第4章
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乙骨side
夏油傑という男は、自分と同じ特級を冠する呪詛師。憐ちゃんが言うには、五条先生、凛先生と家入さん含めて同期だった人で、昔は彼女に呪術について色々教えていた人。最初に出会った時、笑いながら今の世界の不満を垂らし、呪術界の未来の為僕に力を貸して欲しいと自ら仲間を引き連れやってきた。彼の話す理想の世界の為の計画は、正直よく分からなかったが、真希さんを〝落ちこぼれ〟と侮辱した事から、一気に印象が悪くなった。
しかし、憐ちゃんが気にかけていた人でもあったので、なんというか複雑な印象をうけた。しかし、真希さんやパンダくん、狗巻くん、そして憐ちゃんを血塗れになるほど傷つけられて、あまり縁のなかった、自分の中の怒りと憎悪が、彼に対し爆発した。
僕の本能が訴える……、彼を殺せ…、皆を傷つけた彼を許すなと……。
怒りに支配された僕は、里香を顕現させた。
〝完全〟な里香を出したのは今回で2度目。今までは、周りの事を考え抑えていたけど、今回は抑える必要なんてない。今の僕の力全てを使い、夏油傑を殺す……。絶対に許さない……──────。
夏「まずは質より量……どう出る?呪いの女王。」
夏油は、僕らに向かって大量の呪いを放つ。しかし、有象無象の呪いなんて、今の僕達には何も意味が無い。呪いを込めた刀を振りかざせば、呪い達は忽ち消滅していく。その間に血塗れで倒れている4人を里香に回収させ、距離をとって高台に移動する。
乙「里香。」
乙骨は、素早く4人の容態を確認する。
(4人とも酷い怪我だ……特に真希さん……。それに……──────。)
ふと憐を見遣る……華奢な身体に似合わず全身に刻まれた傷……。手や足からは血が流れており、頬にも憐の血が付着している。
(僕のせいで……憐ちゃん……。)
乙「死なせない!!」
乙骨は、呪術における身体を回復させる術……通称〝反転術式〟を使い、4人の傷を治していく。
乙骨の反転術式おかげで、特に怪我の酷い真希の呼吸や憐の呼吸が正常になっていく。
里「……。」
里香はその様子を傍で見ていた。その中でも特に憐を注視していた。そして心做しか心配そうに彼女を見ていた。
彼女は亡くなった後も、ずっと乙骨の傍にいた。彼に危害を加えようとする者がいれば、彼の代わりにその者に鉄槌を下してきた。誰であろうとユウタに手を出すものは許さない……。彼女の深い〝愛〟が彼を守ってきた。
しかし、あの春……乙骨が高専に転校し、後に仲間となる真希達に敵意を向けられた時、彼を守る為に姿を現し真希達を攻撃した。しかし、弓を持った彼女だけには攻撃しなかった……出来なかったのだ。
里香は最初、何故あの少女だけには攻撃出来なかったのか分からなかった。呪いとなった里香の意識は、曖昧だ……。敵や味方の区別は難しい……。
だけど、彼女だけは違う……誰かは分からないけど、彼女は傷つけてはいけない……だってあの子は……リカにとって……大切な人だった気がする。
─────── 回想 某日の教室
貴「ねぇ、乙骨くん。」
乙「どうしたの?憐ちゃん。」
貴「乙骨くんに憑いているその呪いは……本当に里香……なんだよね?」
乙「!!……そうだよ。」
貴「そっか……。」
乙「……憐ちゃん?」
貴「姿形は変わっても里香なんだなって思って……。」
里(……。)
ユウタとあの子は教室でお話している。そしてユウタを通してリカはあの子を見ている。何故リカはあの時攻撃しなかったんだろう……。何故あの子を見ていると嬉しいような悲しいような気持ちになるのかな……。
