────── 次の日の教室(朝)


貴「皆おはよう〜。」


乙「おはよう〜憐ちゃん…！良かった！間に合って〜……。」


パ「遅刻ギリギリだったな憐。夜更かしでもしたのか？」


狗「こんぶ。」


真「おい、憐。憂太（こいつ）何とかしろよ。お前が遅れそうだから、先行けって無理やり私達だけで行かせたせいで、さっきまでずっとそわそわしたり、まだかな〜とか言ってうるさかったぞ。」


朝の授業時間にギリギリで教室に入ると、すぐに憂太が声をかけてきてくれて、憂太を筆頭にいつものメンバーが挨拶してくれた。……真希は文句だったけど。


貴「えっ？！そんな心配させちゃったかな？ごめんね、皆！今日一緒に行けなくて！昨日夜寝るのが遅くて、寝坊しちゃっただけなの。」


パ「何で夜更かししたんだ？」


貴「そっ……それは……。」


そんな直球に聞かれるとは思わなかったよパンダくん。言えない……ここで言ったら、憂太にお菓子作り苦手な事がバレてしまう。憂太に隠し事は辛いがここは心を鬼にして……せめて夕方まで隠し通す！


（というか日付から考えれば、わかると思うんだけどな……。パンダくんはともかく真希や狗巻くんは、思い付かないのかな。）


狗「……！ツナマヨ！」グッ👍


答えを濁していると、狗巻くんが急にハッとした顔になり、こちらをじーっと見た後、理解したように親指を立てていた。流石にバレたかも……。


貴「まぁ、まぁいいじゃない〜間に合ったんだから！」


そう言って私は自分の席に座った。ちなみに私の席の位置は狗巻くんの後ろで、憂太はその隣の真ん中の席だ（＊真希の後ろ）。


乙「……。」


気の所為だろうか……隣の憂太からの視線をめちゃくちゃ感じる。


貴「憂太……？どうしたの？」


乙「っ！……ううん、なんでもないよ！」


私が憂太に尋ねると、憂太は笑ってなんでもないと言い、慌てて視線を逸らしていた。ごめんなさい、憂太……。でも今日は、悟られる訳にはいかない。待ちに待った〝今日〟を台無しにさせたくないから……。


五「おはよう〜皆。今日も全員揃ってるね。それじゃあ早速やろうか。」


教室に入ってきた五条先生の声で、話していた私達はこれから始まる授業の為一旦会話を終えた。