京都姉妹校交流会
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東「お返しだ1年、死ぬ気で守れ。」
虎「あ゛っ……。」ビリビリ
虎(腕……あるな。ぶっとんだかと思った……。呪霊が割り込んでこなきゃヤバかったんじゃねェか?)
東堂の足止め役として単独で残った虎杖……。その虎杖に容赦なく拳を振るう東堂。以前に比べて、見違えるほどに強くなった虎杖でも東堂との差は歴然だった。
虎「!?」
虎杖が顔を上げたその時既に、目の前に東堂の足先があった。
ドゴォ!!
そして応戦する間もなく東堂の足技を顔面に食らう虎杖。その威力は凄まじく、虎杖が腰掛けている樹木に、虎杖の血が飛び散るほどだった。
ゴッ!ドゴッ!ゴシャ!ゴゴッ!ドスッ!
虎杖の頭部に何度も蹴りを入れる東堂……。最後に再度拳を入れようとしたその瞬間……
シュッ!!
東「……!」
東「……氷を纏った矢か。」
東堂は自身の背後から飛んできた氷を纏った矢を難なく躱した。東堂に躱された矢は、虎杖が持たれかかっている樹木に突き刺さった。
東(この程度、俺にとっては恐るるに足らず……。しかしこの術式……アイツに似ているな。)
東堂はこの術式に心当たりがあった……。自身の知る限り、氷の術式を扱っていたのは五条凛だけ……。その凛が以前言っていた……。
自分の旧姓は神崎で憐は自分の妹だと……。つまり、神崎家の術式が氷を扱うような術式の可能性が高い。そうなるとこの交流会に参加しており、尚且つ神崎家の者と言えば自然と限られてくる。
東「なるほど……氷を扱う術式か。俺の知っている者だと、凛がその該当者だが、オマエも扱えるのか……神崎よ。」
東堂は誰も居ない方に向かって言った……しかし、憐からの反応は得られず、東堂の言葉は宙に舞った。
シュッ!!シュッ!!
その時、先程の氷を纏った矢が四方八方から、東堂に向かって飛んできていた。
東「位置を悟られぬよう、移動しながら絶え間なく、矢を射抜いているようだが、その程度の攻撃では俺には意味がないぞ!」
しかし、東堂は難なく躱していく。躱しながらも憐の居場所を推測していく。
そして憐との攻防から数分後、居場所に見当を付けた東堂は、自身に向かってくる矢に臆することなく、憐の元に一直線に突き進んでいた。
ドゴォ!!
東「見つけたぞ……神崎。」
貴「!?……東堂さん……。」
ついに見つかってしまった憐……この時の憐は半ば諦めていた。
(交流会の中では最も注意しなければならないのが東堂さん……あの真希でさえ戦うのは得策ではないと言うのなら、対面での戦闘は愚の骨頂……遠距離戦法の私にはこれしか出来ない……。かと言って見つかってしまったら即アウト……詰みね。)
作戦通りなら、私はパンダくん班として、あの場を離れるつもりだった……だけど──────
(もし京都校の人達が、楽巌寺学長に指示されているとしたら……交流会そっちのけで悠仁一人を殺そうとしているのなら……絶対に悠仁を一人にしちゃいけない……二度も失いたくない。)
だから、例え無謀と言われようとも……私は東堂さんを止める……悠仁を絶対死なせない!
貴「……そうです、私も姉さんと同じ氷の術式ですよ。でもよく覚えていましたね……姉さんの術式を。」
東「まぁな……中身があるやつだから俺は覚えていた。」
貴「貴方のお眼鏡にかなうなんて、やっぱり姉さんは凄いな。……それより、東堂さんにお聞きしたいのですが、貴方達京都校は……虎杖悠仁を殺すつもりですか?」
東「爺さんがそんな事を言っていたが、俺には関係ない……弱ければそれまでだな。」
貴「……やっぱり。絶対そんなことはさせません……!」
この状況はマズイ……悠仁が今一人だ。私と東堂さんはかなり離れた場所まで来てしまっている。早く悠仁の所に戻らないと……
東「好きにしろ……それより今度こそオマエの実力……見せてもらうぞ!」
そう言って東堂さんが距離を詰めてきた。
ドゴォ!!
貴「なんてパワーなの?!」
東堂さんの拳は私の後ろにあった樹木に突き刺さった。当たった樹木の真ん中は威力に耐えられず、貫通していた。
(あんなのまともに食らったら、耐えられない……。)
ヒュッ!ヒュッ!ヒュッ!
貴「……!」
休む間もなく東堂さんが攻撃をしかけてくるが避けるのに精一杯で、反撃できない……!
(とりあえず悠仁の場所まで戻ろう……!)
私は直ぐに木の上まで飛び上がり、悠仁の所まで全力で駆けて行った。
(振り返るな……!止まるな……!止まったら最後……殺られる!)
そう自分に言い聞かせて……。
東「鬼ごっこか……つまらん。もっと俺にオマエの力を見せてみろ!」
後から東堂さんが追いかけてくる……やっぱり化物ね……同じ人間なの?あの人に憂太達は勝ったの??
(やっぱり貴方は凄いね……憂太。)
──────────────────
貴「ハァッ……ハァッ……!」
あれから悠仁が倒れているところまで全力で逃げてきた私。情けないけど、あの人には敵わない……実力差も歴然……。
貴「悠仁っ!!」
悠仁のそばに駆け寄る……良かった。いや東堂さんにボコボコにされていたから、良くないけど……すぐに止められなくてごめんなさい……。
東「人の心配をしている場合か!」ドゴォ!
貴「!……カハッ!」
悠仁のそばに居た私の腹を全力で殴り飛ばした東堂さん。加減というものを知らないぐらいの攻撃力……。モロに攻撃を受けた私は遥か後方まで吹っ飛ばされた。
貴「痛い……。ほんとに強いなもう……ハァッ……ハァッ……。」
樹木に持たれかかっている状態……身体が重すぎて動かない……。森の中でふっ飛ばされた影響で体中に擦り傷ができ口からも血が出てきた……。
東「休んでいる暇はないぞ……!」
私が気づいた時には既に東堂さんが上で拳を振り下ろそうとしていた。
(大したことも出来なかった……何のために私は……)
貴「……。」
何も出来なかった後悔を胸に顔を背けようとした瞬間……
バシッ!
虎「相手を間違えてんじゃねぇよ……オマエの相手は俺だよ!」
貴/東「「……!」」
悠仁が東堂さんの振り下ろそうとした腕を掴んでいた。そしてそのまま東堂さんの体に蹴りを入れて隙をつき、私を抱え後方に下がった。
貴「悠仁あの……」
虎「別にいいよ……俺の事を心配して残ってたんだろ?ありがとうな、憐が時間作ってくれたおかげで少し休めた。……こっからは俺一人でやる。俺が皆のところに連れてってやりたいけどそんな余裕は無さそうだ……だから、悪ぃけどここで待ってろよ……。時期に誰か戻ってくるだろうから。」
そう言うと悠仁は私を木の影に下ろした。悠仁にこんな事を言わせちゃうなんて、先輩失格ね……。でも目が霞んで上手く言い返せない……皆にも謝らなきゃ……私のせいで……足を引っ張ってごめんなさい……。
貴「ごめんなさい悠仁……ごめんね、皆……。