貴「里香は私に攻撃してこなかったの……乙骨くんに弓を構えたのにね。」
乙「あっ……僕の自己紹介の時……だよね?あの時は凄く怖かったよ〜。でも言われてみれば、里香ちゃんは君に攻撃してなかった……。」
貴「もう何年も会ってないし……あれから成長してるのになんで……。」
乙(憐ちゃん、考え込んでる……。)
乙「僕は里香ちゃんが憐ちゃんを攻撃しなかった理由……分かる気がする。」
貴「えっ??」
乙「僕の傍にずっと居てくれたように……僕もまたずっと里香ちゃんと一緒に居たからね。」
貴「……。」
乙「君だからだよ……憐ちゃん。」
貴「私……だから?」
里(憐……。)
とても懐かしい響き……、忘れてはいけない言葉だった気がする……。
乙「里香ちゃんにとって、君はとても大切な人だからね……今も昔も……。あっ!勿論僕もそう思っているからね?!」
貴「……。」
乙「小さい頃から里香ちゃんは、君を大切な幼馴染で親友だって言っていたから……。だから、全然会っていなかったとしても……呪いとなった今でも……憐ちゃんの事を大切に思っているんじゃないかな?」
貴「……そうだったのね。」
里(オサナナジミ……シンユウ……。)
よく分からないけど、この感情は……ユウタに向ける想いと同じ……。ユウタと同じように、あの子も……リカには大事な存在なんだ……。
乙(……よく考えたら、僕告白紛いな事言った気がするけど……憐ちゃんは気にしてないみたいで良かった〜。)
貴「ありがとう……乙骨くん。里香……私も同じ気持ちだよ!ありがとう……!」
ユウタだけじゃなく、あの子も守ろう……。ユウタやあの子を傷つけるものは……誰であろうと許さない……!
呪いとなった里香の意識は曖昧だ。生前の記憶さえ〝朧気〟だった……だけど、それでも彼女はこの〝朧気な記憶〟と〝憐に対する感情〟を信じ〝憐は憂太と同じく守るべき対象〟だと判断するようになった。
夏油傑という男は、自分と同じ特級を冠する呪詛師。憐ちゃんが言うには、五条先生、凛先生と家入さん含めて同期だった人で、昔は彼女に呪術について色々教えていた人。最初に出会った時、笑いながら今の世界の不満を垂らし、呪術界の未来の為僕に力を貸して欲しいと自ら仲間を引き連れやってきた。彼の話す理想の世界の為の計画は、正直よく分からなかったが、真希さんを〝落ちこぼれ〟と侮辱した事から、一気に印象が悪くなった。
しかし、憐ちゃんが気にかけていた人でもあったので、なんというか複雑な印象をうけた。しかし、真希さんやパンダくん、狗巻くん、そして憐ちゃんを血塗れになるほど傷つけられて、あまり縁のなかった、自分の中の怒りと憎悪が、彼に対し爆発した。
僕の本能が訴える……、彼を殺せ…、皆を傷つけた彼を許すなと……。
怒りに支配された僕は、里香を顕現させた。
〝完全〟な里香を出したのは今回で2度目。今までは、周りの事を考え抑えていたけど、今回は抑える必要なんてない。今の僕の力全てを使い、夏油傑を殺す……。絶対に許さない……──────。
夏「まずは質より量……どう出る?呪いの女王。」
夏油は、僕らに向かって大量の呪いを放つ。しかし、有象無象の呪いなんて、今の僕達には何も意味が無い。呪いを込めた刀を振りかざせば、呪い達は忽ち消滅していく。その間に血塗れで倒れている4人を里香に回収させ、距離をとって高台に移動する。
乙「里香。」
乙骨は、素早く4人の容態を確認する。
(4人とも酷い怪我だ……特に真希さん……。それに……──────。)
ふと憐を見遣る……華奢な身体に似合わず全身に刻まれた傷……。手や足からは血が流れており、頬にも憐の血が付着している。
(僕のせいで……憐ちゃん……。)
