未来からの訪問者
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五「今までの情報を纏めると……
・憐に似た雰囲気を持ち、憂太そっくりの顔立ち。フルネームは【おっこつひなた】
・祈本里香に似たぬいぐるみを持っている。名前は【りか】
・部屋で寝ていたのに、気づいたら高専が保有する森の中にいた。
・初めて出会った憂太と憐を両親と間違える。
・喋ってるパンダを見て、驚いていない。
・呪いが見える。以前に父親が連れている恐らく式神のようなもの、これを【りか】とする。呪いに襲われた際に、そのりかに助けられた経験がある。
ここから考えられることと言ったら……───。」
五条先生の言葉にみんなが固唾を飲んで見守る───。
五「ズバリ!憂太と憐の子どもだったりしてね〜!」
乙/貴「「…………えっ??!!?!?!」」
名前を挙げられた僕と憐ちゃんはお互いの顔を見て、驚いた。
乙「だってそんなえっと……えっ?!」
貴「
衝撃的な内容に、僕は慌てふためいてしまったけど、逆に憐ちゃんは目を吊り上げて怒っている。激しく声を上げている彼女……、なんでそんなに怒っているのだろうか。
(もしかして僕が嫌だったりする?!……ショックだ。)
貴「!?……乙骨くん、違うからね?!何も貴方が嫌とかじゃなくて、先生がありえない事を言ったから……」
(ありえない事か……。分かってるけど、改めて言われると悲しい。)
先程より沈みきった顔をした僕を見て、憐ちゃんが慌てて僕にフォローを入れてくれたけど……ありえないと言われてしまうと、正直へこんでしまう。僕の小さな頃の夢は、まだ密かに生き続けているからだ。
五「僕は巫山戯てないよ……至って真面目に言っている。何も〝今〟の君達なんて言ってないでしょ?……〝今〟じゃなくて〝未来〟の君達の子どもじゃないかって事だよ。
つまりこの子はこの時代の人間じゃなく……もっと先の……〝未来〟の時代から来た子何じゃないかってね。」
僕らのやり取りを横目に、説明を続けていく先生。
貴2「そう思う根拠はあるんですか??」
五「さっきあげた事かな。特に憂太に似ている容姿、同じ苗字、ひなたの父親は【りか】という呪いを連れている。ここまで類似点揃ってて憂太を疑わない方が可笑しくない?それに、君達気づいてないみたいだけど、ひなたのぬいぐるみには、ある呪力の残穢が残っている……。
なんとびっくり!その呪力だけど、君の呪力なんだよ……憐。」
貴「なんで……??私は一度もそのぬいぐるみに触ってもないし、呪力なんか込めてすらないのに……。」
確かに彼女は1度もぬいぐるみに触れていなかった。本当に心当たりが無さそうだ。
五「分かってる……じゃあ何故この子のぬいぐるみに、憐の呪力がこめられていたのか……。〝憐〟だけど〝憐〟じゃない……、この世界の憐じゃない……もっと先の未来の憐なんじゃないかって思うよ。」
先生があげた仮説は、一見突拍子もない話だけど、それを否定する材料を誰も持ち合わせていない。先生の話を否定出来るものがいなかった。だってあまりにも出来すぎている……。
──────もし本当にこの子が
────未来の僕らの子どもだとしたら……
ひ「うーん……。」
この場が静まり返る中、ベッドで寝ていたひなたくんが目を覚まし始めた。
ひ「パパ、ママ……?」
寝ぼけているのか僕らを両親と間違えているひなたくん。前のように訂正したい所だけど、その可能性が出てきた以上安易に訂正出来ずにいた。それはみんなも一緒で、憐ちゃんでさえ口を噤んでいる……。
五「おはよう〜目が覚めたみたいだね。」
先生だけが軽い口調でひなたくんに声をかけていた。
ひ「ひっ!!……うぅ〜キライ!!いつもパパを連れてっちゃうさとるなんてキライ!!!」
そう言ってひなたくんは憐ちゃんに抱きつき、再び泣き始めてしまった。それが意外だった……あれだけ僕達に友好的だったひなたくんは、何故か五条先生だけを拒否し、今も憐ちゃんにくっついている。何故……──────。
貴2「さとるってひなたくん、悟の事を知ってるのですか?!」
ひ「さっきゆめのなかであったの……さとるはいつもにんむ?だって、パパをつれてっちゃうの。だから僕とママはいつもおるすばん。ママは僕がうまれる前はパパと同じことをしてたみたいだけど、いまは難しいから、いっしょにおるすばんしてた。……だからさとる……キライ。」
どうやらひなたくんは寝ている間に夢を見ていたみたいだ。そこで自分が送っていた日常を繰り返していた。彼はそこで先生と会っている……しかも彼のお父さんは先生から任務をよく受けているみたいだった。お母さんは以前は父親と同じ仕事をしていたみたいだけど、ひなたくんが生まれてからは仕事をせず一緒に居たらしい。間違いない……この子の両親は───
……呪術師だ──────。
ひ「ゆめのなかで、パパとママにあえた。あたまをなでてくれた。……僕、帰りたい!パパとママの所に!!」
両親の元に帰らせてあげたいのだが、他に方法が思いつかない。自分で宣言しておいてこのざまだ……我ながら情けないと思うが、なんせもし先生の言った説が正しいなら、未来の時代に返す方法など……──────
五「まっかせなさ〜い!!」
誰もが無理だろうと諦めていたその時、五条先生の声が響き渡り、静寂を引き裂いた。