最終章
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憂太との話も終わったので、皆の元へ合流しようとしたら、五条先生と姉さんが満面の笑みで私達を見ていた。憂太は不思議そうな顔をしていたけど、私には分かる......絶対良からぬことを考えている時の顔だ。だって真希達もニヤニヤしながらこちらを見てるんだもん。
貴2「おめでとうございま〜す!」
五「おめでとう〜!」
パァーン!
真/狗/パ「「「オメデトウー。」」」パチパチパチ
貴「ちょっと!?何これ……?!」
乙「うわぁっ!これクラッカーだ……。」
五条夫婦が突然祝いの言葉と共に、クラッカーを鳴らしてきた。人に向けてクラッカー鳴らさないでよ!あと真希達も拍手してないで、この状況を説明して欲しい。
五「何って……ねぇ?」
貴2「そうですよ〜隠さなくても大丈夫です!」
乙「??」
貴「まさか……皆、話聞いてたの?!?!」
パ「そりゃあ、まぁ……聞くよな?」
狗「しゃけ。」
真「お前らがすぐそこで始めたんだろ。むしろ私達は、気を遣って離れた所に行ってやったんだから、感謝こそされど文句言われる筋合いはねぇぞ。」
貴「うっ……そうだった……。」
真希の真っ当な正論に、何も言い返せなかった。そういえば憂太が話し始めた時、真剣な雰囲気を察して皆徐々に離れていたけど、そんなに離れていないし、途中から大声で話しちゃってたね私達?!
五「いや〜頑張ったね憂太。最初全然意識されてないから、くっつくのはもっと後になるかと思ってたけど、見事憐の彼氏の座をゲット!だね。
あっ……結婚の約束をしていたから『彼氏』じゃなくて、『婚約者』になるのかな?まぁ何はともあれ、良かったね〜。」バシッバシッ
乙「うっ……痛いとこつきますね、五条先生は。でも、ありがとうございます。」
五条先生は、憂太の背中を叩きながら、憂太を褒めていた。憂太も満更ではなさそうな顔をしながら、五条先生にお礼を言っていた。茶化されてるのに笑っていなしてる……憂太のメンタル面が本当に凄い。
貴「…….コ、コンヤクシャ……??」
貴2「わーお、憐のお顔が真っ赤です。林檎みたい。」
私は私で、今になって改めて自分のした事に、羞恥心がわいてくる。
(公衆の面前……まぁ他人は居ないけど、それでも皆も見てる中で、あんなプ、プロポーズみたいな事を……?!し……しかも彼氏の段階すっ飛ばして、婚約者かぁ……。)
なんか凄い事になってしまった……。でも、憂太以外考えられなかったし……重いかなって思ってたけど、憂太も同じ想いだったからその……何も問題ないよね。
貴「でも恥ずかしいものは恥ずかしい!!」
貴2「ふふっ良かったです〜!二人がくっついてくれて。これを一番望んでいた彼女も、きっと喜んでいますよ?」
貴「……そうだといいな。」
……姉さんの言葉に同意する。想像する事しか出来ないけど、きっと笑って見守ってくれていると思う。
真「憐、憂太に泣かされたらすぐ言えよ。私が問答無用でシメてやるから。」
乙「真希さん!?物騒な事言わないでよ!?泣かさないよ〜。」
真「どうだかな〜。お前無意識にやらかしそうだもんな。」
狗「おかか。」
パ「憂太、俺は人間の痴情の縺れとかよく分からんが、困った事あったら言えよな。協力はするぞ。」
乙「パンダくんと狗巻くんは僕の味方でいてくれるんだね……。ありがとう……!」
貴「ふふっ大丈夫だと思うけど、一応何かあったらお願いね真希!」
憂太が、私を泣かせるって想像できないけど、もし何かあったら相談しようかな。真希の言葉はとても心強かった。そして憂太は、味方してくれたパンダくんと狗巻くんに泣きつきながら感謝していた。
