最終章
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貴「……私が遅れた日に、色々な事を里香から教わってたのね……知らなかった。」
憂太から、自分の恋心を自覚した時の事を事細かに話してくれたおかげで、私も懐かしい思い出を思い出すことが出来た。……小さい頃から、私に好意を抱いていたなんて、思わなかった。憂太の情熱的な想いや語りを聞いて……もの凄く恥ずかしいけど。自分の事となるとやっぱりね……凄く恥ずかしい。
まさか里香から、〝恋〟や〝結婚〟のレクチャーされていたなんて!!びっくりするよもう……。
里香は同年代の中では、割と大人びいていたから、色々知っているのは納得するけどね。
そしてあの出来事から徐々に憂太の私に対する態度は、また戻っていった気がする……でも結局前みたいにとまではいかなかったけど。
(そういえば、あの時の憂太の顔……とても赤かった気がする……え?!そういうこと?!?!)
そう思い返してみれば、結構そんな場面があったり……全然分かってなかった。てっきり里香の方だとばかり……。
乙「分かってくれたかな?……僕の幼い頃の気持ちは。里香ちゃんみたいに、僕も素直に態度で示したかったんだけど、やっぱり恥ずかしい気持ちはなかなか収まらなくて……結局あの日、里香ちゃんから言われるんだけどね。」
貴「……じゃあ、あの日里香が言っていた憂太の気持ちって……。」
乙「本当の事だったんだよ……里香ちゃんは僕らの事を一番傍で応援してくれていたんだ。」
貴「……里香。」
彼女から貰った形見の指輪……今も尚ネックレスに通して首にかけている。何も分かっていなかったのは里香じゃない……私の方だった。やっぱり間違えていたのは……私だったんだ。
涙が出そうになるが、私の手が急に優しく包み込まれる。
乙「言ったよね……自分を責めないでって。」
貴「……うん。」
憂太の手は、私の手より大きくてとても暖かい……。私の気持ちを鎮めるにはじゅうぶんだった。
乙「僕も悪かったんだ……ちゃんとあの日、君に伝えていたら……君の事を追いかけていたらと……。君の深い悲しみを一緒に乗り越えられたかもしれない……もっと早く里香ちゃんを自由にさせてあげられたのかもしれないって……でも、もういいんだ……。」
貴「……。」
乙「今、こうして皆と一緒に過ごせて……里香ちゃんの事も無事解決出来て……君とまたこうして何気ない日常を送れているのなら……自分の人生もそう悪い事ばかりじゃないって思えるようになったから。」
貴「……強くなったね、憂太。」
彼の成長を皆で見てきたけど、私が一番実感している気がする……。彼の人生が少しでも良く思えるようになったなら、それは私にとっても、とても幸せな事だから。
乙「……ありがとう。それで僕は〝あの日〟の続きを今ここで君に伝えたい……。」
貴「うん……。」
そういえば、〝あの日〟……憂太の誕生日の日……私は先に帰っちゃったけど、あの後二人は何を話したのだろうか。
乙「君が帰った後、里香ちゃんはとても悲しんでいた。僕らにはまた前みたいに仲良くなってもらいたかっただけなのに、更に拗れるような事になってしまったから。」
貴「……。」
あの時の愚かな私をひっぱたきたい。でも、もう責めるのはやめよう……憂太の頼みだから。
乙「でもその時、僕は里香ちゃんに約束をした……。」
『だから僕、憐ちゃんとずっと一緒に……笑って一緒に居られるように頑張るよ!好きになって貰えるように頑張る!
それでね……僕と憐ちゃんが結婚したとしても、里香ちゃんもそばにいてね……約束だよ。』
乙「僕は、君に好きになって貰えるように……笑って一緒にいられるように頑張る事。例え僕らが〝結婚〟して関係性が変わったとしても、里香ちゃんもそばにいて欲しい事……。」
『そうしたら、ぼくらはずーっと、ずーっと……いっしょだね。』
乙「そうしたら、ずっと一緒にいられるってね。」
貴「……!?」
憂太はとても真剣に言っているけど、ツッコミどころが多すぎてびっくりしている。まず、前半はいいよ……その憂太が頑張るのはね、別に本人の問題だから……でもさ、その次の『例え僕らが結婚しても』って……結婚する前提なの?!私の気持ち知らないよね?!?!私が憂太を好きじゃなかったらどうするの?!結婚って両者の同意のもと成立してからだよね?!……。
(いや、あの頃の憂太は小さかったし、里香から教えられてるならまぁしょうがない……のかな?)
後……仮に、私と憂太がけ、結婚したとして?!……里香もずっと傍にいて欲しいって……里香の気持ちは?!?!里香だっていずれは大人になって、他の人と添い遂げるかもしれないのにその、私達が里香の人生を縛っていいわけがないと思うんだけど……。
(これ……里香はどういう反応したの?!)
人によっては泥沼三角関係だからね……傍から聞いたら。
貴「えっと〜憂太さん……。その……その約束をして、里香はどんな反応をしたの……?」
乙「笑ってくれたよ。」
ニコニコしながら答える憂太……。ほんとに??笑って了承したって事なの??……里香が良い子すぎる。
貴「ナ、ナルホドー。」
憂太って、天然な所があるからな……しょうがないのかな、うん!憂太的には、私と里香と憂太……三人でずっと一緒に居たかったって事なんだよね……そうなんだよね?!?!私の解釈間違ってない?!?!
乙「……憐ちゃん、何か誤解してない?!僕はただ、三人でずっと一緒に居たかっただけだよ!少なくとも、幼い頃の僕はそう思ってその約束をしたんだ。」
貴「ま、まぁ……そうだよね……。」
小さい頃は分かったよ……じゃあ今はどうなんだろう。