死滅回游
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【呪術総監部より通達──────】
【一. 夏油傑生存の事実を確認 同人に対し再度の死刑を宣告する】
【二. 五条悟を渋谷事変共同正犯とし呪術界から永久追放かつ封印を解く行為も罪と決定する】
【三. 夜蛾正道を五条悟と夏油傑を唆し渋谷事変を起こしたとして死罪を認定する】
【四. 虎杖悠仁の死刑執猶予を取り消し速やかな死刑の執行を決定する】
【五. 虎杖悠仁の死刑執行役として特級呪術師乙骨憂太を任命する──────】
虎「俺はもう、皆と一緒にはいられない……」
何でこんな事になったんだろう……いくら考えても答えは出てこない。彼にこんな思いをして欲しくなかった……普通の人生を歩んで欲しかったのに、運命は残酷だ。
貴「……そんなこと言わないで。例え他人に何と言われようとも、私は悠仁が生きていて良かったと思っているよ」
虎「違ぇよ憐……俺は……」
貴「大丈夫……分かってる。分かった上で言ってるの。私は悠仁の味方だからね」
悪いのは全部……悠仁の中にいる呪いの王、両面宿儺のせい。宿儺の器、それが上層部の悠仁への認識。宿儺に体を乗っ取られ、宿儺が悠仁の体で数多の人を殺してしまった。彼の罪悪感は計り知れない。だけど、それでも助けるのが家族だから……私は悠仁の味方でいようと決めたのだ。
脹「壊相も血塗も俺の立場なら同じようにしたはずだ。赦す、赦さないじゃない。兄弟とはそういうものだ」
脹相の言葉に安堵の息を漏らす。悠仁は前に彼ら九相図の兄弟、壊相と血塗を殺害している。その事実を知っても尚、断固として悠仁の兄であることを主張する謎の存在だけど、それでも今の悠仁には必要な存在だろう。心の中で脹相に感謝した。
(ここに来るまでに色んなことがあった……五条先生が封印され、七海さんやその他大勢の人が亡くなり、死んだはずの夏油さんが現れたと思ったら、中身は史上最悪の術師で、とんでもないことやろうとしてるしで、もうずっとしんどいよ……)
弱音を吐きたくもなる。しかし、現実はもっと地獄だったのだ。挫けそうになるももうそんな甘いことを言っていられない所まで来てしまっている。私達は立ち止まってはいられない。夏油さんの中にいたあの黒幕の思惑を早く阻止しないといけない。
虎「……行こう。今はとにかく呪霊を減らさないと……」
悠仁の言葉を合図に、私達は呪霊が渦巻く街中へと走り出した。
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脹「流石俺の弟だ」
虎「まだ言ってんの?」
トンネルを抜けた先で悠仁と脹相が息のあった戦法で、呪霊達を祓っている。相変わらず脹相は悠仁の兄である事を主張しており、悠仁と私は呆れていた。
脹「何度でも言うさ……思い出せ。あったはずだ……お前の父の額にも縫い目が……」
貴「待って……誰か来る」
突如新たな呪力を感知する。脹相のセリフを遮って二人に知らせた。するとトンネルの上の橋に人が立っていた。
?「恵くんおらんやん。俺が一番乗り?そんなことあんの?トロすぎへん?」
関西の方言で話し始める和服の金髪男。伏黒くんの事を知っている術師。嫌な雰囲気を持っていて思わず私は顔を顰めた。
虎(誰だコイツ……今伏黒の話したか?)
?「君らも何してん?目立ちすぎやで。逃げる気ないん?」
虎「逃げる?」
金髪男は愚痴を話すかのようにベラベラと聞いてもいないのに話し続ける。
(……何で私達が逃げていないことに疑問を抱いてるの?それじゃまるで追われてるみたいじゃない……)
?「何や知らんのか。君死刑やって。悟くんの後ろ盾がのうなったから」
脹「あ゛ん?」
貴「そんな!……(義兄さん……)」
虎「あっ……」
脹相はキレていたけど、私は驚きながらも心の中で納得していた。だって悠仁も、秤先輩も……あの頃の憂太も、皆何かしら問題を抱えた術師は、五条先生の我儘という名の融通で救われていた。その五条先生が封印された今、上層部がしゃしゃり出てきてもおかしくはない。だけどこんなに早く動いてくるなんて……しかも、悠仁の無期限の執行猶予を無しにしてくるなんて……なんて卑劣な連中なの。
?「俺が用あんのは恵くんやからぶっちゃけ君の生死はどーでもええんねん。でもチョコマカされんのもアレやし、とりあえず足でも折っといたろうかな」
……さっきから黙って聞いていれば、ムカつく事しか言わない人だ。私はイライラし始めて、どんどん眉間に皺が寄っていくのが分かる。
虎「伏黒になんの用だよ」
?「死んでもらお思て。その前に一筆書いてくれると助かるねんけどな……」
貴「いい加減、黙って貰えますか……」
苛立ちが最高潮に達した私が発した言葉に、金髪男は一瞬顔を顰めるもすぐに軽薄な笑みを浮かべた。
?「あれ……凛ちゃんによう似とるなって思っとたら、君、凛ちゃんの妹の憐ちゃんやろ?真希ちゃんと仲良うしてくれてありがとうな……」
金髪男は見下した笑みを浮かべて私に語りかけてきた。その態度に反吐が出る。
貴「……嘘が下手くそですね。本当はそんな事1mmも思っていないこと、バレてますよ」
?「そんな事ないねんけどな……気分悪うさせたならごめんな〜?」
(何でこの人……悠仁や伏黒くんに対してはあんな馬鹿にしてたのに、私には下手に出てるの?気色悪い……)
?「……君に生意気な目向けられるのも気分悪いなぁ。所詮乙骨くんのお荷物でしかないクソ
私の視線にさすがの金髪男も腹が立ったのか本性を出してきた。この人が誰か分からないけど、私よりも強いのは事実。……それに後半部分は正直本当の事だから、思わず唇を噛み締めると、悠仁と脹相が動いたと同時に金髪男も二人に応戦して拳を構えた。
こうして悠仁、脹相、金髪男の乱闘が続いた。私も少し離れて援護するも素早い動きで避けられる。
貴「……もう!嫌になる。よく分からないけど速すぎて当たらない……」
虎「うん。速いっちゃ速いんだけど……」
脹相「術式だろうな……」
私達3人の攻撃を難なく交わし、応戦する金髪男。やはり只者ではなかった。
?「思ったよりやりよるんやね。正直ナメてたわ」
?(器はまぁ分かるとして隣の男は何者や……。それに憐ちゃんには手を出す訳にはいかん。憐ちゃんに傷一つでも負わせたら、乙骨くんの恨みを買うことになって面倒やからな。このまま憐ちゃんは無視して、あの二人を集中的に叩いた方がええ)
?「もうちょい速うしてみるか」
その瞬間、この場にいた四者が圧倒的な呪力を感じ取った。
「「「「!!」」」」
虎(五条先生!?いやもっと不気味な……!!)
貴(この呪力っ!!……いやでも……もしかしてっ……!!)
憐のみが頬を緩ませて歓喜に満ちた表情で顔をあげる。虎杖が焦りながら近くの建物の上方に視線を向ける。
「あれ?一人じゃないんだ……」
虎杖達が視線を向けた先、建物の屋上には刀を持ち、白い高専の制服を身に纏った男が一人、彼らを見下ろしていた。
