京都姉妹校交流会
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二回裏 攻撃:東京校 守備:京都校
5番 レフト 乙骨
【海外に行く前は、よく任務帰りに甘味を購入していた。】
乙「……。」
(メットを被って、バット構えてる姿……とても良い……。かっこいいな……憂太。 )
ついにこの時がやってきた……憂太の打席!真希の次の5番バッターは憂太なのです!ユニフォーム姿に見とれてた私ですが、メット被ってバット持ってる姿にもときめいてる私です……憂太なら何でもいいと思っているのではなく、何にでも似合うの……。
(集中してる憂太の邪魔しちゃ悪いし、ここは静かにしてよう……。)
貴「……。」
憂太くんが打席に立った。しっかりメットを被り、バットを構え、ピッチングマシーンメカ丸くんを見つめている。その眼差しはいつもの優しいものではなく、鋭く真剣なものだった。そんな彼の雰囲気を察して憐も静かにその姿を見守っている。
虎「めちゃくちゃ静かだな……。(小声)」
狗「ツナツナ。(小声)」
伏「集中してる先輩の為だろ。(小声)」
野「私達の時は大きかったですよね。(小声)」
真「……アイツもアイツでしっかり憂太バカなんだよ(小声)」
パ「憂太で隠れがちだけど、憐も同類だからな。(小声)」
貴2「……💧」
憐の異様な雰囲気を感じ取り、他の子達も小声でコソコソ話していた程だった。
(まぁでも、皆まで小声で話さなくていいと思いますけど……💧)
そしていよいよ、メカ丸くんからボールが投げ出される。
乙「……っ!」ブンッ
バシッ!
五「ストライーック!」
憂太くんはバットを振りかぶったようだが、バットにボールは当たらず葵くんのグローブに収まっていた。
……もしかしてストライクゾーンに入っていなかったかもしれないですね。でも、まだまだ憂太くんの打席はこれからですよね……!
乙「……。」
憂太くんはバットをくるりと回し、再度構えた。
ブンッ
乙「……っ!」ブンッ!
バシッ!
五「ストライーック!」
これで2個目のストライクだ……あら?
虎「あり?……先輩また空振り?」
パ「もしかして……実は憂太……野球苦手とかそういう感じ?」
貴2「そういえば、憂太くん……憐と里香ちゃんとばかり遊んでいた事もあって、野球やサッカーと言った大人数で遊ぶスポーツをやった事がないと昔言ってましたね……。」
野「それじゃどうすんのよ!?あのままいけば空振り三振でアウトじゃない!」
虎「まぁ、まだ俺や狗巻先輩もいるから大丈夫っしょ!」
真「心配する必要はねぇよ……おい、憐!」
貴「っ!?……何?」
ベンチ組がザワザワしていると、見かねた真希ちゃんが憐を呼んだ。……何か秘策があるんですかね?それとも憐が?でも憐って確か……
真「私らの時よりも腹から声出して、思いっきり叫べ……。」
貴「叫べって何を叫ぶのよ……、しかも憂太が真剣なのに……。」
真「んなもん決まってんだろ、憂太の名前だよ。」
貴「えっ?!なんで今?!?!」
真希ちゃんは、憐に向かって、自分達の時よりも大きな声で叫べと言い出した。それに驚いて、目を見開く憐……あっなるほど、そういう事ですか。
貴2「憐、貴女が思いっ切り、憂太くんの事を応援すれば、きっと憂太くん、ホームラン打っちゃいますよ?」
つまり真希ちゃんが言いたかったことは、憐に応援させれば、愛しの彼女に応援された憂太くんが、頑張ってボールを打つ……という事ですね……!
真「まぁ、そういう事だ……。ほら、時間がねぇんだから早く叫べよ。」
貴「えぇ〜……。」
野「なんで恥ずかしがってんのよ!この際勝てるなら何でもやるわ!先輩はアイツらに、勝ちたくないの?!」
虎「そうだよ、憐!きっと憐に応援して貰えれば、先輩も張り切ってぶちかますぜ!」
傍で見ていた野薔薇ちゃんと悠仁くんが、真希ちゃんに加勢する……。悠仁くんは純粋に憂太くんを思っての行動だと思いますが、野薔薇ちゃんは勝ちに貪欲ですね。
貴「もう分かったよ!そのかわりに、例え憂太が空振り三振になったとしても、ちゃんと労ってよ?」
憐は、渋々了承していた。「さっき憂太と話したけどな……。私の応援なんかで変わるかな……邪魔にならなきゃいいけど。」とブツブツ言いながらも、真希ちゃん達に言われた通り、大声で憂太くんに叫び始めた。
貴「憂太!!」
突然名前を呼ばれた彼は驚いて、自身の名を呼んだ彼女の方をじっと見る……。
乙「!!」
貴「憂太なら絶対出来る!私は何時だって貴方を信じてるから……!自分を信じて……、頑張れ……憂太!」
憐の声がグラウンド中に響き渡る……京都校の子達は声のボリュームに驚いたようだけど、一番驚いていたのは憂太くんだった。
彼は、目を見開き何かを堪えるかのように下を向いたが、直ぐに顔を上げ、そして微笑みを浮かべて答える……。
乙「……うん、頑張るよ!」
彼は再びバットを構え、メカ丸くんを見据えた……メカ丸くんから放たれるボールをこれ以上見過ごさないように……。
ブンッ
乙「っ!!」カキーンッ!
彼が全力で振りかぶったバットは見事ボールに当たり、打ち上がった。
虎「おっ!打ち上げた!!」
狗「しゃけ!!」
パ「おっ、これはいけるか……?」
遥か彼方に打ち上がったボールは、飛んでいる桃ちゃんのグローブをすり抜けて──────
貴2「これはもしかして……。」
貴「……憂太っ!」
外野フェンスの外に落ちていった。ボールを打った憂太くんはバットを捨て、ゆっくり歩いて一塁へ……、一塁から二塁へ……、二塁から三塁まで歩き、そしてついにホームベースにたどり着いた……仲間達に満面の笑みを浮かべて──────
乙骨:ホームラン
東京校:1点