最終章
夢小説設定
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貴「うっ……。」
乙「憐ちゃん……泣かないで。僕は後悔してないよ。皆を……何より君を守れたんだから……。」
貴「分かってる!!……憂太が考えもなしに自分を犠牲にするようなことしないって……。里香に力を貸してもらえないと夏油さんを倒せなかった事も分かってる!!分かってるよ!!……でもっ……!!どうして……??自分を犠牲にするようなことをしたの?!」
涙が止まらない……なんで……どうして……。
本当は分かっている……私だって子どもじゃない。ある程度は聞き分けられるし、理解だってしてる。呪術師をやっていれば、いずれ経験するだろう……誰かの〝死〟に直面する事を。
でも、今回は違う……。真希もパンダくんも狗巻くんも怪我はあれど、皆無事だった。この私もあれだけ傷だらけだったのに、今は殆ど見当たらない。夏油さんを倒したのも、私達が無事なのも、全部……全部、憂太のおかげだ。
なのに、私達を助けてくれた彼が代わりに犠牲になるなんて……そんなの間違ってる。
それに、憂太にやっと会えたのに……やっと話せたのに……やっと昔みたいに仲良く出来たのに……。また離れるなんて……嫌だよ。私はまだ、肝心な事は憂太に何も話せてない……いつか憂太に話すと言ったのに……東京に来た理由とか、昔からずっと貴方だけを想っていた事とか……まだ話せてないよ……。
里香にもやっと会えたのに……意思疎通は難しかったから、会話することは出来なかったけど……昔の事を含めて貴女に謝れてないよ……。
(二人とも……私を置いていくの……??)
これから来るであろう、とてつもない喪失感を思うと余計に涙が止まらない。
貴「うぅ……憂太の……馬鹿……。くっ……弱い私の……馬鹿野郎っ!。」
ザフッ
顔を俯いて泣いていると、隣の里香の姿が変わっている事に気づいた。里香の姿は、呪いの姿ではなく、いつかの……幼き頃よく遊んでいた少女の姿の祈本里香が立っていた。
貴「えっ……里香……??」
乙「里香ちゃん?」
五「おめでとう、解呪達成だね。」パチパチ
目元の包帯をといた五条先生が拍手をしながらやってきた。後ろに姉さんを連れて。
乙/真/狗/パ「「「「……誰??」」」」
五「グッドルッキングガイ五条悟先生ダヨ〜。」
貴2「悟の素顔見た事ありませんでしたっけ??こんな感じですよ〜。ほら憐も……これで涙を拭いて。」
貴「ありがとう、姉さん。」
五条先生の素顔を見た事ないのか皆は驚いていた。私は何度か見た事あるから触れなかったが。そして私が号泣していることに気づいた姉さんは、ハンカチを私にくれた。肉親に泣いているところを見られるのは、正直恥ずかしいのだが、まぁハンカチ貸してくれただけでも有難いので良しとする。
五「以前憂太が立てた仮説……面白いと思ってね。家系の調査を依頼した。里香の方は随分昔に終了してたけど、憂太の方はザルもいいとこだったからね。それで判明したんだけど……」
五「君、菅原道真の子孫だった……超遠縁だけど僕の親戚!!」
真/狗/パ/「「「スガッ!?」」」
貴「……。」
菅原道真……日本三大怨霊の一人、呪術師の中でも古く最も大物呪術師の一人であるあの菅原道真の子孫の家系だったのね……。月並みな事しか言えないのだけど、立派な家系ね……憂太は知らなかったみたいだけど。それに私達神崎家は至って普通の家だったし。
五「憂太が正しかった。里香が君に呪いをかけたんじゃない……君が里香に呪いをかけたんだ。」
貴「憂太が……里香に……呪いをかけた……??」
五条先生は以前憂太が立てた仮説と言っていた……という事は憂太は自分がかけたかもしれない事実も考えていた??でもそれなら里香が、特級過呪怨霊となった理由も説明が着く。菅原道真の子孫である憂太の呪い……一般人の呪いと訳が違う……大物呪術師の血が流れている憂太が呪ったから、里香は成仏できずこの世に囚われた。