最終章
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乙骨 side
乙「……た、大切な幼馴染の女の子で友達だからね!……。」
憐ちゃんを励ましたかっただけなのに……。怒ってないから許すなんて事もないし、ただ素直な僕の気持ちを伝えたかっただけなのに……
(勢い余って、告白みたいな事を言おうとしちゃったから、つい誤魔化そうとしてあんな事言っちゃったけど、今まで以上に誤解されちゃったらどうしよう!)
ただでさえ、あの日に憐ちゃんから僕は里香ちゃんが好きなのだと誤解されていた。それから再び出会ってまた同じ時間を過ごせるようになって、好意を伝えるのはまだ難しいけど、それとなく行動してみたけど、この発言で振り出しに戻ったらどうしよう……。
(それによく考えたら、いくら付き合ってないとはいえ、仲が良い女の子を抱き締めるって駄目だよね?!……正直僕は嬉しいけど、憐ちゃんは嫌かもしれないし……)
そう思って憐ちゃんの背中に添えていた手を離そうとすると、僕の背中に腕が回った。
えっ?……。まさか……憐ちゃんが……?
貴「あははっ……憂太はほんとうに……お人好しなんだから……。」
僕を抱き締めながら、笑ってくれていた……。あれだけ辛そうにしていた彼女が笑っている……。顔は直接見えないけど、明るい声色で伝わってくる。
貴「……せっかく思いっきり泣いて、憂太から離れようと思ったのに……これじゃあ……無理だよ……。」
乙「憐ちゃん……?」
貴「馬鹿だよ……憂太は……。こんなやつ、責めてくれたらいいのに……怒ってくれればいいのにさ……。」
制服の胸元が密かに湿ってくる……彼女は僕に責めてもらいたかったんだ。でも、それは僕からしたら難しい……本当に怒ってないのだから。
貴「……でも、私はその言葉に救われた。憂太は嘘つかないし……嘘ついてもきっと分かりやすいから、今の言葉は本心から言ってるんだって分かる……。」
乙「うっ……僕ってそんなに分かりやすいかな?」
彼女の言葉は素直に嬉しい反面、そんなに分かりやすいのかって思った。でも、憐ちゃんになるべく嘘はつきたくないから、あまりつかないようにしている。
貴「ありがとう憂太……。こんな私を受け入れてくれてありがとう……。ごめんねっ……本当にっ……うっ……ごめんね……。」
乙「大丈夫だよ……謝らなくていいんだ。もう自分自身を責めないで……許してあげてよ。」
それでも彼女の涙は止まらない……。泣いて欲しい訳じゃないけど、今後の彼女の為にも今いっぱい泣いてもらった方がいいのかもしれない。
乙「……辛かったよね。いっぱい泣いていいよ……君が少しでも楽になるのなら。大丈夫……この状態なら見えないから……。僕はずっと君のそばにいるよ……。」
君の悲しみや苦しみも、出来るならこれからは僕が取り払ってあげたい。
貴「うっ……もっと一緒に居たかったよぉ!もっと憂太と里香と……三人で色んな事……したかったよぉ!」
乙「……うん。」
貴「なのに……里香はっ……今度こそ本当にいなくなっちゃったぁ!……私、ちゃんとお礼を言えてないのに……!!」
乙「大丈夫だよ、里香ちゃんにもちゃんと伝わってるよ。それにいなくなったって言ってたけど、それは違うよ……。僕達が覚えている限り、彼女は僕達の心の中で生き続けてるんだ。」
貴「心の中で……、生き続ける……。」
僕もお別れした時は、里香ちゃんは本当にいなくなってしまったと思ったけど、ふいにこうも思った……僕達の記憶の中にはちゃんと彼女はいる。里香ちゃんとの思い出がある限り、思い出を振り返る度に里香ちゃんに会えるから……。僕らが覚えていれば、僕らの中で彼女は生き続けていると思う……。
乙「だから里香ちゃんとの思い出を忘れずに生きていこうね。それで思い出して、時には笑ったり、たまに泣いたりしてもいいと思うんだ……それくらいなら里香ちゃんもきっと許してくれるよ。」
優しい里香ちゃんの事だから、たまには感傷に浸るくらいなら許してくれるはずだ。
貴「うんっ!……うっ……憂太っ……は?憂太も泣いて……いいんだよ?」
乙「僕はもう大丈夫……何より君が僕の分まで泣いてくれるから。」
僕はもう泣かない……あの時にいっぱい泣いたからね。里香ちゃんに心配かけたくないし、憐ちゃんには頼られる男性でいたいから。
貴「本当に……!狡いんだよもう〜……。」
その日涙が枯れるほど、憐ちゃんは泣いていた。いっぱい泣いたからか、顔を上げたくないと言われてしまった。理由を聞いたら、酷い顔をしているからと言われたけど、僕は全然構わないのにな……。それにそろそろこの状態も恥ずかしいと言われてしまって、慌てて彼女を離したけど、見事に顔は隠されてしまった。
結局この後憐ちゃんと横に並びながら帰った。顔を見ないで欲しいと言われ、なるべく視線を挟まずお互い前を見て帰ったけど、僕はチラッと横目に見てしまった。
顔は真っ赤で、目には涙の跡があったけど、憑き物が落ちたようにすっきりとした表情をしていた彼女が見れて、僕はとても嬉しかった。
乙「……た、大切な幼馴染の女の子で友達だからね!……。」
憐ちゃんを励ましたかっただけなのに……。怒ってないから許すなんて事もないし、ただ素直な僕の気持ちを伝えたかっただけなのに……
(勢い余って、告白みたいな事を言おうとしちゃったから、つい誤魔化そうとしてあんな事言っちゃったけど、今まで以上に誤解されちゃったらどうしよう!)
