if オリジナル 本編後 1年生組と夢主の初対面
単行本1巻 第5話 野薔薇と合流後
⚠️ 乙骨くんは海外任務に行っていません








虎「くぅ〜美味かったな！腹も脹れたし大満足！」


伏「オマエ食いすぎだろ……よくあれだけ腹に入ったな。」


野「ホントよ……胃袋の大きさが私達と違うみたいね。それでこの細さならムカつくわ。虎杖、ちょっと私に殴らせなさい。」


虎「なんでそうバイオレンスなの？！しかも釘崎の個人的事情の為に、なんで俺殴られなきゃいけないわけ？！？！」


呪術高専には2年生の憐や乙骨の他に、後輩である1年生の生徒が存在する。その生徒の数はたった三名。少数なのは理由がある……本来呪いを見る事が出来る人間は、圧倒的に少ない。だから、そんな呪いを視認し、祓うことが出来る人間もまた非常に少ない。それゆえ呪術師という職業は、とても少数派（マイノリティ）な職業である。


そんな呪術師と学業を両立する今年入学してきた1年生の名は、虎杖悠仁、伏黒恵、釘崎野薔薇の三人である。


現在、彼らは五条に連れられ夕飯を食べに来ていた。そこで都会のご馳走を堪能した三人は五条と別れ、高専にある寮までの間の道のりを思い思いに感想を語りながら、歩いていた。


理不尽な野薔薇の要求に、虎杖は勘弁してくれと言いたげだったが、校門前に一人の人間が立っていることに気づく。その人物は女性で、どこか見覚えがあると感じた。



腰まである長い茶色の髪、高専の制服を着ている女性……。小さい頃に、今は亡き祖父に紹介してもらった人に似ている。自分とそう歳の変わらない親類だと……。


虎「……憐？」


虎杖の声に、女性が気づき下を向いていた視線がこちらに向く……ブラウンの瞳が虎杖の姿を捉えた。


貴「久しぶりね……悠仁。」


そう言って憐は虎杖に近づいた。虎杖も自分の知っている人物だと分かり、笑顔で近づく。


虎「なんで憐が、ここにいんの？」


貴「それはこちらの台詞だよ悠仁……一般人の貴方が何故ここに居るわけ？……っと言ってももう姉さんに聞いてるんだけどね。」


虎「そういや凛姉も高専（ここ）にいるんだったっけ？」


貴「うん、姉さん高専（ここ）の教員だからね。……じゃなくて悠仁！貴方……、一体何があったら特級呪物を口の中に放り込む事態になるわけ？！いい！？食べ物じゃないのよ？！？！しかも両面宿儺の指を食べたなんて……どんな神経してるのよ？！？！」


憐は笑顔で近づいてきた虎杖の頭を掴み、こめかみを拳でグリグリしながら怒り出す。


虎杖は突如憐から行われた制裁に驚くも、余りの痛みに声を荒らげる。


虎「痛い痛い！ちょっとタンマ！マジ痛いって憐！」


貴「これぐらいで済んで有難いと思いなさい！その事を聞かされた私の身にもなって欲しい。本当に心配したんだから……。」


憐は虎杖のこめかみを攻撃する事をやめ、改めて虎杖に向き直る。姉から聞いていた……親類の虎杖が特級呪物を飲み込み、呪術師となった事を。その特級呪物とは呪いの王である両面宿儺の指……宿儺の指を取り込むことで、通常は受肉出来ず即死する所、奇跡的に器としての適性があり宿儺が受肉した。


今はその指を回収するべく、呪術師としてこの高専に入学したのだと。……特級呪物を食べたなんて聞いた事がない。姉から聞かされた時、正直嘘であって欲しいと思った。しかし、実際会ってみると虎杖の身体から、呪力を帯びている事が分かり、姉の話は真実であった事を認識する。