第4章
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
夏「生まれて初めての激情……呪力が体に満ち満ちているね。身体能力の向上、万能感、語感が研ぎ澄まされているだろう。烏合共では、相手にならないね……直に叩くとしようか。」
今まで呪いを出すばかりで、自身は戦闘に参加していなかった夏油は、呪い達では乙骨を倒すことは不可能だと判断し、芋虫のような呪いの口から、三節棍のような呪具を出して、自ら戦う姿勢を見せた。この呪具は特級呪具の〝游雲〟。特級呪具の中でも唯一、〝術式効果〟が付与されない呪具である。
乙「……あわせろ、里香。」
観戦に徹していた夏油が、游雲を持って自ら戦う姿勢を見せたことによって、今までの呪い達とは違い、より里香と共に息を合わせようとして、夏油に備える乙骨。先程より警戒しているようだった。
そしてここから乙骨と里香、夏油の戦いがより激しさを増す。夏油は乙骨に、何故人は、呪術師が居るのにもかかわらず、「神」の存在を夢想するのかという疑問をなげかけながら、游雲を振り回す。乙骨は里香共に対処するが、夏油の圧倒的な体術に押されていた。
夏油の夢は、非術師を排除し呪術師だけの楽園を作ること。そして常日頃こう思っていた……。呪術師よりもひ弱で下等な非術師に、何故高位な存在である呪術師が虐げられなければいけないのか……。呪術師に守られている立場であるのにも関わらず、何故そのような厚顔が出来るのか……。そんな非術師が不快で仕方がなかった。
そんな問答をしながら、夏油は乙骨に畳み掛けるが、徐々にそのスピードに慣れてきていた乙骨は、夏油のスピードを超える速さで、夏油に近づき刀を振りかざす。
夏「駄目じゃないか。急にそんな呪いをこめちゃ器がもたない。悟に教わらなかったかい?呪いは少しずつ───」ゴッ
夏油は、乙骨の刀を受け止めたが、その際急激に込められた呪力によって刀が壊れてしまった。しかし乙骨は、直ぐに拳に呪力をのせて、夏油の顔に拳を力いっぱい叩き込んだ。
その時の乙骨の呪力は、黒く光っていた……。打撃との誤差0.000001秒以内に呪力が衝突した際に生じる空間の歪み……即ち〝黒閃〟を放っていた。通常の呪力とは違い、黒閃を受けた場合、平均で通常時の2.5乗の威力のダメージを受ける。
夏「……やるじゃないか。」
乙骨の黒閃を受けた夏油は、地面に倒れ込んだ。そんな夏油に今まで返答しなかった乙骨は、自分の思いを叫んだ。