ホワイトデー
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乙骨 side
(僕は一体彼女の何を見てきたんだ……。)
今になって自分のしてきた事が、彼女をとても傷つけていたんだと分かった。そしてちゃんと話さなかった事を後悔した。良かれと思ってやった事が全部裏目に出ていた。
僕の目の前には、大粒の涙を流し訳を話す憐ちゃん。あんなに泣いている憐ちゃんを見たのは、最後に里香ちゃんとお別れした時以来だ。
彼女は、あからさまに自分に隠し事をされてショックだった事、その隠した理由に、自分の他に好きな人が出来ていて、その人物との出来事が嬉しかったのではないかと思った事、そしてそうなると、僕に無理をさせてしまっていたのではないか……本当はもう別れたかったのではないのかと思っていたらしい。
一度考えたら、そうとしか思えなくなってしまって、悪い方ばかりに考えてしまったらしい。彼女は誤解している……僕には憐ちゃん以上に好きな人も大切な人もいない……いつだって君だけだよ……。
今までに彼女に勘違いさせてしまった事はある……僕が、昔からずっと憐ちゃんではなく、里香ちゃんの事が好きだったと思われていた事などだ。あの時は自らひとつずつ説明し、長年の勘違いは解けようやく結ばれた僕達。
だけど……まさかそんな風に思われていたなんて……。
(サプライズで渡したくて、彼女にバレないようにしたかっただけなのに、まさかここまで追い詰めさせていたなんて……。最低だ……僕は。)
喜ばすどころか、悲しませている……こんな筈じゃなかったのに……。
貴「今までごめんなさい、憂太……。別れよ 乙「違う……違うよ!憐。」……えっ?」
乙「ごめんね!本当にごめん!だけど、聞いて欲しい……本当に違うんだよ!」
僕は腕を引いて彼女を強く抱きしめる。
貴「……憂太?」
彼女の腰に手を当て、もう片方の手で顔に優しく触れながら、しっかりと目を見る。逸らさないし逸らさせない。
乙「まずはちゃんと謝らせて欲しい……僕の態度、行動で憐ちゃんを傷つけてごめんね……。あの時、憐ちゃんに何か良いことがあったのかって聞かれて、僕はバレちゃいけないと思って咄嗟に誤魔化したんだ。」
貴「……。やっぱり……」
乙「誤魔化した理由なんだけど、ホワイトデーにこれを君に、サプライズで渡したかったからなんだ。」
そう言って僕は、ピンクの箱を憐ちゃんに渡す。
貴「これは……?」
乙「開けてみて欲しい……。」
憐ちゃんは、恐る恐る包装紙を取り、箱の蓋を開け中身を見た。
貴「これは……ブレスレット……?」
乙「そう……僕から憐ちゃんに贈るホワイトデーのプレゼントだよ。君はバレンタインデーで、素敵なチョコを僕にくれた……だから僕も君が喜ぶ素敵な物を贈りたかったんだ!だけど、自分一人じゃ思いつかなくて、君が任務でいない日に、皆にアドバイスを貰ったりしてやっと決まったから、あの日買ってきたんだ。」
貴「……!そんな……?!」
乙「このブレスレットを買った時、憐ちゃんの可愛らしい笑顔が浮かんできて、喜んでくれる姿を想像したら僕も凄く嬉しくなっちゃって……。買いに行って帰宅した時に会った五条先生にも言われちゃったんだ……。」
五『憂太、顔がすっごく緩んでるよ〜?さては、ホワイトデーに贈る憐へのお返しのプレゼントでも買ったんでしょ?』
乙『えっ?!……そんなに僕の顔、緩んでますか?というかなんで、分かったんですか?!』
五『分かるよ〜!……だって僕が凛に贈るプレゼント買った時と同じような顔してるもん。』
乙『うっ……そうですか。』
乙「今思えば五条先生に言われた時、憐ちゃんにも気づかれていた可能性を考えるべきだったんだ……。なのに僕は、サプライズしたくて誤魔化してしまった……。君は、その事でずっと悩んで傷ついていたのに……。
改めて言うよ、本当にごめん……!でも君の事を傷つけるつもりなんて、一切なかったんだ……!君を一度たりとも裏切ろうなんて考えたこともない……さっき言っていた君以外に好きな人が出来たとか、邪魔に思っているとか、そんな風に思った事なんて一度もない!」
