京都姉妹校交流会
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乙「……憐の事で何か変わったことないか聞かれて、違和感の事を話したら、君の現状を教えてくれた……後輩の虎杖くんを亡くして、憐が落ち込んでいる事とかね。真希さんや凛さんにも話してないみたいだったから、僕に何か言ってないか聞きたかったらしいんだ。」
貴「……。」
憂太にどう説明しようか悩んでいると、気にせず憂太は続けていった。
乙「五条先生も凛さんも、皆君のことを心配していたんだ……僕だってそうだよ。五条先生から事情を聞いて、尚更もっと心配だったよ……それに後悔もした……なんで僕は君のそばにいないんだろうってね。」
貴「それは……、」
乙「……憐が苦しんでいるのなら、助けを求められないなら……、僕が行けば良い……。
僕は君を助ける為に、日本に帰ってきた……。」
貴「!!」
乙「僕は君が辛い時にそばに居てあげられなかった。君が、気を遣って言えなかった事も分かる……だけど僕って、そんなに頼りないかな?」
貴「……。」
私は自分が思っていたより、周りに心配かけてたみたいだ……。憂太にそんな事言わせるつもりなんてなかった……。なんで私ってもっと上手く立ち回れないのかな……強くなれないのかな……。
貴「……違う、違うよ……。……憂太の事、頼りないなんて思った事ない……。私は……、ただ……周りに頼らずとも……、一人でも……、乗り越えられるって……、強くなったんだって……、証明したかっただけ……。」
憂太に申し訳なくて、顔が見られず俯いて話す。彼のシーツに私の涙がポロポロと落ち、染みを作った。
そして、私の口から出たのは、ただの虚栄心……虚しい。
(証明したかったのだ……、以前とは違う……憂太がいなくても大丈夫だって……、強くなったんだって……、)
でも現実は違った……。周りには痛々しく見えていたのかもしれない。皆にも迷惑をかけて……、憂太にまで心配かけさせて……、重要な任務中だったのに中断までさせて……、帰国させて……私は何をしているの……。
(なんで……、私は……こんなにも──────。)
乙「憐は弱くないよ……。」ギュッ
俯いて今までの想いを吐露していたら、憂太は優しく抱きしめ、私の内なる言葉を否定した。
貴「えっ……どうして……。」
乙「分かるよ……愛している君の事だから。だから知ってる……君が人一倍自分の事を弱いって思ってる事、強くなりたくて、もがいていた事……。」
貴「……!!」
私は思わず、目を見開いてしまった。彼に抱きしめられているから、お互いの顔は見えないけど、憂太は笑ってる気がする。
乙「苦手な戦いを避けずに、立ち向かっている所とか
、常に努力していた君が弱いわけないだろう……。むしろそう思えるのは、強い人の証だ……。強くなろうとしている事、それ事態は否定しない……応援もしてるよ。だけど、こんな自分を軽視するようなやり方は良くないよね……。君も僕によく言っていたよね……自分を大切にしてって……。」
憂太に言われて気付かされる……。確かに私は憂太によく言っていた……彼自身、自己肯定感が低かったり、自分の事に興味がなくて、よく自分を蔑ろにしていた。そんなの悲しいに決まってる……だって憂太は私にとって居なくてはならない存在だから……愛しているから……。
乙「やっと分かってきたんだ……。自分を蔑ろにしていたら、自分を大切に思っている人達が凄く悲しむ事をね……。憐は僕を心配して言ってくれてたよね?……僕も同じだよ。この世の何よりも君が大切なんだ……そんな君が自分を蔑ろにしていたら、僕だって悲しいよ。」
貴「うんっ……。」
ようやく私も彼の背中に腕を回す。自分を軽視してて、よく私が注意していたのに、まさか憂太から教えられるなんてね……彼の成長にも、自分の愚かさにも衝撃だ。
乙「例えどんな小さな悩みだったり、他人からしたらくだらないと思われる事で苦しんでいたとしても、絶対に笑ったり、見捨てたりしない……。
僕は何に於いても憐を優先するよ……力になりたいんだ……。
だって僕は憐が大好きだから……、この世の何よりも大切で……愛している存在だ。だから、例え離れていても……、他の皆には話せなくても……僕だけには話して欲しかった……、相談して欲しかった……、頼って欲しかったんだ……。」
貴「……うんっ。」
彼の背中に回した腕は次第にしがみつくようになっていた。涙が止まらない……憂太の言葉はどうしてスっと心の中に入っていくのだろう……。
乙「僕は君の事で苦になる事なんてひとつも無い……だからね、どんな事でもいいから頼って欲しいな。気を遣って遠慮する必要なんかないよ。苦しいなら苦しいって言って欲しい……弱音を吐いたっていい……。人に頼る事は弱さじゃない……強さなんだよ……。」
私の虚栄心が少しずつ消えていく……。言ってもいいのかな……ずっと……ずっと思っていたことを……。