京都姉妹校交流会
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虎杖 side
虎「……。」
乙「……。」
現在、俺は理由が不明だが、乙骨先輩に呼び止められて、困惑しながら対峙していた……。正直なんのことで呼び止められたのか、思いつかない。
(俺、なんかした?そりゃあ憐の泣き跡見て、少し疑っちゃったけどさ……、それは気にしてなさそうだし……う〜ん?)
乙骨先輩は、憐と歩いていたのだが、俺を見つけるなり、憐に先に一人で行くことを促し、俺に声をかけてきた。俺が受け答えして数分……今だ話さぬまま、気まずい空気が流れていた。
乙「ごめんね、引き止めちゃって……。君とは一度、二人で話したいと思ってたんだ。」
虎「いや、それは全然良いんだけど……。」
乙「ありがとう!……実は憐の事で君にお礼を言いたくてね……ありがとう、虎杖くん。」
虎「えっ?!……いやいや、そんなお礼を言われるような事してないよ?!顔あげてくれよ……。」
乙骨先輩は、俺に頭を下げた。俺は先輩に頭を下げられるとは思わず、慌てて顔を上げるよう促した。乙骨先輩に頭を下げられてまで、お礼を言われるような事をした記憶は無い……しかも憐の事で?
乙「気づいてないのかな?……君は、交流会が始まる前に、面と向かって憐と話をしてくれたよね。」
虎「あっ……あの時か!でも、それは話さなきゃ駄目だと思ったんだ……。だって、俺の事でいっぱい泣かしちまったし……。」
乙「……その事もだけど、交流会の時もそうだよ。東堂さんから憐を守ってくれたんだよね?」
虎「あれは……先輩達と決めた作戦で元々東堂が来たら俺一人残って、相手する予定だったし……。まぁ、ボコボコにされて気を失ってた時間あって、その間、憐に相手させちまったんだけどな。」
こうして考えてみると、俺は五条先生に鍛えられ、ナナミンと様々な事を経験し、以前と比べそこそこ強くなったと思っていたが、まだまだ未熟だった事が分かった。おかしなことを言う東堂だが、あの時の誰よりも強かった……まさに一騎当千、化け物と呼ばれるだけある。そんな相手を止めるので、精一杯だった。だからこそボコボコにされて、気絶していた訳だが、京都校の思惑を後から知った俺に比べ、最初から憐は気づいてた……だから作戦を無視して、俺の元に残った。格上の東堂相手に無謀と分かっていても、殺されそうになっていた俺を守る為に……。
虎「ごめん、乙骨先輩……憐を傷つけちまって……。」
乙骨先輩はお礼を言ってくれたけど、憐の事を考えるとむしろ俺が謝るべきなのではと思い、俺は頭を下げた。
乙「どうして君が謝るの?何も謝る事はないじゃないか……。君は憐を励ましてくれた、守ってくれた……それだけで、じゅうぶん助かったんだよ。」
乙骨先輩は俺の肩に手を乗せて、顔を上げるよう促す。
乙「さっきも言ったけど、僕はずっとお礼が言いたかった……。君が憐と向き合ってくれなかったら今も彼女は心の内にモヤモヤしたものを抱えながら、戦っていただろうね。そんな気持ちで勝てる程優しい相手ではなかったし、もしかしたら彼女はもっと沈んでいたままだったかもしれない……。」
乙骨先輩は、俺の罪悪感を取り払うように、丁寧に一つずつ教えてくれた。
乙「それに、君の事があろうと東堂さん相手に戦おうと決めたのは憐自身の意志だよ。傷つくのも承知で挑んだはずだ……。だから怪我をしていても不思議じゃない……むしろ、君が止めに入ってくれなかったらもっと酷い怪我を負っていたと思うよ……、東堂さん、容赦ないから。」
虎「そう……かもな……。……だって東堂だし。」
