京都姉妹校交流会
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大体の話が終わったところで、ふと時計を見ると時間がそこまで無い事に気づく。
虎「やっべぇー!!もうこんな時間……急いで行こうぜ先輩!」
乙「そっか……もう時間か。う〜ん、まだ1個聞きたいことがあったんだけど……。」
虎「えっ?何?」
先輩がポツリとこぼした言葉に軽く尋ねた……俺は後にそれを少し後悔する事になる。
乙「時間もないから単刀直入に聞くね……君にとって憐はどういう存在?どんな関係なの?」
虎「えっ??」
俺にとって憐はどんな存在か?そして関係?
想定した質問ではなかった為、若干焦るも素直に答えようとしたら、先輩が続けて口を挟んだ。
乙「憐はね、優しいんだよ……人見知りな所があるけど、どんな相手でも分け隔てなく接してくれる。そんな所も彼女の魅力的な部分だけど、君への対応が他の人と少し違っていた……。呪術師であれば、人の死は経験するものだけど、君が亡くなったと聞かされた時、憐は真希さん達の誘いを断るぐらい悲しんでた。」
虎「……?つまり、先輩は何が言いたいんだ?」
うん……何が言いたのかイマイチ分からない。あれ……なんか嫌な予感がするぞ……。
乙「君の事は真希さんや、パンダくんから良い後輩だって事は聞いているよ。僕もさっき君と話してそれがよく分かった……だとしても、憐があそこまで落ち込むなんて少し変だ。だから僕、ずっと気になっていたんだ……君と憐の関係について……。」
そう言うと乙骨先輩は、さっきの穏やかな顔から一変して真剣な顔つきになっていた。そして心做しかどんどん空気が重苦しく感じてきた……。
(……うん、なんか勘違いしてねぇかこれ!!)
乙「憐はその性格ゆえ相手に勘違いさせる事も少なくは無い……。希望を抱いても仕方ないと思う……でも、その先は駄目だよ……。もし、君が憐に対し、特別な想いを抱いているなら、今すぐ捨てて欲しい……。」
虎「……!!」
乙「酷な事を言っているのは分かってる……けど、憐だけは何があっても譲れない……。
諦めてくれないなら……悪いけど、僕が力ずくで諦めさせる。」
乙骨先輩は袋から刀を取り出して手に持ち始めた……。
(威圧感が凄い……!!先生とは違うけど、この人もまた呪術界の最高峰……特級呪術師!)
さっきまで和やかにしていたのに、一変して緊張感が走る。冷や汗が止まらず、何度も感じた命の危機をこの時も感じていた。この人から出る呪力は、一定なのに恐ろしい程に洗礼されている……。でも今はそんな冷静に分析している場合じゃない……!
虎「ちょっと待てって!先輩なんか勘違いしてるから……!説明するから、一旦刀下げてもらってもいいですかね!?」
俺は必死に刀を下ろすよう頼んだ。
虎「俺と憐は先輩が想像するような関係じゃない!!ましてや、俺が憐に恋愛感情を抱くなんてありえねぇんだよ!!」
乙「……?」
虎「俺、アイツとは、少し遠いけど血筋が一緒なんだよ!!親戚!!凛姉もだけど……。」
乙「……えっ?親戚……?」
そして俺と憐の関係を嘘偽りなく説明する。先輩はそれを聞いて、目を見開き唖然としていた。
虎「そうだよ!まぁ、俺にとっては唯一の身内?みたいなもんか……。俺、物心ついた時は両親も居なくて、爺ちゃんと暮らしてたんだけど、その爺ちゃんもこの前亡くなって、まぁそこから色々あって
これで分かって貰えなければ終わる……と思っていたが、先輩はようやく理解したのか直ぐに刀を下ろしていた。そして俺に慌てて頭を下げて謝ってくれた。
乙「ごめん……!僕、虎杖くんに凄く酷い事を……!本当にごめんなさい……!」
虎「いいよ、分かってもらえれば……!でも、憐や凛姉から聞いてなかった?」
まぁ分かってもらえれば全然いいんだけど、不思議だな……憐から俺の事を聞いてるぐらいなら、俺らの関係も知っていると思っていたが……。
乙「……数ヶ月前に、憐から新しく入った後輩に、久々に会えた親戚の子がいるとは聞いていたけど、名前までは教えて貰ってなかったよ……。普段なら名前呼びしない憐が珍しく親しげに呼んでるし、虎杖くんも満更ではなさそうだったから、ちょっと疑問だったけど、まさか虎杖くんだったなんて……、本当にごめん……。」
先輩は再度俺に謝ると、肩を落とし凄く落ち込んでいた……。どんよりした空気が先輩を覆っている。
(あっぶねぇ〜!!危うく殺されるところだった……。でも自己嫌悪であんなに落ち込んでる姿見ると、なんか俺も罪悪感出てきてんだけど……。)
申し訳ない気持ちもあるが、ふと思い出して時計を見たら、そうも言ってられない事態に気づく……。
虎「まぁ、でも誤解が解けたなら良かった!……ってそんな事よりヤバイよ、先輩!こんな所で落ち込んでる場合じゃない!!もうすぐ試合始まるよ!早く行かないと釘崎にキレられる……!?」
乙「そうだった!早くグラウンドに行かないと、僕も真希さんに怒られる……!行こう……虎杖くん!」
虎「おう!」
先程の緊迫した空気も忘れて、俺達は心をひとつにして、全力で駆け抜けるのだった……。
まぁ、結局集合時間ギリギリに着き、最後だった俺達は、憐に心配されながらも、それぞれ釘崎と禪院先輩に怒られた。しこたま怒られたけど、俺は乙骨先輩と話が出来て良かったと思っている……。
凛姉は恋人がいる所かもう既に結婚していた。相手は五条先生で呪術界最強の男、俺を助けてくれた人でもある……。あの二人の仲は伏黒から聞いている。仲睦まじい夫婦のようで、なんとあの五条先生の方が尻にひかれているらしい……最強の男も奥さんの前では形無しのようだ。
それに比べ、憐の方にも人生を共に謳歌する恋人は存在していて、その人となりも分かって凄く安心した……。先生と同じく特級呪術師でとんでもない強さを持ち、愛が深くそれ故に憐の事になると少し怖いが、優しくて良い先輩だ……。
憐も凛姉も、それぞれ幸せな人生を歩む為のパートナーを見つけていて、本当に良かった……。
願わくば、できるだけ長く仲間達と楽しい毎日を過ごし、彼女達の何気ない笑顔をこれから先、ずっと見届けたらなと少し難しい希望を抱いて、今日も俺は全力で今を生きるのだ……。