貴2「私達皆、貴女達の行く末を心配していたのですから、収まる所に収まってくれて嬉しいのですよ。だからこれくらい祝わせてくれてもいいでしょう?素直に受け入れなさいな。」
貴「……はーい。」
貴2「それに憂太くんとの結婚は、私も、そしてきっと両親も大歓迎です。昔から知っている憂太くんですから……。これから色々と迷惑をかけるかもしれませんが、私の大切な
乙「そんな……僕の方こそありがとうございます。凛先生が、あの時僕の背中を押してくれたから、今の幸せな未来があると思っています。またいつか、憐ちゃんと凛さんのご両親に挨拶に伺う時にも言いますが、憐ちゃんとの結婚を認めて下さってありがとうございます。これから今まで以上に強くなって、彼女を守れるよう頑張ります。」
貴「姉さん……。今まで私の事、気にかけてくれてありがとう!でも、もう私は大丈夫。私も強くなって憂太を支えていけるように頑張ります!」
私と憂太の事を、皆心配してくれていたことを知る。特に姉さんは、幼い頃の私と憂太を知っており尚且つ一番私の事を見てきた家族だから、特に心配かけていたんだろう。申し訳ない反面、認めてくれて嬉しい。
貴2「それを聞いて安心しました。お互い良い家庭を作れるよう頑張りましょうね。憂太くん、私の事はお
五「凛にしては、気が早すぎじゃない?それだけ嬉しかったんだろうけどさ〜。憂太、僕の事もお
乙「ありがとうございます、凛先生、五条先生。でもそれは、僕が正式に憐ちゃんをお嫁さんに貰ったら、そうお呼びしますね。」
貴「……なんで、そんなナチュラルに言えるのかしらね憂太は……。それに姉さんも
私と憂太は、姉さんと五条先生の申し出をやんわり断った。だってまだ結婚してないし!……カップルの期間も楽しみたいじゃない。
真「それより早く中行くぞ。雪降ってから寒ぃんだよ。」
貴2「そうでした!外にずっと居たら、身体が冷えて風邪引いちゃますね。じゃあ皆、早く中に入りましょう!悟の座学授業が待っていますから。」
五「凛〜僕身体が冷えちゃったから……暖めて?」
貴2「巫山戯ている悟は無視して行きますよ〜。」
五「酷い!僕ら夫婦もイチャコラしようよ〜!」
貴2「だ〜め〜で〜す!ほら皆急いで!」
五条先生のお願いも華麗にスルーして私達に急ぐよう促す姉さん。ちょっと可哀想だと思うけど、仮にも教師なのに授業よりイチャコラしたいって……教職の人間がそんなこと言っちゃダメでしょ。
パ「凛も段々悟の扱いが適当になってきたな。」
狗「しゃけ。」
真「だいたいこんなもんだろ。」
貴「そうそう、こんなもんよ。」
乙「あははは……。」
パンダ、狗巻、真希、憐、乙骨の5人は、凛に促されながら、固まって高専までの道のりを歩いていく。五条をあわれむ者4名、可哀想だなと思いつつも自分は何もしてあげられないので、苦笑いの者1名。
五「……やっぱりあいつら反抗期だよね?教師に対する態度じゃないよね??育て方間違えたかな……。」
貴2「貴方がもう少し真面目にしていれば、素直に慕って頂けると思いますよ?あの子達だって、本当はちゃんと分かっていますから。」
5人の後に続くは、生徒達の反抗的な態度にもしかして育て方を間違えたと思う五条と、もう少し真面目な態度を見せれば皆も素直に慕ってくれるとアドバイスをする凛。
彼等の日常は、これからも続いてくだろう……。呪術師は、通常の人間とは違って険しい道程が待っている。彼等の人生が、少しでも平和であるように願うばかりだ。
7人が去った後、その場所には、黒い髪の少女が立っていた。その少女は先程の光景を思い出し、嬉しそうに笑った。しかし、冷たい風が吹き抜けた瞬間、その場所には誰もいなかった。まるで、初めから誰も存在していなかったかのように─────────。
END
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