最終章
夢小説設定
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貴「違う……憂太の責任じゃない!私もあの時ちゃんと傍にいれば……里香を守れたのかもしれない。」
二人に隠していた事を今こそ話すべきだ。
貴「それに私も里香の事を呪っていた……。それなのに、私はあのままずっとあの場所に居たら、自分の不甲斐なさと里香が居なくなってしまった辛さに耐えられないと思って、東京にいる姉さんの所に行ったの!憂太だって辛かった筈なのに、その事も考えず私は逃げた……!自分可愛さに二人のことを考えないようにしたかったの!」
辛い現実から目を背けたかった……自分の犯してしまった過ちから逃げたかった……。里香に酷い事を言ってしまった事、憂太を置いて自分だけ楽な方に逃げてしまった事……全部、全部私の未熟さが招いた悲劇。
貴「……でも、出来なかった!何時だって、こんな私のそばにいてくれた……優しくしてくれた憂太と里香を考えない日なんて、一日も無かった!それなのに……二人を置いて逃げたの……。」
謝って許される事じゃないのは分かってる……。でも二人の前で、ちゃんと謝りたい。
貴「そのせいで里香にも憂太にも、沢山の迷惑をかけた……。謝って……許される事じゃないけど……。
憂太……本当にごめんなさい……!ごめんなさい……里香!……。」
そう泣きながら二人に謝る。せっかく涙を拭いたのに、また顔が上げられないほどに泣いてしまっている。
二人の顔が怖くて見られない……。
里「……憂太、ありがとう。」
里香の声が聞こえたので、顔をあげると里香の手が憂太に触れていた。憂太の頭を抱え込んでいるようだった。
里「時間もくれて、ずっと側においてくれて。里香はこの6年が、生きてる時より幸せだったよ。それにね……憐にも会えて、里香とっても嬉しかった!」
乙「里香ちゃん……。」
里「憐も、ありがとう。離れていてもずっと里香の事を覚えていてくれて……。里香の事をずっと想っていてくれて……。里香は、憐と憂太と過ごした日々がとても楽しかった……!大切な宝物なんだ……!」
貴「里香ぁ……!」
里香は憂太に今までの思いを告げた後、今度は私を抱きしめてくれた。そして笑顔で話してくれた。彼女の純粋な思いに……優しい言葉にまた更に涙が込み上げてきた……。彼女は、6年間私達に呪われていたのに……私達のせいで、自分が異形の姿になっていたのに……私達をいつも想ってくれていた。里香の優しさは6年経っても変わっていなかった……。
里「バイバイ、元気でね。二人ともあんまり早くこっちにきちゃダメだよ?」
里香に言われてお互いの顔を見る。私も憂太も号泣していたおかげで、酷い顔をしているかもしれないが、それはお互い様だ。
乙/貴「「……うん」」
そしてまた里香に顔を向ける。もうすぐ里香は逝ってしまう……今度こそお別れなのだから、里香に心配をかけないためにも笑顔で見送りたい。
里「いつまでも二人仲良くね!……またね!」
そうして里香は、淡い光に包まれながら、しゃぼん玉となって消えた。その表情は、あの頃と変わらない優しい笑顔のまま、消えていった。夜明けの空にはたくさんのしゃぼん玉が飛んでいた。そのしゃぼん玉達は天高く上がっていく……まるで里香が今度こそ……天国に行くように。
この日私達は、大切な彼女と本当のお別れをしました。本来であれば、6年前の事故でこの世を去っていた筈が、私達の歪んだ想いで異形な姿となり、6年間憂太のそばに居た。その後憂太と高専に来て、更なる1年間、憂太だけじゃなく私や皆と少なからず一緒に過ごした里香……。許されるべきじゃない事は分かってるけど、私達の身勝手な願いとはいえ、一緒に過ごせた事が、私はとても嬉しかった……。
それに私達のせいで異形な姿になっても、優しい彼女は、私達を笑って励ましてくれた。
そんな彼女が私達に遺した想い……。あれもある種彼女の
(今までありがとう……里香。貴女は、私にとって今も昔も変わらない……大切な親友だよ……。また会える時は、これまでの私や話したいこと……たくさんあるから聞いて欲しいな。)
貴「またね、里香。」