3月7日
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乙「あれ……まだ電気ついてる?こんな夜遅いのに誰だろう?」
任務を終えた憂太がようやく帰宅した。時間はもうすぐで日付を越えようとしている時間だった。
貴「おかえり憂太!任務お疲れ様。」
乙「わっ!びっくりした!憐だったんだね、ただいま。」
私は帰ってきてくれたのが嬉しくて、つい憂太に抱きついてしまった。そんな私を難なく受け止める憂太。どうやら夜遅いので、誰もいないだろうと思っていたのに明かりが付いているから誰が居るか疑問だったみたいだ。私です!ずっと貴方が帰ってくるのを待ってたんです!
乙「帰ってくるのが遅くなってごめんね。色々処理をしてたらこんなに遅くなっちゃったんだ。でも安心して、大した怪我もなく終わったから。」
貴「ううん、別にいいよ。五条先生から遅くなった理由聞いたよ。他の呪いも祓ってたんでしょ?それなら理由も分かるし、それに憂太が無事なら全然いいんだよ。」
乙「僕を心配してくれてありがとう……でもずっと待ってたんだよね?先に寝ちゃってても良かったのに、何でこんな夜遅い時間まで起きてたの?」
貴「やっぱり忘れてるのね……。」
乙「??」
予想はしていたけど、まさか本当に忘れてるなんて!私の誕生日だったら絶対覚えてくる癖に、なんで自分の誕生日は忘れてるのよ。
貴「今日は何月何日か分かる?」
乙「3月7日だね。」
貴「それは分かってるのね……じゃあ3月7日は何の日?」
乙「何の日?う〜んと……。」
考え込む憂太を見て、思わず肩を落とす。日付を聞いても分からないの?!
貴「もう数分しかないから言っちゃうね……3月7日は憂太、貴方の誕生日でしょ!!」
乙「あっ。」
貴「誕生日おめでとう、憂太!」
乙「ありがとう憐。そっか、そういえば3月7日は僕の誕生日だったね。」
貴「……本当に忘れてたのね。」
私が言うまで全然ピンと来てなかった憂太は、私に言われて納得したように頷く。
乙「……ごめんね、全然気づいてなかったよ。」
貴「本当だよ……私の誕生日や里香の誕生日は絶対忘れなかったくせに、なんで自分の誕生日忘れてるのよ?」
乙「自分の事だからかな。僕よりも君の生まれた日の方がずっと大事だよ。憐が生まれて僕と出会ってくれたおかげで、こんな素敵な気持ちを知ることができた。」
貴「言っておくけど、それは私も同じなのよ!憂太に出会わなかったら、私は人を愛する事を知らなかっただろうし。だから大切にしたいのよ……それは私だけじゃない、真希や狗巻くんやパンダくんだってそう。」
貴「憂太が大切だから……大切な貴方が生まれた日だからちゃんとお祝いしたいの。」
憂太があまり自分を大切にしない事は知ってる……自分自身を大切にして欲しいと私が頼んだ後は、努力しているみたいだけど、今までの生き方を変えるのは難しいからか、なかなか変わらない。でも昔と比べてみたらだいぶ良い方らしい。
だからこそめげずにちゃんと伝えるようにしている。
私の真剣な想いを汲み取った憂太は、そっと私の頬に手を伸ばした。
乙「本当にごめんね……君を悲しませるつもりはなかったんだよ。だから泣かないで……お祝いしてくれてありがとう。」
貴「……ううん、こっちこそ分かってくれてありがとう。」
私の目に溜まった涙を指でふきとる憂太。感情的になるとすぐ泣いてしまう……私の悪い癖だ。でも憂太は優しいから、すぐ心配してくれるんだよね。
貴「24時過ぎてる!でもとりあえずおめでとうは言えたし間に合ったからいっか。」
時計を見たら短針は12を少し越えていた。
貴「そうだ!まだ憂太にプレゼント渡してなかったね。」
乙「プレゼント?……それってあの机に置いてある箱の事?」
憂太が机に置いてあるプレゼントを指さす。私は扉を開けた人物を早く見たくて、思わず手に持っていたプレゼントを机に置いてきていたのだった。
貴「そうこれ……憂太への誕生日プレゼント!ちょっと早いかもしれないけれど、姉さんに聞いたら男の人は身につける機会も増えてくるから、今あげても大丈夫と聞いて買ってきたの!はい、どうぞ。」
乙「ありがとう憐。なんだろ〜楽しみだな。開けてもいい?」
貴「いいよ!気に入らなかったらごめんね……。要らなかったら悠仁か五条先生に押し付けるから、遠慮なく言って!」
私は普段付けないからよく分かんなかったけど、憂太に似合うだろうなと思って買ってきた物だ。でもセンスはないから、もし憂太が気に入らなければ悠仁か五条先生に押し付けるつもりだ。
乙「君のくれた物なら何だって嬉しいから大丈夫だよ。だから他の人にあげるなんて言わないで。」
貴「憂太が気に入ってくれたら大丈夫だと思う。それにこれはまだ誰にもあげたことない物だよ??だからよく分からなくてね。」
乙「……それならいいんだ。」
憂太は安心したのか静かに笑った。何を心配しているのか知らないけど、少し目が怖かったよ。
乙「……これ、ネクタイ?」
貴「そう!黄色のネクタイ!今は学生だから制服でいいけど、任務とかでどこかに潜入したり、大人になれば自然とスーツを着る機会も出てくるだろうし、その時ネクタイも必要になるでしょ?それなら憂太も使うかなって思って。」
私だってそこそこの呪術師、学生でも呪術師なら給料も出るから、その給料で少し奮発して買ったのだ。
無地の黄色のネクタイ……白がトレードマークみたいな感じの憂太だけど、たまには明るい黄色もいいかなって思って購入した。
貴「……どうかな?」
少し憂太の反応は怖いけど、気に入ってくれると嬉しい。そう思って改めて憂太を見てみると
乙「ありがとう……凄く嬉しい!君が僕を想って買ってくれたこのネクタイ、大事にするよ。」
貴「良かった……。」
喜んでくれたみたい……。姉さんに相談しといて良かった。