最終章
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乙骨 side
6年前に幼い頃の僕と……憐ちゃんが里香ちゃんにかけた呪い。車の事故によって起きた里香ちゃんの死を、受け入れらず拒む事で里香ちゃんを呪った。その呪いは、里香ちゃんを異形な姿に変え、この世に留まらせるぐらいの呪いだった。
そんな呪いも無事解呪でき、今度こそ里香ちゃんと最期のお別れもした。昔と変わらない彼女の優しさに、僕も憐ちゃんも救われた。だから里香ちゃんとの別れはとても辛いものだったけど、〝死〟は誰にだって訪れるもの。違うのは人によって、遅いか早いかだけ。いずれ僕達も色んな人の〝死〟を経験していく。悲しくて立ち止まる事はあっても、時間は平等に刻んでいくから、前へ進んで行かなければならない。それにいつまでも悲しんでいたら、里香ちゃんが心配しちゃうからね。
今度会えるのは、当分先になるかもしれないけど、胸を張ってまた里香ちゃんと会えるように、里香ちゃんの分まで、僕は前を向いて生きていく……。里香ちゃんを見送った後、僕はそう決意した。
その後、五条先生が念の為皆の怪我の具合を知る為、僕らに病院に行くのを進めたが、
貴「憂太の反転術式のおかげで、だいぶ治ってるから私は大丈夫。だから、皆は先に行ってて……私は、まだここに残っていたいの。」
乙「憐ちゃん……。」
五「……そっか。じゃあ後からおいで。ただ分かっているとは思うけど、いくら憂太の反転術式で治療されたとはいえ、君の身体は重傷だったんだから、無理だけはしないようにね。」
貴2「そうですよ!怪我が治っていても、精神的にも肉体的にも疲労は蓄積されているはずです。本調子とまではいかないんですから、無理は禁物ですよ。」
貴「うん、分かってる。」
先生二人から無理はしないようにと注意を受けていた。先生達の言った通り、安静にしていた方がいいと思うけど、きっと里香ちゃんの事で色々と思う事があるのだろう。
乙(……よし。)
五「じゃあ、憐以外は帰るよ〜。ちゃんと、僕についてきてね。」
真「……言われなくとも分かってるっつーの。」
狗「しゃけ。」
パ「また後でな、憐。」
貴「うん、後でね。」
五条先生を先頭に皆がこの場から去り始め、憐ちゃんは僕らから離れ、瓦礫の上に座り込んで空を見上げていた。
乙「あっ先生!……」
貴2「どうしたのですか、憂太くん?」
乙「……僕もここに残ります。僕の事なら傷は自分で治せるので、大丈夫です。それよりも……憐ちゃんが心配なので。」
僕は、凛先生に自分もここに残る事を伝えた。真希さんは僕が皆の中で一番の重傷だと言ってたけど、反転術式で治せるから、そこはあまり心配はしていない。少し離れた所で、座っている小さな背中を見る。……むしろ、彼女の方が心配だった。
乙(ここに残る事で、憐ちゃんの邪魔になるかもしれないし、大した事は出来ないかもしれないけど……それでも、僕は彼女の為に何かしてあげたい。)
貴2「……分かりました!だけど、いいですか?憂太くんも気づいてないだけで、凄く疲れているんですからね!怪我もこの中で一番酷いんですから、本当に無理だけはしないでくださいね?」
乙「はい!」
貴2「……憐の事、お願いしますね?今のあの子を助けられるのは憂太くんだけなんですから。」
乙「……大した事は出来ないかもしれないですけど…
貴2「そんな事はないですよ……。」
乙「えっ?……。」
凛先生の力強い否定に、思わず視線を俯きがちだった顔を上げる。
貴2「憂太くん……貴方は貴方が思っている以上に、あの子から信頼されています。それは昔も今も変わりません。貴方はあの子にとって特別で唯一無二の存在です。だから、そんな大それた事はしようとしなくていいのです……ただあの子のそばにいてあげてください。それだけできっと……憐は救われますから。」
乙「先生……。」
今まで憐ちゃんを一番近くで見守ってきた凛先生だからこそ、先生の言葉には説得力があった。
乙「……ありがとうございます、凛先生。僕……憐ちゃんのそばに居ます。僕だったら彼女がそばに居てくれるだけで嬉しいから……。それで、ちゃんと二人で帰ってきます!」