乙「……本来は僕が支えてあげなければいけない所を、君が代わりにやってくれていた。憐は君に感謝していたよ……ここまで来れたのは真希さん達だけじゃない、虎杖くん達のおかげでもあるってね……。
だから、改めて僕からもお礼を言わせて欲しい……。
ありがとう……僕の大切な人を守ってくれて……。」
乙骨先輩は、再度感謝の言葉を述べた。乙骨先輩は、俺のおかげで助かったと言っているけど、俺の方こそ憐や先輩のおかげで、沈んでいた気持ちが楽になり、逆に励まされていた。
(……良い人を見つけたな……憐。)
虎「……俺の方こそ、ありがとう先輩……。そう言って貰えて少し楽になった……。」
乙「それなら良かったよ……。」
虎「……憐は先輩みたいな人に愛されて幸せだな!」
少しからかいを込めて言ったが、俺の本心は変わらない。自分は宿儺の指を全部飲み込んで、やがて処分される、きっと誰よりも先にこの世を去るだろう……。だからこそ、大事な仲間達には幸せな人生を送って欲しい……、ましてや俺の為に泣いてくれたアイツや凛姉は絶対幸せになって欲しい。
乙「ありがとう、虎杖くん。でもね……きっと僕の方が幸せなんだよ……。人生を共に歩むと誓ったあの日……、苦しい事も悲しい事も沢山あったけど、憐のおかげで乗り越えられたんだ。それに、友達もいなかった僕が、高専 に来て信頼できる仲間が出来て憐とも再会できた。小さな頃からの夢が……里香ちゃん との約束が叶えられて……、そして今尚叶え続ける為に、彼女と共に生きている……こんな幸せな事ってないよね……。」
乙骨先輩は穏やかな顔で笑って言った……。この人は憐と共に生きていられる事に本気で感謝をしていた。
パンダ先輩から簡単に二人の関係を聞いている。乙骨先輩と憐は幼馴染で、仲が良かったもののある事により疎遠に……。しかし、数年後再会し、数多の苦難の末結ばれたという……。なかなかに壮絶な人生を送っているのだと思っていたが、実際乙骨先輩の話を聞いて、この人の凄さが分かった……。俺と同じ元々は一般人で秘匿死刑という身であったが、様々な事を経て憐と結ばれ、特級呪術師として現在も活躍している。そして、憐への想いが聞いていたよりも重く深い……正直ここまでとは思っていなかった。憐も恥ずかしそうにしていたが、先輩からの好意を嫌がってる様子はなかった……。きっと俺の知らない頃から二人は出会い、別れ……、また再会し愛を育んできた。
血縁よりも深く重い呪い で結ばれている彼らにとっては、お互いの存在が必要不可欠なのだろう……。
(俺にはまだそういった存在は居ないから、よく分からんけど、凛姉も憐も幸せそうならいっかな。)
先輩からの言葉を聞いて俺は、しみじみと思うのだった……。
虎「……。」
乙「……。」
現在、俺は理由が不明だが、乙骨先輩に呼び止められて、困惑しながら対峙していた……。正直なんのことで呼び止められたのか、思いつかない。
(俺、なんかした?そりゃあ憐の泣き跡見て、少し疑っちゃったけどさ……、それは気にしてなさそうだし……う〜ん?)
乙骨先輩は、憐と歩いていたのだが、俺を見つけるなり、憐に先に一人で行くことを促し、俺に声をかけてきた。俺が受け答えして数分……今だ話さぬまま、気まずい空気が流れていた。
乙「ごめんね、引き止めちゃって……。君とは一度、二人で話したいと思ってたんだ。」
虎「いや、それは全然良いんだけど……。」
乙「ありがとう!……実は憐の事で君にお礼を言いたくてね……ありがとう、虎杖くん。」
虎「えっ?!……いやいや、そんなお礼を言われるような事してないよ?!顔あげてくれよ……。」
乙骨先輩は、俺に頭を下げた。俺は先輩に頭を下げられるとは思わず、慌てて顔を上げるよう促した。乙骨先輩に頭を下げられてまで、お礼を言われるような事をした記憶は無い……しかも憐の事で?