乙「死なせない!!」
乙骨は、呪術における身体を回復させる術……通称〝反転術式〟を使い、4人の傷を治していく。
乙骨の反転術式おかげで、特に怪我の酷い真希の呼吸や憐の呼吸が正常になっていく。
里「……。」
里香はその様子を傍で見ていた。その中でも特に憐を注視していた。そして心做しか心配そうに彼女を見ていた。
彼女は亡くなった後も、ずっと乙骨の傍にいた。彼に危害を加えようとする者がいれば、彼の代わりにその者に鉄槌を下してきた。誰であろうとユウタに手を出すものは許さない……。彼女の深い〝愛〟が彼を守ってきた。
しかし、あの春……乙骨が高専に転校し、後に仲間となる真希達に敵意を向けられた時、彼を守る為に姿を現し真希達を攻撃した。しかし、弓を持った彼女だけには攻撃しなかった……出来なかったのだ。
里香は最初、何故あの少女だけには攻撃出来なかったのか分からなかった。呪いとなった里香の意識は、曖昧だ……。敵や味方の区別は難しい……。
だけど、彼女だけは違う……誰かは分からないけど、彼女は傷つけてはいけない……だってあの子は……リカにとって……大切な人だった気がする。
─────── 回想 某日の教室
貴「ねぇ、乙骨くん。」
乙「どうしたの?憐ちゃん。」
貴「乙骨くんに憑いているその呪いは……本当に里香……なんだよね?」
乙「!!……そうだよ。」
貴「そっか……。」
乙「……憐ちゃん?」
貴「姿形は変わっても里香なんだなって思って……。」
里(……。)
ユウタとあの子は教室でお話している。そしてユウタを通してリカはあの子を見ている。何故リカはあの時攻撃しなかったんだろう……。何故あの子を見ていると嬉しいような悲しいような気持ちになるのかな……。
貴「里香は私に攻撃してこなかったの……乙骨くんに弓を構えたのにね。」
乙「あっ……僕の自己紹介の時……だよね?あの時は凄く怖かったよ〜。でも言われてみれば、里香ちゃんは君に攻撃してなかった……。」
貴「もう何年も会ってないし……あれから成長してるのになんで……。」
乙(憐ちゃん、考え込んでる……。)
乙「僕は里香ちゃんが憐ちゃんを攻撃しなかった理由……分かる気がする。」
貴「えっ??」
乙「僕の傍にずっと居てくれたように……僕もまたずっと里香ちゃんと一緒に居たからね。」
貴「……。」
乙「君だからだよ……憐ちゃん。」
貴「私……だから?」
里(憐……。)
とても懐かしい響き……、忘れてはいけない言葉だった気がする……。
乙「里香ちゃんにとって、君はとても大切な人だからね……今も昔も……。あっ!勿論僕もそう思っているからね?!」
貴「……。」
乙「小さい頃から里香ちゃんは、君を大切な幼馴染で親友だって言っていたから……。だから、全然会っていなかったとしても……呪いとなった今でも……憐ちゃんの事を大切に思っているんじゃないかな?」
貴「……そうだったのね。」
里(オサナナジミ……シンユウ……。)
よく分からないけど、この感情は……ユウタに向ける想いと同じ……。ユウタと同じように、あの子も……リカには大事な存在なんだ……。
乙(……よく考えたら、僕告白紛いな事言った気がするけど……憐ちゃんは気にしてないみたいで良かった〜。)
貴「ありがとう……乙骨くん。里香……私も同じ気持ちだよ!ありがとう……!」
ユウタだけじゃなく、あの子も守ろう……。ユウタやあの子を傷つけるものは……誰であろうと許さない……!
呪いとなった里香の意識は曖昧だ。生前の記憶さえ〝朧気〟だった……だけど、それでも彼女はこの〝朧気な記憶〟と〝憐に対する感情〟を信じ〝憐は憂太と同じく守るべき対象〟だと判断するようになった。