貴「!!……。」
乙「僕は今も昔も……憐以上に、愛している人なんか存在しない!言ったよね?君に告白した時……僕にとって憐は〝最愛〟だって……。」
彼女の誤解がとけるまで何度だって伝える……。
僕は再度彼女を強く抱きしめる……僕から離れないように、僕の想いが伝わるように……。
乙「分かってくれた?……不安になったら何時でも言ってね?この世の何よりも大切な君だからこそ、何度でも言うから……。この先一生を共にし、愛するのは君だけ……。ずっと……ずっと一緒だからね。愛してるよ……憐。」
不思議だね……初めの頃は好意を伝えようとするだけで、羞恥心が出てきて素っ気ない態度になったり、上手く言えなかったり、赤く頬を染めていたのに……。今ではその羞恥心よりも、彼女への愛しさが上回って気にならなくなってしまった。
そのせいか、いつの間にか彼女の名前を呼び捨てに呼べるようになった。
貴「……憂太っ!……、ごめん……なさい!、ごめんなさい……!私が勝手に……、勘違いして……、貴方の愛を……、疑ってしまって……、貴方を傷つけて……、本当にごめんなさい……!」
彼女は僕の言葉を聞いて、涙を流し謝り始めた。まるで大罪を犯した人のように、青ざめながら申し訳なさそうに謝っていた。
乙「君が謝る必要はないよ……。君に隠した僕がいけないんだから……。分かって貰えたのなら……誤解がとけたのならいいんだ……。」
そう……サプライズで渡したくて僕が君に隠したのがいけないんだから、彼女は悪くない。むしろ悲しいすれ違いは終わり、ようやくいつもの僕らに戻れそうだから嬉しいんだ。
貴「私も憂太を愛してる……!憂太のそばにいたい……。私の一番は貴方であり、貴方の一番は私がいい……。ずっと……ずっっっと一緒だからね!」
彼女の言葉に、僕は笑顔で頷く。彼女はようやく笑ってくれた……気づけば涙も止まっており、目も赤くなってしまっているけど、花が咲いたように笑っていた。
このホワイトデーは、僕や憐にとって忘れられない出来事になった。
(僕は一体彼女の何を見てきたんだ……。)
今になって自分のしてきた事が、彼女をとても傷つけていたんだと分かった。そしてちゃんと話さなかった事を後悔した。良かれと思ってやった事が全部裏目に出ていた。
僕の目の前には、大粒の涙を流し訳を話す憐ちゃん。あんなに泣いている憐ちゃんを見たのは、最後に里香ちゃんとお別れした時以来だ。
彼女は、あからさまに自分に隠し事をされてショックだった事、その隠した理由に、自分の他に好きな人が出来ていて、その人物との出来事が嬉しかったのではないかと思った事、そしてそうなると、僕に無理をさせてしまっていたのではないか……本当はもう別れたかったのではないのかと思っていたらしい。
一度考えたら、そうとしか思えなくなってしまって、悪い方ばかりに考えてしまったらしい。彼女は誤解している……僕には憐ちゃん以上に好きな人も大切な人もいない……いつだって君だけだよ……。
今までに彼女に勘違いさせてしまった事はある……僕が、昔からずっと憐ちゃんではなく、里香ちゃんの事が好きだったと思われていた事などだ。あの時は自らひとつずつ説明し、長年の勘違いは解けようやく結ばれた僕達。
だけど……まさかそんな風に思われていたなんて……。
(サプライズで渡したくて、彼女にバレないようにしたかっただけなのに、まさかここまで追い詰めさせていたなんて……。最低だ……僕は。)
喜ばすどころか、悲しませている……こんな筈じゃなかったのに……。
貴「今までごめんなさい、憂太……。別れよ 乙「違う……違うよ!憐。」……えっ?」
乙「ごめんね!本当にごめん!だけど、聞いて欲しい……本当に違うんだよ!」
僕は腕を引いて彼女を強く抱きしめる。
貴「……憂太?」
彼女の腰に手を当て、もう片方の手で顔に優しく触れながら、しっかりと目を見る。逸らさないし逸らさせない。
