第4章
夢小説設定
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(誰が何の目的で帳を下ろしたの?……分からない。分からないけど、今はとにかく誰かと合流しないと。)
私は、飲みかけの缶ジュースをゴミ箱に捨てて、ただひたすら走っていた。手と足を動かしながら、頭では原因を考えてみたが、私の貧相な頭では思い付かない。でも最悪な予想は思い浮かぶ……呪術師の大半は、新宿で大量の呪いを祓っている。学長、五条先生、姉さん、狗巻くん、パンダくんと言った強い呪術師は、今高専にはいない……。
(そんな手薄な高専に呪詛師が入り込んだとしたら……本当にまずい。私達だけで対処できるかどうか。)
嫌な事ばかり頭の中に浮かぶのは私の悪い癖だ。……いや、大丈夫。きっと別の呪術師が、何か考えがあって帳を下ろしたんだよ……そうだと言って……───。
微かな希望を胸に、誰かいないかと高専の入口まで来たが、予想外の人物がいた。
貴「……夏油さん?!なんでここに?!?!」
夏「……君がいたか。久しぶりだね、憐。元気にしてたかい。」
なんでここに夏油さんが?!新宿で呪いを率いて五条先生達と戦ってるわけじゃないの……?!
貴「ずっと居ましたよ……貴方が前に乗り込んできた時もね。それより、質問に答えて貰ってもいいですか?何故貴方が、
私は矢を構えながら、夏油さんに尋ねる。ここは誰かが来るまで、下手なことをせず夏油さんから情報聞き出した方がいい。何せ相手は特級呪詛師……私一人じゃ絶対勝てない。これなら、来る途中で真希に電話して合流しとけば良かった。その案を最初に思い付かなかった5分前の自分を恨んだ。
夏「そう怖い顔をしないでよ……。あの時は、君の仲間達が居ただろう?私と知り合いだと、変に勘ぐられる可能性も考えて、君には触れなかったんだ。
それと、何故私がここに来たかって?私が、君に訳を素直に教えると思うのかい?昔の私なら君に教えていただろうが、今は敵同士だ……自分で考えてみるといい……。」
貴「あの日私に声をかけなかったのは、私の為だと言いたいんですか?!やめてください!私の友人を侮辱した事……いまだに根に持っているんですからね。乙骨君が断らなかったら、私がキレてましたよ。
それに、素直に教えてくれるとも思っていませんよ?……ただ何かしら情報をコロッとはいてくれるかなって思っただけです。」
夏「そうだったのかい?君も怒らせる気はなかったよ。」
貴「……どうしてそんなに変わってしまったの?昔の貴方はもっと……。」
夏「おっと……どうやらお話の時間はここまでのようだね。」
夏油さんがふいに私から目線を外し、後ろを見た。誰か来てくれたのかな。
真「てめぇ……なんでここにいる。」
貴「真希!?!?」
少し肩の荷が降りた気がした。私一人じゃもう限界……今にも足が震えそうだった。とりあえず真希が来たならどうにかなるかもしれない……。
夏「悪いが猿と話す時間はない。」
夏油さんがムカデのような呪いを出してくる。ここはやるしかない……いくら相手が格上だとしても……。じゃないと憂太が……攫われてしまうかもしれない。
真「ここでやるぞ、憐!」
貴「うん!」
私達は覚悟を決めて、夏油さんに戦いを挑むのだった。