先生に背中を押されて、より一層気持ちが定まった。例え大した事は出来なくても、彼女の気持ちに寄り添う事は出来る。
────── 今、君の気持ちを、一番理解出来るのは……
────── 僕だと思うから……。
凛 side
貴2「それを聞いて安心しました。その意気ですよ、憂太くん!それじゃあ、私は行きますね。憐の事、よろしくお願いします。」
力強い憂太くんの返答に安心して、憐の事を託し、私は先を行った皆の後をついて行く。本音を言うなら二人とも直ぐに病院に行って欲しい……もしくは硝子の治療を受けて欲しいんですけどね。
貴2(憂太くん、あんな事言っていましたけど、夏油くんとの戦いで、呪力も底を尽きているはずなんですけどね……。でもまぁ……今の憐を元気づけられるのは憂太くんだけです。きっと大丈夫でしょう……愛の力は偉大なのです。あの子も私と同じで、好きな人がそばに居てくれるだけでだいぶ変わるでしょう。姉妹揃って分かりやすいんですよね、私達って……。)
五「何にやけてるの、凛。僕から見たら可愛いから良いんだけどさ、他人に見られたら不気味がられちゃうからやめときなよ〜。」
そう考えていると、先頭を歩いていた悟がいつの間にか最後尾までやってきて、私の思考に茶々を入れてきた。
貴2「悟!!全く……失礼ですよ!別にいいんです!他の人に見られたって誰も気にしませんから!!」
五「気にするに決まってんじゃん!だって凛だよ?!?!ニヤニヤしてる顔も可愛いんだから、他の男の前で絶対やらないでね!?攫われちゃうから!」
この人は何を言っているのでしょう……褒めているのか貶されているのか分かりません!第一、素直に攫われるほど、私弱くありませんから!
貴2(でも嬉しいんですよね……きっと悟だからなんでしょうね。)
我ながら単純さに笑ってしまう。
五「また笑ってる〜?!可愛いけど、僕の前だけにしてね?!」
貴2「はいはい、分かりましたから、早く行きますよ〜!」
必死な悟の背中を押しながら、先を行った皆に追いつくように歩いていった。
6年前に幼い頃の僕と……憐ちゃんが里香ちゃんにかけた呪い。車の事故によって起きた里香ちゃんの死を、受け入れらず拒む事で里香ちゃんを呪った。その呪いは、里香ちゃんを異形な姿に変え、この世に留まらせるぐらいの呪いだった。
そんな呪いも無事解呪でき、今度こそ里香ちゃんと最期のお別れもした。昔と変わらない彼女の優しさに、僕も憐ちゃんも救われた。だから里香ちゃんとの別れはとても辛いものだったけど、〝死〟は誰にだって訪れるもの。違うのは人によって、遅いか早いかだけ。いずれ僕達も色んな人の〝死〟を経験していく。悲しくて立ち止まる事はあっても、時間は平等に刻んでいくから、前へ進んで行かなければならない。それにいつまでも悲しんでいたら、里香ちゃんが心配しちゃうからね。
今度会えるのは、当分先になるかもしれないけど、胸を張ってまた里香ちゃんと会えるように、里香ちゃんの分まで、僕は前を向いて生きていく……。里香ちゃんを見送った後、僕はそう決意した。
その後、五条先生が念の為皆の怪我の具合を知る為、僕らに病院に行くのを進めたが、
貴「憂太の反転術式のおかげで、だいぶ治ってるから私は大丈夫。だから、皆は先に行ってて……私は、まだここに残っていたいの。」
乙「憐ちゃん……。」
五「……そっか。じゃあ後からおいで。ただ分かっているとは思うけど、いくら憂太の反転術式で治療されたとはいえ、君の身体は重傷だったんだから、無理だけはしないようにね。」
貴2「そうですよ!怪我が治っていても、精神的にも肉体的にも疲労は蓄積されているはずです。本調子とまではいかないんですから、無理は禁物ですよ。」
貴「うん、分かってる。」
先生二人から無理はしないようにと注意を受けていた。先生達の言った通り、安静にしていた方がいいと思うけど、きっと里香ちゃんの事で色々と思う事があるのだろう。
乙(……よし。)
五「じゃあ、憐以外は帰るよ〜。ちゃんと、僕についてきてね。」
