最終章
夢小説設定
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真「おい憂太!!大丈夫か!?」
狗「高菜!!」
パ「しっかりしろ!憂太ぁ!!」
あれからどうなったんだろう……僕は皆を……彼女を守る事が出来たのかな?
そう考えていると、近くで馴染みのある声が聞こえてきた。疲労困憊の状態だったが、閉じていた目をゆっくり開ける。
乙「……皆……。」
そこには、真希、狗巻、パンダ達が乙骨を囲み心配そうに覗き込んでいた。
乙「皆……怪我……真希さん、狗巻くん…あぁっ!!パンダくん、腕治ってない!!」
真「落ち着け!……全員今の憂太より元気だ。」
パ「俺の腕は三人と違って、後でどうにでもなる。助けてくれてありがとうな。」
個々の傷はあるものの皆生きている……乙骨はその事実を噛み締めた。しかし、肝心な彼女の姿をまだ見ていない……憐ちゃんは?どこにいるの?
乙「〜〜〜〜っ!!あっ憐ちゃんは?!憐ちゃんは無事だよね?!」
仲間達の無事は分かったが、大切な彼女の姿が見当たらない。その事に焦った乙骨は、真希に憐の行方を尋ねた。
真「だから落ち着けって……。ほら、憐ならあそこだ。」
そんな乙骨の様子に呆れながらも、素直に教える真希。真希の指さす方向に目を向けた。
早く無事な姿を見たい……。そう思い、素早く顔を向けるとそこには、里香の隣で少し傷だらけながらも、しっかりと地に足をつけて立っている憐の姿があった。
乙「無事で良かった……、本当に良かったよ……。」
乙骨は安堵した。あぁ……自分はちゃんと守れたのだ……友人達も……彼女も。
貴「ごめんね……。守りたかったのに、守るどころか守られちゃって。気がついた時には憂太だけ倒れてて本当に驚いたけど、でも本当に無事で良かった……。私の方こそ憂太……それに里香……助けてくれてありがとう。」
憐は乙骨と、隣にいた里香に礼を言った。
私は守ろうと必死だったけど、守るどころか逆に守られて……夏油さんまで倒して……。本当に憂太は強くなったよ……ここにいる誰にも出来なかったことを彼はやり遂げた。もう一年前の臆病な憂太ではない……彼はこの一年で素晴らしい成長をした。
乙「……うん!」
大切な彼女からのお礼に、乙骨はとびっきりの笑顔で頷くのだった。
里「……憂太。」
乙「ごめんね……里香ちゃん。待たせたね。」
パ「?どーした憂太?」
貴「??」
何……凄い嫌な予感がする……。待たせたねって何??……里香は何を待ってるの??
乙「えっーと、力を貸してもらうかわりに……里香ちゃんと同じ所に逝く約束をですね……。」
真「はぁ!??オマエそれ死ぬってことじゃねーか!!何考えてんだバカ!!」
貴「……え。」
憂太が死ぬ……??自分を代償にして、里香に力を貸してもらったってこと??……なんで??どうして??
いや、理解はできる……夏油さんだってとても強い人だったのだ……何かを犠牲にしなければ勝てなかったかもしれないのは分かる……でも自分の全てを里香に捧げたの??
(そこまでして里香に……本当に里香の事を愛してるんだね……分かってたことだけど、やっぱり辛いや……。)
それに憂太に、自分を犠牲にするような選択をさせてしまった事が辛い……。私がもっと強かったら……あの時倒せていたら……憂太に自分を犠牲にさせる選択肢を選ばせなかった。