第4章
夢小説設定
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夏「おかえり。」
乙「……なんで攻撃をやめた。」
乙骨と里香は高台から移動し、すぐ傍にあった電柱の天辺に降り立った。
夏「呪力による治癒には高度な反転術式を要する。君の意識を少しでも、そちらに割かせた方が得策だろう。」
夏「続きを始めようか。」
乙「里香、アレをやる。」
夏油は自分の持つ呪いを新たに召喚する。対して乙骨は、里香に拡声器を具現化させた。その拡声器には、特殊な模様が描かれている。その事にすぐさま夏油は気がついた。
夏(「蛇の目」と「牙」。あれは……)
夏「!!……狗巻家の呪印!!」
呪言を放ってくると考えた夏油は、大量のムカデのような呪いを乙骨に向けるが……──────
乙「スー……『死ね』」
乙骨は、自分達に向かってきた大量の呪いの群れを、一瞬で消し去った。拡声器に通した言葉に呪いがこもり、対象である大量の呪い達を祓った。狗巻家の呪印が描かれた拡声器で、狗巻家相伝の高等術式〝呪言〟を再現し、全ての呪いを爆散させた。
夏「素晴らしい!」
夏油は感嘆の言葉をもらす。本来〝呪言〟は、狗巻家相伝の高等術式な為、狗巻家の狗巻棘が扱うならともかく、全く関係の無い家系で生まれ育った乙骨が扱える技ではない。恐ろしいのは、これを呪術を学んで一年未満の少年がやってのけていること。その事に夏油は、非常に感心していた。そして〝祈本里香〟の正体についても、予想がついていた。
夏(やはり、祈本里香の正体は、変幻自在……底なし呪力の塊!!)
夏油が、〝祈本里香〟の正体について考えを巡らせている中、乙骨は自分が扱った術式の難しさを、身を以って実感していた。
乙「やっぱり難しいや……呪力が拡散して狙いが定まらない。狗巻くんは凄いなぁ……。そう僕の友達は凄いんだ。それをオマエは……オマエは……!!」
自分の友人である狗巻棘は、素晴らしい呪術師なのだと思う度に……そんな友を、意図も簡単に踏みにじった夏油への怒りは増す。
激しく火花がぶつかりあう。両者の思いは全く異なるものだった。
夏「益々欲しいね。」
乙「ぐちゃぐちゃにしてやる。」
夏油は、〝祈本里香〟奪還のため……。
乙骨は夏油に対する怒りや憎しみによって……。
彼ら二人の戦闘は熾烈を極めた。