乙「気づいてないのかな?……君は、交流会が始まる前に、面と向かって憐と話をしてくれたよね。」
虎「あっ……あの時か!でも、それは話さなきゃ駄目だと思ったんだ……。だって、俺の事でいっぱい泣かしちまったし……。」
乙「……その事もだけど、交流会の時もそうだよ。東堂さんから憐を守ってくれたんだよね?」
虎「あれは……先輩達と決めた作戦で元々東堂が来たら俺一人残って、相手する予定だったし……。まぁ、ボコボコにされて気を失ってた時間あって、その間、憐に相手させちまったんだけどな。」
こうして考えてみると、俺は五条先生に鍛えられ、ナナミンと様々な事を経験し、以前と比べそこそこ強くなったと思っていたが、まだまだ未熟だった事が分かった。おかしなことを言う東堂だが、あの時の誰よりも強かった……まさに一騎当千、化け物と呼ばれるだけある。そんな相手を止めるので、精一杯だった。だからこそボコボコにされて、気絶していた訳だが、京都校の思惑を後から知った俺に比べ、最初から憐は気づいてた……だから作戦を無視して、俺の元に残った。格上の東堂相手に無謀と分かっていても、殺されそうになっていた俺を守る為に……。
虎「ごめん、乙骨先輩……憐を傷つけちまって……。」
乙骨先輩はお礼を言ってくれたけど、憐の事を考えるとむしろ俺が謝るべきなのではと思い、俺は頭を下げた。
乙「どうして君が謝るの?何も謝る事はないじゃないか……。君は憐を励ましてくれた、守ってくれた……それだけで、じゅうぶん助かったんだよ。」
乙骨先輩は俺の肩に手を乗せて、顔を上げるよう促す。
乙「さっきも言ったけど、僕はずっとお礼が言いたかった……。君が憐と向き合ってくれなかったら今も彼女は心の内にモヤモヤしたものを抱えながら、戦っていただろうね。そんな気持ちで勝てる程優しい相手ではなかったし、もしかしたら彼女はもっと沈んでいたままだったかもしれない……。」
乙骨先輩は、俺の罪悪感を取り払うように、丁寧に一つずつ教えてくれた。
乙「それに、君の事があろうと東堂さん相手に戦おうと決めたのは憐自身の意志だよ。傷つくのも承知で挑んだはずだ……。だから怪我をしていても不思議じゃない……むしろ、君が止めに入ってくれなかったらもっと酷い怪我を負っていたと思うよ……、東堂さん、容赦ないから。」
虎「そう……かもな……。……だって東堂だし。」
乙「……本来は僕が支えてあげなければいけない所を、君が代わりにやってくれていた。憐は君に感謝していたよ……ここまで来れたのは真希さん達だけじゃない、虎杖くん達のおかげでもあるってね……。
だから、改めて僕からもお礼を言わせて欲しい……。
ありがとう……僕の大切な人を守ってくれて……。」
乙骨先輩は、再度感謝の言葉を述べた。乙骨先輩は、俺のおかげで助かったと言っているけど、俺の方こそ憐や先輩のおかげで、沈んでいた気持ちが楽になり、逆に励まされていた。
(……良い人を見つけたな……憐。)
虎「……俺の方こそ、ありがとう先輩……。そう言って貰えて少し楽になった……。」
乙「それなら良かったよ……。」
虎「……憐は先輩みたいな人に愛されて幸せだな!」
少しからかいを込めて言ったが、俺の本心は変わらない。自分は宿儺の指を全部飲み込んで、やがて処分される、きっと誰よりも先にこの世を去るだろう……。だからこそ、大事な仲間達には幸せな人生を送って欲しい……、ましてや俺の為に泣いてくれたアイツや凛姉は絶対幸せになって欲しい。
乙「ありがとう、虎杖くん。でもね……きっと僕の方が幸せなんだよ……。人生を共に歩むと誓ったあの日……、苦しい事も悲しい事も沢山あったけど、憐のおかげで乗り越えられたんだ。それに、友達もいなかった僕が、
乙骨先輩は穏やかな顔で笑って言った……。この人は憐と共に生きていられる事に本気で感謝をしていた。
パンダ先輩から簡単に二人の関係を聞いている。乙骨先輩と憐は幼馴染で、仲が良かったもののある事により疎遠に……。しかし、数年後再会し、数多の苦難の末結ばれたという……。なかなかに壮絶な人生を送っているのだと思っていたが、実際乙骨先輩の話を聞いて、この人の凄さが分かった……。俺と同じ元々は一般人で秘匿死刑という身であったが、様々な事を経て憐と結ばれ、特級呪術師として現在も活躍している。そして、憐への想いが聞いていたよりも重く深い……正直ここまでとは思っていなかった。憐も恥ずかしそうにしていたが、先輩からの好意を嫌がってる様子はなかった……。きっと俺の知らない頃から二人は出会い、別れ……、また再会し愛を育んできた。
血縁よりも深く重い
(俺にはまだそういった存在は居ないから、よく分からんけど、凛姉も憐も幸せそうならいっかな。)
先輩からの言葉を聞いて俺は、しみじみと思うのだった……。