君を信用しよう……ようこそ、陽太。過去の呪術高専へ。」
いろいろあったが、未来から来た呪術師、乙骨陽太は過去の高専の呪術師達から信用を得た。しかし、これから先、彼を待ち受けるのは怒涛の質問攻め。その事を知らない彼は、本来会うことのなかった過去の両親、そして両親の後輩達の姿を、ただひたすらに……目に焼き付けるのだった。