ただでさえ、あの日に憐ちゃんから僕は里香ちゃんが好きなのだと誤解されていた。それから再び出会ってまた同じ時間を過ごせるようになって、好意を伝えるのはまだ難しいけど、それとなく行動してみたけど、この発言で振り出しに戻ったらどうしよう……。
(それによく考えたら、いくら付き合ってないとはいえ、仲が良い女の子を抱き締めるって駄目だよね?!……正直僕は嬉しいけど、憐ちゃんは嫌かもしれないし……)
そう思って憐ちゃんの背中に添えていた手を離そうとすると、僕の背中に腕が回った。
えっ?……。まさか……憐ちゃんが……?
貴「あははっ……憂太はほんとうに……お人好しなんだから……。」
僕を抱き締めながら、笑ってくれていた……。あれだけ辛そうにしていた彼女が笑っている……。顔は直接見えないけど、明るい声色で伝わってくる。
貴「……せっかく思いっきり泣いて、憂太から離れようと思ったのに……これじゃあ……無理だよ……。」
乙「憐ちゃん……?」
貴「馬鹿だよ……憂太は……。こんなやつ、責めてくれたらいいのに……怒ってくれればいいのにさ……。」
制服の胸元が密かに湿ってくる……彼女は僕に責めてもらいたかったんだ。でも、それは僕からしたら難しい……本当に怒ってないのだから。
貴「……でも、私はその言葉に救われた。憂太は嘘つかないし……嘘ついてもきっと分かりやすいから、今の言葉は本心から言ってるんだって分かる……。」
乙「うっ……僕ってそんなに分かりやすいかな?」
彼女の言葉は素直に嬉しい反面、そんなに分かりやすいのかって思った。でも、憐ちゃんになるべく嘘はつきたくないから、あまりつかないようにしている。
貴「ありがとう憂太……。こんな私を受け入れてくれてありがとう……。ごめんねっ……本当にっ……うっ……ごめんね……。」
乙「大丈夫だよ……謝らなくていいんだ。もう自分自身を責めないで……許してあげてよ。」
それでも彼女の涙は止まらない……。泣いて欲しい訳じゃないけど、今後の彼女の為にも今いっぱい泣いてもらった方がいいのかもしれない。
乙「……辛かったよね。いっぱい泣いていいよ……君が少しでも楽になるのなら。大丈夫……この状態なら見えないから……。僕はずっと君のそばにいるよ……。」
君の悲しみや苦しみも、出来るならこれからは僕が取り払ってあげたい。
貴「うっ……もっと一緒に居たかったよぉ!もっと憂太と里香と……三人で色んな事……したかったよぉ!」
乙「……うん。」
貴「なのに……里香はっ……今度こそ本当にいなくなっちゃったぁ!……私、ちゃんとお礼を言えてないのに……!!」
乙「大丈夫だよ、里香ちゃんにもちゃんと伝わってるよ。それにいなくなったって言ってたけど、それは違うよ……。僕達が覚えている限り、彼女は僕達の心の中で生き続けてるんだ。」
貴「心の中で……、生き続ける……。」
僕もお別れした時は、里香ちゃんは本当にいなくなってしまったと思ったけど、ふいにこうも思った……僕達の記憶の中にはちゃんと彼女はいる。里香ちゃんとの思い出がある限り、思い出を振り返る度に里香ちゃんに会えるから……。僕らが覚えていれば、僕らの中で彼女は生き続けていると思う……。
乙「だから里香ちゃんとの思い出を忘れずに生きていこうね。それで思い出して、時には笑ったり、たまに泣いたりしてもいいと思うんだ……それくらいなら里香ちゃんもきっと許してくれるよ。」
優しい里香ちゃんの事だから、たまには感傷に浸るくらいなら許してくれるはずだ。
貴「うんっ!……うっ……憂太っ……は?憂太も泣いて……いいんだよ?」
乙「僕はもう大丈夫……何より君が僕の分まで泣いてくれるから。」
僕はもう泣かない……あの時にいっぱい泣いたからね。里香ちゃんに心配かけたくないし、憐ちゃんには頼られる男性でいたいから。
貴「本当に……!狡いんだよもう〜……。」
その日涙が枯れるほど、憐ちゃんは泣いていた。いっぱい泣いたからか、顔を上げたくないと言われてしまった。理由を聞いたら、酷い顔をしているからと言われたけど、僕は全然構わないのにな……。それにそろそろこの状態も恥ずかしいと言われてしまって、慌てて彼女を離したけど、見事に顔は隠されてしまった。
結局この後憐ちゃんと横に並びながら帰った。顔を見ないで欲しいと言われ、なるべく視線を挟まずお互い前を見て帰ったけど、僕はチラッと横目に見てしまった。
顔は真っ赤で、目には涙の跡があったけど、憑き物が落ちたようにすっきりとした表情をしていた彼女が見れて、僕はとても嬉しかった。