真「……言われなくとも分かってるっつーの。」
狗「しゃけ。」
パ「また後でな、憐。」
貴「うん、後でね。」
五条先生を先頭に皆がこの場から去り始め、憐ちゃんは僕らから離れ、瓦礫の上に座り込んで空を見上げていた。
乙「あっ先生!……」
貴2「どうしたのですか、憂太くん?」
乙「……僕もここに残ります。僕の事なら傷は自分で治せるので、大丈夫です。それよりも……憐ちゃんが心配なので。」
僕は、凛先生に自分もここに残る事を伝えた。真希さんは僕が皆の中で一番の重傷だと言ってたけど、反転術式で治せるから、そこはあまり心配はしていない。少し離れた所で、座っている小さな背中を見る。……むしろ、彼女の方が心配だった。
乙(ここに残る事で、憐ちゃんの邪魔になるかもしれないし、大した事は出来ないかもしれないけど……それでも、僕は彼女の為に何かしてあげたい。)
貴2「……分かりました!だけど、いいですか?憂太くんも気づいてないだけで、凄く疲れているんですからね!怪我もこの中で一番酷いんですから、本当に無理だけはしないでくださいね?」
乙「はい!」
貴2「……憐の事、お願いしますね?今のあの子を助けられるのは憂太くんだけなんですから。」
乙「……大した事は出来ないかもしれないですけど…
貴2「そんな事はないですよ……。」
乙「えっ?……。」
凛先生の力強い否定に、思わず視線を俯きがちだった顔を上げる。
貴2「憂太くん……貴方は貴方が思っている以上に、あの子から信頼されています。それは昔も今も変わりません。貴方はあの子にとって特別で唯一無二の存在です。だから、そんな大それた事はしようとしなくていいのです……ただあの子のそばにいてあげてください。それだけできっと……憐は救われますから。」
乙「先生……。」
今まで憐ちゃんを一番近くで見守ってきた凛先生だからこそ、先生の言葉には説得力があった。
乙「……ありがとうございます、凛先生。僕……憐ちゃんのそばに居ます。僕だったら彼女がそばに居てくれるだけで嬉しいから……。それで、ちゃんと二人で帰ってきます!」
先生に背中を押されて、より一層気持ちが定まった。例え大した事は出来なくても、彼女の気持ちに寄り添う事は出来る。
────── 今、君の気持ちを、一番理解出来るのは……
────── 僕だと思うから……。
凛 side
貴2「それを聞いて安心しました。その意気ですよ、憂太くん!それじゃあ、私は行きますね。憐の事、よろしくお願いします。」
力強い憂太くんの返答に安心して、憐の事を託し、私は先を行った皆の後をついて行く。本音を言うなら二人とも直ぐに病院に行って欲しい……もしくは硝子の治療を受けて欲しいんですけどね。
貴2(憂太くん、あんな事言っていましたけど、夏油くんとの戦いで、呪力も底を尽きているはずなんですけどね……。でもまぁ……今の憐を元気づけられるのは憂太くんだけです。きっと大丈夫でしょう……愛の力は偉大なのです。あの子も私と同じで、好きな人がそばに居てくれるだけでだいぶ変わるでしょう。姉妹揃って分かりやすいんですよね、私達って……。)
五「何にやけてるの、凛。僕から見たら可愛いから良いんだけどさ、他人に見られたら不気味がられちゃうからやめときなよ〜。」
そう考えていると、先頭を歩いていた悟がいつの間にか最後尾までやってきて、私の思考に茶々を入れてきた。
貴2「悟!!全く……失礼ですよ!別にいいんです!他の人に見られたって誰も気にしませんから!!」
五「気にするに決まってんじゃん!だって凛だよ?!?!ニヤニヤしてる顔も可愛いんだから、他の男の前で絶対やらないでね!?攫われちゃうから!」
この人は何を言っているのでしょう……褒めているのか貶されているのか分かりません!第一、素直に攫われるほど、私弱くありませんから!
貴2(でも嬉しいんですよね……きっと悟だからなんでしょうね。)
我ながら単純さに笑ってしまう。
五「また笑ってる〜?!可愛いけど、僕の前だけにしてね?!」
貴2「はいはい、分かりましたから、早く行きますよ〜!」
必死な悟の背中を押しながら、先を行った皆に追いつくように歩いていった。