乙「まずはちゃんと謝らせて欲しい……僕の態度、行動で憐ちゃんを傷つけてごめんね……。あの時、憐ちゃんに何か良いことがあったのかって聞かれて、僕はバレちゃいけないと思って咄嗟に誤魔化したんだ。」
貴「……。やっぱり……」
乙「誤魔化した理由なんだけど、ホワイトデーにこれを君に、サプライズで渡したかったからなんだ。」
そう言って僕は、ピンクの箱を憐ちゃんに渡す。
貴「これは……?」
乙「開けてみて欲しい……。」
憐ちゃんは、恐る恐る包装紙を取り、箱の蓋を開け中身を見た。
貴「これは……ブレスレット……?」
乙「そう……僕から憐ちゃんに贈るホワイトデーのプレゼントだよ。君はバレンタインデーで、素敵なチョコを僕にくれた……だから僕も君が喜ぶ素敵な物を贈りたかったんだ!だけど、自分一人じゃ思いつかなくて、君が任務でいない日に、皆にアドバイスを貰ったりしてやっと決まったから、あの日買ってきたんだ。」
貴「……!そんな……?!」
乙「このブレスレットを買った時、憐ちゃんの可愛らしい笑顔が浮かんできて、喜んでくれる姿を想像したら僕も凄く嬉しくなっちゃって……。買いに行って帰宅した時に会った五条先生にも言われちゃったんだ……。」
五『憂太、顔がすっごく緩んでるよ〜?さては、ホワイトデーに贈る憐へのお返しのプレゼントでも買ったんでしょ?』
乙『えっ?!……そんなに僕の顔、緩んでますか?というかなんで、分かったんですか?!』
五『分かるよ〜!……だって僕が凛に贈るプレゼント買った時と同じような顔してるもん。』
乙『うっ……そうですか。』
乙「今思えば五条先生に言われた時、憐ちゃんにも気づかれていた可能性を考えるべきだったんだ……。なのに僕は、サプライズしたくて誤魔化してしまった……。君は、その事でずっと悩んで傷ついていたのに……。
改めて言うよ、本当にごめん……!でも君の事を傷つけるつもりなんて、一切なかったんだ……!君を一度たりとも裏切ろうなんて考えたこともない……さっき言っていた君以外に好きな人が出来たとか、邪魔に思っているとか、そんな風に思った事なんて一度もない!」
貴「!!……。」
乙「僕は今も昔も……憐以上に、愛している人なんか存在しない!言ったよね?君に告白した時……僕にとって憐は〝最愛〟だって……。」
彼女の誤解がとけるまで何度だって伝える……。
僕は再度彼女を強く抱きしめる……僕から離れないように、僕の想いが伝わるように……。
乙「分かってくれた?……不安になったら何時でも言ってね?この世の何よりも大切な君だからこそ、何度でも言うから……。この先一生を共にし、愛するのは君だけ……。ずっと……ずっと一緒だからね。愛してるよ……憐。」
不思議だね……初めの頃は好意を伝えようとするだけで、羞恥心が出てきて素っ気ない態度になったり、上手く言えなかったり、赤く頬を染めていたのに……。今ではその羞恥心よりも、彼女への愛しさが上回って気にならなくなってしまった。
そのせいか、いつの間にか彼女の名前を呼び捨てに呼べるようになった。
貴「……憂太っ!……、ごめん……なさい!、ごめんなさい……!私が勝手に……、勘違いして……、貴方の愛を……、疑ってしまって……、貴方を傷つけて……、本当にごめんなさい……!」
彼女は僕の言葉を聞いて、涙を流し謝り始めた。まるで大罪を犯した人のように、青ざめながら申し訳なさそうに謝っていた。
乙「君が謝る必要はないよ……。君に隠した僕がいけないんだから……。分かって貰えたのなら……誤解がとけたのならいいんだ……。」
そう……サプライズで渡したくて僕が君に隠したのがいけないんだから、彼女は悪くない。むしろ悲しいすれ違いは終わり、ようやくいつもの僕らに戻れそうだから嬉しいんだ。
貴「私も憂太を愛してる……!憂太のそばにいたい……。私の一番は貴方であり、貴方の一番は私がいい……。ずっと……ずっっっと一緒だからね!」
彼女の言葉に、僕は笑顔で頷く。彼女はようやく笑ってくれた……気づけば涙も止まっており、目も赤くなってしまっているけど、花が咲いたように笑っていた。
このホワイトデーは、僕や憐にとって忘れられない出来事になった。